「遺伝」に関して不安があるなら、一人で悩まずに医師や培養士に相談を。適切な検査をご案内します【オーク住吉産婦人科】

オーク住吉産婦人科は、大阪でも実績ある不妊治療クリニックの一つ。オーク梅田レディースクリニック、オーク銀座レディースクリニックとの連携した治療が可能で、3院とも体外受精などの高度不妊治療に対応しています。
今回は、不妊治療に関するさまざまな検査や研究を行っている「遺伝チーム」のスタッフにお話を伺いました。
「遺伝」に関して不安があるなら、一人で悩まずに医師や培養士に相談を。適切な検査をご案内します
培養士
奥平 裕一さん
近畿大学生物理工学部遺伝子工学科卒業、岡山大学大学院環境生命科学研究科農生命科学専攻修了。大学から一貫して生殖に関わる研究に携わっており、オーク会では胚培養士および研究開発業務に従事。レスキューIVM等の研究に取り組んでいる。博士(学術)。日本卵子学会認定生殖補助医療胚培養士。医療法人オーク会 臨床検査・生殖補助医療技術セクション スーパーバイザー。
遺伝チームで、生殖にまつわるさまざまな出来事と遺伝学を組み合わせ、検査や研究を行う
オーク住吉産婦人科は、最新技術を積極的にとりいれながら、患者様一人ひとりにあった治療を実施するクリニック。研究施設をもち、妊娠率向上のため生殖医療に関する研究にもとり組んでいます。
とくに培養士2名と遺伝学研究者、バイオインフォマティシャンの計4名からなる「遺伝チーム」では、不妊治療に活かすべくさまざまな検査や研究を行っています。
「遺伝チームでは『Reproductive Genetic Journey(リプロダクティブジェネティックジャーニー)』というテーマを掲げ、研究や検査を行っています。
Reproductive Journeyは直訳すると『生殖の旅』という意味。人間が生涯にわたって経験する生殖に関する段階や出来事、たとえば女性なら初潮や妊娠・出産(ときには流産)、閉経など一連の流れを指す言葉です。それに遺伝学を組み合わせたものが、 Reproductive Genetic Journeyなんです」(培養士・奥平さん)
「バイオインフォマティシャンとは、生命科学分野におけるデータ解析の専門家のこと。遺伝子情報はデータ量が膨大で複雑なため、コンピュータなどの力を借りずに行うのは不可能なんです。そのためバイオインフォマティシャンがデータ解析を短時間でできるようなシステム開発・アプリ開発をします。
例えば、シーケンサーと呼ばれる遺伝子解析の機械から出力された塩基配列データをもとに解析を行います。これらのデータは今後遺伝に関するさまざまな検査や研究などで活用されていきます」(バイオインフォマティシャン・アレハンドロさん)
遺伝チームの皆さん。左から、培養士の垣井麻莉さん、奥平裕一さん、研究者のアラニス・アヶヴェヶ・フェリペ・イグナシオさん、バイオインフォマティシャンのバルガス・ラモス・ ルイス・アレハンドロさん。
オーク住吉には経験豊富な培養士が多く在籍し、培養士のための遺伝解析トレーニングや、他施設での技術講習を行うこともあります。
妊娠する前の検査によって、不妊や流産の原因がわかることも。事前に心の準備もできます
オーク住吉産婦人科では、このReproductive Genetic Journeyを軸に、妊娠前、着床前、出生前と、それぞれの段階に応じた検査を行っており、最近は患者様からの問い合わせも増えているそうです。
では、具体的にどんな検査を行っているのでしょうか。まず妊娠前の検査である、「保因者スクリーニング」と「染色体検査」から伺いました。
「保因者スクリーニングは、妊娠する前に親になる人が遺伝性疾患の原因となる遺伝子変異を保有しているかどうかを調べる血液検査のこと。親族に遺伝性の疾患を持つかたからお問い合わせいただくことが多いです。
