唯一自分でわかる手がかりは「月経異常」。多嚢胞性卵巣症候群（PCOS）って知っていますか？改善できるの？【妊娠できるかドクターに聞いてみた】

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多嚢胞性卵巣症候群、心がけたい４つのポイント

●砂糖を控えて野菜中心の食生活に。
●適度なダイエットをし、太りすぎを改善。また、やせすぎもNG。
●適度な運動を習慣に。はげしいスポーツはNG。
●精神的なストレスをため込まない。

多嚢胞性卵巣症候群Ｑ＆Ａまとめ

みんなのソボクな疑問、不妊治療専門医に答えてもらいました。

多嚢胞性卵巣症候群の場合、
ズバリ、妊娠はむずかしいのでしょうか？

Ａ.成熟卵が育ち、排卵できればだいじょうぶ。妊娠できます

多嚢胞性卵巣症候群では、卵巣に卵胞がたくさん残っています。
ですから、適切な治療によって、じょうずに成熟卵子を育てて排卵させることができれば、妊娠の確率は、けっして低くありません。治療で約８割の人が妊娠しています。

最近、多嚢胞性卵巣症候群が増えているって本当ですか？

Ａ.検査技術が一般的になって見つかりやすくなりました

確かに少しずつ増えている印象はありますが、増加についての明確なデータはありません。

おそらく、検査の技術が向上して、より判明しやすくなったこと、そして、女性たちが体の不調を改善したり、不妊治療をしたいという意識が高まってきていることが関係しているかもしれません。

多嚢胞性卵巣症候群に突然なることもある？

Ａ.ありません。生まれつきの体質的なものです

子宮筋腫や子宮内膜症は、成長してから発症しますが、多嚢胞性卵巣症候群は、生まれつき持っている体質。
思春期に月経が始まり、排卵が起こるようになると、月経異常が見られるようになり、判明します。ですから、突然かかったり治ったりすることはなく、かかりやすい年齢もありません。

多嚢胞性卵巣症候群は生活改善などで防げるの？

Ａ.防ぐことはできませんが、妊娠しやすい環境づくりはたいせつです

多嚢胞性卵巣症候群は体質的なものなので、残念ながら防ぐことはできません。
ただ、治療するだけでなく、妊娠後に備えて環境をととのえることは無駄ではありません。食生活の見直しや冷えの解消、ストレス解消など、赤ちゃんのために体づくりを心がけてくださいね。

妊娠後に、多嚢胞性卵巣症候群の影響はある？

A.影響することもあるので慎重に経過をみます

多嚢胞性卵巣症候群の人の場合、無事に妊娠したあとも、流産や妊娠糖尿病、高血圧、子宮体がんなどのリスクがやや高いことがわかっています。

妊婦健診を受ける病院、分娩する病院には、必ず治療歴を正確に伝えておくことがたいせつです。

多嚢胞性卵巣症候群は手術で治せる？

Ａ.手術もできますが、おすすめではありません

腹腔鏡で行う手術があります。しかし、成熟しきらない原始卵胞は卵巣の表面近くに連なっているため、この方法だと卵胞が少なくなる＝AMH（卵巣予備能）が低くなるので、おすすめできません。

多嚢胞性卵巣症候群だと卵子の質が悪いってホント？

Ａ.そんなことはありませんので安心して

「多嚢胞性卵巣症候群だと、卵子の質が悪いので妊娠しにくい」と言われることがありますが、そんなことはありません。一度にたくさんの卵胞が育ってくる分、うまく育てれば、よい成熟卵がとれる確率も高く、妊娠率も高いのです。じょうずに育てて、きちんと成熟卵をとればだいじょうぶなので、安心して。

