【不妊治療の保険適用】治療のステップアップを考え始めたら、注意したい点は?専門ドクターが感じているメリットとは
4月から開始された不妊治療の保険適用。この機会に治療をスタートしようと考えている人や、ステップアップを考えている人も多いのではないでしょうか。
ご夫婦がかかえるさまざまな原因や葛藤に対して、最善のオーダーメイド治療を組み立て納得のいく治療を提供することをモットーとしているのが長野県の「佐久平エンゼルクリニック」です。
最前線で活躍する佐久平エンゼルクリニックの院長・政井哲兵先生に、保険適用によるメリットや、クリニック選びで大事にするべきポイントを伺いました。
保険適用が開始され、先生が現場で感じていることを教えてください。
20代の患者さんが増加。治療についての問い合わせもふえています
患者さんから保険適用の恩恵やメリットについて直接的に聞くようなところはまだありませんが、治療を開始される患者さんの年齢層が下がった印象はあります。特に20代で不妊治療に進まれる患者さんがふえたと感じますね。
また、保険適用の治療についての問い合わせも多くいただくようになりました。
カップルで初診を受けることのメリットは?
「ふたりで治療を進めていく」という意識は大きなメリット!
保険適用の治療では、図らずも初診を夫婦同時に受けるのがルールとなったことでなんとか時間をつくって妊活を進めようというご夫婦がふえているように思います。
治療開始のタイミングで夫婦がいっしょに受診することは、「これからふたりで治療を始めていくんだ」という意識づけになり、ご夫婦にとってもメリットが大きいのではないかと感じます。
佐久平エンゼルクリニックの診察室は対面式。「患者さんとしっかり向き合う」ことをたいせつにしています
保険適用にともなって考え始めたステップアップ…注意点は?
保険の対象外となる治療や年齢・回数の制限も。年齢制限に近い人は計画的に
まず、保険適用とこれまでの自由診療では、実施できる治療の内容に差が出る場合があることを理解いただきたいと思います。
たとえば、これまで自由診療でその患者さんに合わせてオーダーメイドで行ってきたあらゆる治療というものが、保険診療では保険の対象外となる場合もあります。
また、特に生殖補助医療(体外受精以上の治療)では、年齢、回数の制限がありますので、年齢制限に近い患者さん(具体的には、治療開始時に39歳と42歳の方など)では、計画的な受診や治療計画の作成が必要になってきます。
待合室。キャッシュレス決済や自動精算機を導入し、感染対策にも注力しています
クリニック選びのポイントは「希望に寄り添ってくれる施設であるかどうか」
クリニック選びでは、自分たち夫婦がクリニックに対して何を期待し、何を求めるのかをよく考えたうえで、その希望に寄り添ってくれる施設であるかどうか、という点が重要だと思います。結果重視なのか、無理なく通院できることを優先したいのか。さらに、担当のドクターやスタッフとの相性なども大事です。通院や治療自体がストレスになってしまうのは避けたいですよね。
2014年4月にオープン以来、佐久平エンゼルクリニックはのべ卒業者数(産科施設紹介数)は1,000名を超えました(2022年4月末時点)
自分たち夫婦の希望を叶えてくれるクリニックにめぐり合えたら、以後の治療もスムーズに進むでしょうし、治療に前向きにとり組めることで、よりよい結果につながる可能性も期待できます。
時間をムダにしないために、まず受けておくべき検査とは?
当院では、来院される患者さんにAMH検査(いわゆる卵巣年齢検査)と精液検査を特におすすめしています。それは、これらの結果が今後の治療方針を決めるうえで大きな要素を占めることになるためです。
たとえば、年齢が若い夫婦でも女性のAMHの値が極端に低い場合は、治療にかけられる残された時間が少ない(卵子が少なくなっている)可能性があり、また、男性の精子の状態が悪かったり、無精子症であったりした場合は、一般不妊治療では結果が出せないということも考えられます。必要のない治療、時間をムダにしないためにも、ぜひ、これらの検査は最初の段階で行っておいたほうがよいでしょう。
ゆっくり休むことができるリカバリールーム
おふたりにとって最善で納得のいく治療を提案します
当院では、不妊の夫婦は千差万別でそれぞれの夫婦ごとにそれぞれの原因があると考えています。これは医学的な原因(排卵がしにくい、卵管が閉塞している、精子の状態が悪いなど)もそうですが、特に最近は、社会的要因による不妊(単身赴任などで別々に暮らしている、共働きで妊活がなかなかうまくできないなど)もふえているように思います。
これらさまざまな原因に対して、ご夫婦ごとにマッチした最善の治療計画を組み立てていくことが妊娠への近道であり、結果へ導くベストな方法であると思います。
培養室。最新のインキュベーターを導入し、長野県下でも有数な体外受精を行うことのできる技術と最新の設備を提供しています
また医学的な方法とは別に、ご夫婦の納得のいく治療を提供することもたいせつにしています。たとえば、医学的には体外受精が必要と思われる状況でも、ステップアップを決断するまでに多くの葛藤があるご夫婦はたくさんいらっしゃいます。ご夫婦の希望をよく聞いて、満足感の得られる、納得の治療を提供することをモットーにしています。
まずはご夫婦でご来院いただき、叶えたい希望や要望を余すところなく我々スタッフにお聞かせください。おふたりが希望する最善の方法を提案いたします。
佐久平エンゼルクリニック
院長 政井 哲兵先生
鹿児島大学医学部卒業。東京都立府中病院(現・東京都立多摩総合医療センター)、日本赤十字社医療センター、高崎ARTクリニックをへて、2014年に佐久平エンゼルクリニックを開院。日本生殖医学会認定生殖医療専門医、日本産科婦人科学会認定産婦人科専門医。
佐久平エンゼルクリニック
アクセス
長野県佐久市長土呂1210-1
「佐久北IC」「佐久IC」より車で約5分、JR「佐久平」駅より徒歩約10分
診療時間
8:30~12:00、14:00~18:00
水曜・土曜の午後、日曜・祝日は休診
☎︎0267-67-5816
https://www.sakudaira-angel-clinic.jp
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