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体外受精の採卵や胚移植、前日・当日の過ごし方/やってはいけないことは?【不妊治療専門ドクター監修】

2024/09/22 公開

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体外受精の確率を少しでも上げたい。だから「採卵後に仕事に行けるの?」「運動してもいい?」など、治療前後の過ごし方について、心配になることがたくさん出てくるもの。そんな皆さんの疑問を、浜田病院不妊科の真壁友子先生に伺いました。第3回目は体外受精の採卵や胚移植の前後(前日や当日)に気をつけること・やってはいけないことについてです。

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体外受精(IVF)とは、どういうもの?

体外受精は、女性の卵巣から卵子を採取し、体外で精子と受精させたのち、受精卵(胚)を子宮に戻す(移植する)方法です。

採卵
自然な状態では毎月1個の卵胞が育ちますが、体外受精ではできるだけ多くの卵胞を育て、一度に複数の卵子を採卵することが多いです。そのため、自然周期での採卵を行う人以外は、排卵誘発剤を使って卵巣を刺激し、複数の卵胞を育てます。卵巣刺激には、排卵誘発剤の種類によって低刺激~高刺激があり、一般的には刺激が強いほど採取できる卵子の数は多くなります。

採卵当日は、超音波で卵巣内の卵胞の位置を確認し、腟から卵巣に針を刺して卵子を採取します。採卵時に麻酔を使用するかどうかは、クリニックによって異なります。

男性側は、採卵日にマスターベーションによって精液を採取します。採取した精液は洗浄・濃縮して元気な精子だけを集め、調整します。

受精
採卵した卵子は、当日のうちに精子と受精させます。受精方法には、シャーレの中に入れた卵子に調整した精子をふりかける「体外受精」と、卵子1個に精子1個を注入する「顕微授精」があります。精子の運動率が悪い、奇形率が高い、これまでの治療歴などによって、顕微授精をすすめられることがあります。

培養
受精卵は、インキュベーター(培養器)に入れて培養します。培養すると細胞分裂を繰り返していき、受精後2日目に4分割、3日目に8分割すると発育速度としては良好です。分裂を始めた受精卵のことを「胚」といい、受精後2~3日目の胚を「初期胚」と呼びます。4日目になると8~16分割ぐらいになって細胞がくっつき始め、5~6日目ごろに「胚盤胞」と呼ばれる状態になります。

胚移植
移植方法は、受精卵(胚)の状態や時期によってそれぞれ2つの方法があります。

受精卵の状態による方法の違いには、初期胚で子宮に移植する「初期胚移植」と、胚盤胞で子宮に移植する「胚盤胞移植」があります。胚盤胞移植は、初期胚に比べて育った状態で移植するぶん、妊娠の可能性が高くなります。

移植の時期による方法の違いには、採卵した周期に移植する「新鮮胚移植」と、受精卵を凍結したのち、別の周期に融解して移植する「凍結胚移植」の2つがあります。また、凍結胚移植には、自然に排卵する時期に移植する「自然周期」と、ホルモン剤を使用して子宮内膜を育てる「ホルモン補充周期」があります。

卵巣刺激・採卵・移植が同じ周期で行われる新鮮胚移植では、卵巣刺激の影響を受けて子宮環境が整わず、受精卵が着床しにくくなることがあります。そのため、妊娠率は凍結胚移植のほうが高くなるので、多くの場合は凍結胚移植が選択されます。

次のページ>>採卵の前後や胚移植の前後に気をつけること・やってはいけないことは?

小畑会浜田病院 不妊科 医師。日本生殖医学会生殖医療専門医。診療を通じ、日々第一線で不妊治療に携わる。患者さんの気持ちに寄り添い、安心して臨んでもらえるよう対話を大切にした治療に定評がある。

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