最初から不妊専門病院に通わないとダメ？

Ａ.時間を無駄にしないためにも不妊専門のクリニックへ

一般の産婦人科でも、排卵誘発剤の処方などはできますが、それでうまくいかなくて不妊専門のクリニックに転院すると、また最初から検査などを行うため、時間がかかります。

多嚢胞性卵巣症候群ではAMHの値は高いのですが、残っている卵胞の数が多くても、卵子は年齢とともに老化していきます。少しでも質のよい卵子をとるためにも、時間を無駄にすることのないよう、最初から不妊専門医を受診するのがおすすめです。

多嚢胞性卵巣症候群・体験談「治療中です」

●多嚢胞性卵巣症候群で治療中です！

ノボノボさん（35歳／ベビ待ち歴３ヶ月）

10年ほど前に生理不順や不正出血などの症状があって婦人科を受診し、多嚢胞性卵巣症候群と診断を受けました。
昨年結婚し、タイミングをみてもらっていましたがうまくいかず、排卵誘発剤を使おうとしたところで転居に。今は次に通院するクリニックを決め、夜勤のあった仕事も日勤のみにして、これからの治療をがんばろうと思っています。

●インスリンの血中濃度が高く血糖値を下げる薬を服用中

ひさえさん（31歳／ベビ待ち歴２年）

不妊治療の検査でネックレスサインが見つかり、転院後、インスリンの値が高かったため、診断が確定。
生理不順ではあったのですが、やせているせいだと思っていました。今は血糖値が上がらないように、野菜から食べるなど食生活に気をつけ、血糖値を下げる薬とフェマーラを服用して人工授精にトライしていますが、排卵しない月もあります。

●治療していううちにネックレスサインが消えました

はなぽにょさん（31歳／ベビ待ち歴４年）

２回の流産後、受診した婦人科で多嚢胞性卵巣症候群と診断されました。生理周期が少し長いくらいで自覚症状もなく、意外でした。排卵誘発剤を使ってタイミング法にトライしていましたが、だんだん注射の量が増えていく生活に疲れ、不妊治療専門クリニックに転院。

今は以前あったネックレスサインが消えていると言われ、タイミング法にトライ中です。

体験談「多嚢胞性卵巣症候群だけど、授かりました！」

●妊活スタートと同時に不妊治療専門クリニックを受診

ややさん（29歳／男の子２歳１ヶ月のママ）

大学生のころ、生理周期が長いため産婦人科を受診し、ピルを服用していました。

結婚後、職場に不妊治療中の先輩がたくさんいたので、赤ちゃんが欲しいと思ったとき、すぐに不妊治療専門クリニックを受診。

超音波検査で多嚢胞性卵巣症候群と診断されましたが、タイミング法に５ヶ月トライ。妊娠することができました。

●夫の励ましを信じて治療を続けて妊娠しました！

はるちゃん（29歳／妊娠２ヶ月）

学生時代から生理不順で通院していましたが、なかなか生理周期がととのわず、不妊治療専門クリニックに転院。

超音波検査で多嚢胞性卵巣症候群とわかりました。今回、妊活10ヶ月目にタイミング法で妊娠。

妊活中には夫が、「赤ちゃんはオレたちにピッタリのタイミングで来てくれる」と励ましてくれたので、信じて治療できました。

●健康的にやせる＋排卵誘発剤で３ヶ月で妊娠

あきらのママさん（34歳／女の子１歳のママ）

婦人科で、基礎体温と超音波検査の結果から、多嚢胞性卵巣症候群と診断を受けました。思えば、生理が２～３ヶ月ないことがほとんどでした。

その後、不妊専門クリニックに転院。医師に、「まずやせなさい」と言われたので、食事は野菜から食べるように心がけ、セロフェンを服用して、約３ヶ月で妊娠。

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多嚢胞性卵巣症候群、病名はコワそうだけれど、乗り越えて授かっている卒業生が多いのが多嚢胞性卵巣症候群です。専門ドクターに相談しながら、適切な治療をすすめたいですね。

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※『赤ちゃんが欲しい2016夏』を加筆修正のうえ掲載

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