唯一自分でわかる手がかりは「月経異常」。多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)って知っていますか?改善できるの?【妊娠できるかドクターに聞いてみた】 | 3ページ目 (4ページ中) | 不妊治療・妊活のクリニック探し・情報収集ならあかほし(赤ちゃんが欲しい)
MENU
不妊治療・妊活のクリニック探し・情報収集ならあかほし 基礎知識 唯一自分でわかる手がかりは「月経異常」。多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)って知っていますか?改善できるの?【妊娠できるかドクターに聞いてみた】

唯一自分でわかる手がかりは「月経異常」。多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)って知っていますか?改善できるの?【妊娠できるかドクターに聞いてみた】

2023/05/07 公開
2023/08/10 更新

画像ギャラリー

血液検査ではこんなことがわかります
「多嚢胞性卵巣症候群」

●男性ホルモンが多い

テストステロンなどの男性ホルモンが高い値を示します。
外国人女性の場合、ヒゲが生えたり、毛深くなるなど、見た目にわかりやすく男性的な兆候が出やすいですが、日本人女性にはあまりあてはまらないことも。

●インスリン濃度が高い

多嚢胞性卵巣症候群の人は、血糖を下げる働きをするホルモン・インスリンが働きにくくなっているため、インスリンが多く必要な状態になっています。
そのため、血糖値が正常でも、インスリンの血中濃度が高いことがあります。

●黄体化ホルモン(LH)>卵胞刺激ホルモン(FSH)

卵胞が成熟するまでは卵胞刺激ホルモン(FSH)が、成熟したあとは黄体化ホルモン(LH)が分泌されます。
LHの値がFSHより高いのは通常、排卵前後の数日間のみ。多嚢胞性卵巣症候群では、月経3日目前後でもその状態。

●AMHの値が高い

AMH(アンチミューラリアンホルモン)は、卵巣の原始卵胞が育つときに分泌されるホルモン。
通常、値は25歳ごろがピークで、それ以降は下がりますが、多嚢胞性卵巣症候群では、卵巣に排卵されない未成熟卵胞が数多く残っているため、値が高いままになります。

多嚢胞性卵巣症候群の治療

多嚢胞性卵巣症候群の治療、おもな流れは下記のようになります。

①排卵誘発(服用)

まず、クロミッドなどの排卵誘発剤を数日間、服用して排卵を促します。
通院して卵胞の成熟度を確認しながら服用量をふやしたり、ステロイドや漢方薬を併用することもあります。

②排卵誘発(注射)

服用で卵胞が育たない場合、注射による排卵誘発に進みます。
卵巣過剰刺激症候群(OHSS)という副作用に注意し、慎重に行います。自宅での自己注射となることもあります。

③体外受精

排卵誘発で受精や妊娠につながらない場合、体外受精に進みます。
成熟卵を採取して体外・顕微授精したあと、妊娠率を上げるために、受精卵を凍結。着床に最適な状態の子宮に戻す凍結胚移植をします。

また、卵巣刺激をせずに未成熟卵子を採取し、体外で培養・成熟させ、受精させるIVMという方法も。この方法だと、身体的・経済的負担や、OHSS(卵巣性刺激症候群)のリスクを抑えることができます。

多嚢胞性卵巣症候群と診断されたら…

日々の暮らしのなかで心がけたいことを知っておきましょう。

次のページ> 多能法制卵巣症候群、どんなことに気をつけて過ごせばいい?

監修
監修

浅田レディース品川クリニック院長。
より短い治療期間で妊娠という結果を出すため、エビデンスに基づいた治療や痛くない不妊治療・痛くない採卵を行なう。1982年名古屋大学医学部卒業。88年名古屋大学医学部附属病院産婦人科医員として不妊外来を担当。95年同病院分院でICSIによる治療開始。同年日本ではじめて精巣精子を用いたICSIによる妊娠例を報告。2004年浅田レディースクリニック(現・勝川クリニック)開院、10年浅田レディース名古屋駅前クリニック開院、18年浅田レディース品川クリニック開院。著書に『名医が教える最短で授かる不妊治療』『女の子が知っておきたい卵子のハナシ。』がある。

Twitter LINE
人気記事ランキング
  • 24時間
  • 月間
閉じる