“いつか妊娠したい”なら今すぐ知っておきたい!不妊治療の専門医が伝えたい5つのこと
平均初婚年齢が男性31.1歳、女性29.7歳の現代、出会いがなかったり、仕事が充実していたりして、必ずしも若いうちに妊娠・出産できるとは限りません。いずれ赤ちゃんが欲しいと考えているなら知っておいてほしいことを、神谷レディースクリニック(札幌市)の岩見菜々子先生に伺いました。
関連記事→卵子の数はどのくらい?低AMHでも妊娠できる?AMHが高いとどうなる?
1.若くても卵巣年齢は…?AMHだけでもチェックを
「特に月経不順がないから、卵巣や卵子も元気」というわけではありません。また、「まだ20代だから、卵巣年齢も若い」とは限らないのです。
年齢にかかわらず、不妊治療をすぐに受けるつもりはなくても、AMH(卵巣予備能)検査を受けて自分の卵巣年齢を知っておくと安心です。
2.ブライダルチェックや不妊治療の検査は、健康診断だと思って
多くの人が「避妊をやめたのに、なかなか妊娠しない…」と不安になってから受診します。ですが「いつか妊娠・出産したい」と思っているのであれば、今すぐ受診し、自分の体の状態をチェックしておきましょう。
また、不妊は女性だけの問題ではありません。不妊原因は女性と男性の両方にあることも多いため、早期の段階でパートナーの男性も精液検査を受けておくことをおすすめします。
3.年齢が1歳でも若いうちに受精卵をつくっておく人が増えています
25歳の人の卵子年齢は25歳、35歳の人の卵子年齢は35歳なので、同じ不妊治療を受けても妊娠率には大きな差があります。
たとえば「35歳で妊娠・出産したい」場合でも、25歳のうちに受精卵を凍結しておき、それを35歳で移植すれば25歳の妊娠率が望めます。液体窒素の中で凍結保存された受精卵は、質が低下することなく、いつまでも保存できます。
4.卵子凍結よりも、受精卵を凍結するほうが各段に妊娠率がいい
妊活という意味では、卵子の年齢は1歳でも若いほうがベター。妊娠率が下がる35歳未満の若いうちに採卵して、卵子を凍結保存しておけば、若い年齢の卵子で妊活がスタートできます。
ただし、凍結保存した卵子での妊娠率は、現状ではさほど高いとはいえません。より高い妊娠率を求めるのであれば、カップル(法律婚・事実婚)でよく相談のうえ、受精卵の状態で凍結保存するとよいでしょう。
5.妊娠を望むなら、葉酸サプリメントはマスト
胎児の奇形を防ぐ唯一のサプリメントが葉酸です。「葉酸は妊婦さんに必要なサプリ」と思っている人が少なくありませんが、妊娠してからでは、かなり大量の葉酸を摂取しないと奇形予防効果は期待できません。
「いずれ妊娠したい」と考えているのであれば、妊活中から葉酸サプリを飲み始めましょう。
『赤ちゃんが欲しい 妊活パーフェクトガイド2025』より転載しています。
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2005年札幌医科大学医学部医学科卒業後、初期・後期研修を終え、09年より札幌医科大学附属病院産婦人科にて在籍。その後11年より、札幌近郊の二つのクリニックに勤務。14年6月より神谷レディースクリニック勤務。日本産科婦人科学会認定専門医、日本生殖医学会 生殖医療専門医、日本抗加齢医学会 抗加齢専門医。「多くのみなさんができるだけ早く妊娠できる不妊治療がモットーです!」
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