遺伝性疾患の中には、遺伝子の変異が1つだけでは発症せず、2つ揃うことで初めて発症する「劣性遺伝 疾患」と呼ばれるものがあります。このような疾患において、変異を1つだけ持っている方は「キャリア(保因者)」と呼ばれ、症状は出ません。
例えば、父親・母親の両方が同じ疾患のキャリアであった場合、生まれてくるお子さまがその病気を発症する可能性があります。妊娠前にご自身がキャリアであることが分かれば、あらかじめ心の準備をしたり、今後の選択肢について考えるきっかけになったりします。
ただし、すべての遺伝子検査に共通していえることですが、検査を受けることで100%病気を回避できるわけではありません。臨床的な影響がまだ分かっていない遺伝子変異や、現在は病的とはされていない変異が、将来的な研究によって解釈が変わる可能性もあります。
また、新たな突然変異によって病気が発症する可能性も否定はできません。それでも、遺伝に関するリスクを知ることは、ご家族にとって将来を前向きに考える手助けになると私たちは考えています」(培養士・垣井さん)
「染色体検査は、遺伝子の集合体である染色体に数の変異がないか、転座や重複、欠損、逆位など構造の異常がないかを調べる血液検査。染色体の構造に異常があると、それによって不妊になったり、妊娠しても流産を繰り返す 不育症の原因になったりすることがあります。
一般的には流産を繰り返すカップルに提案される検査ですが、当院では プレコンセプションケア(妊娠前に行う検査のこと)の一環としても提供しています」(培養士・奥平さん)
遺伝学の研究者であるフェリペさんは2010 年以来、チリ、イギリス、日本において遺伝病の臨床診断を扱う分子生物学研究所に勤務し、遺伝子シーケンシングなど診断方法の臨床、開発、指導に携わってきました。
受精卵の胎盤になる部分の細胞を採取して調べる着床前検査
着床前の検査であるPGT-A、PGT-M、PGT-SRは、いずれも体外受精で卵子と精子を受精させてできた受精卵を調べる検査で、受精卵を子宮に移植する前に実施。受精卵の将来胎盤になる部分の細胞の一部を採取して調べます。
「PGT-Aは受精卵の染色体の数の異常を調べるもので、流産を2回以上、体外受精で2 回以上妊娠不成立の場合にすすめられます。
PGT-Mは受精卵の遺伝子を調べる検査で、親になる人が遺伝子変異を保有し、その変異によって生まれてくるお子さまに重篤な症状を引き起こす可能性のある疾患に限って、適応されます。
PGT-SRは受精卵の染色体の構造に異常がないか調べる検査です。ご夫婦のいずれかに染色体の構造異常が認められる場合に適応されます。
これらの検査は日本産科婦人科学会の規定によって実施に制限がありますが、相談や質問は随時受け付けています」(培養士・垣井さん)
バイオインフォマティシャンのアレハンドロさん。水処理プラント、製薬会社等のエンジニアを経てシステムエンジニアに。AI・Pythonを中心としたプロジェクトの経験も多くあります。
妊娠後に行うのは胎児の検査。母体血、胎盤の一部や羊水を採取して行います
そして、妊娠した後に行われるのが、出生前の検査であるNIPT、絨毛・羊水検査です。
「当院では、NIPTを妊娠10週から行っており、胎児の染色体の数に異常がないかを調べることができます。特に、13番・18番・21番染色体に関わるトリソミー(ダウン症候群など)を対象としており、母体の血液だけで行える非侵襲的な検査であることが特徴です。
ただし、検査結果に「陽性」が出た場合でも、必ずしも胎児に異常があるとは限らず、全体の5%前後に“疑陽性”が出る可能性があります。そのため、陽性となった場合には、確定診断である絨毛検査や羊水検査をご案内しています。
絨毛検査は、妊娠10〜15週頃に行われる検査で、胎盤の一部である絨毛を採取して染色体異常や遺伝子疾患 を調べます。ただし、採取した細胞が「モザイク」という状態(正常と異常な細胞が混在)になっている場合、胎盤に異常があっても胎児は正常である可能性もあります。
羊水検査は、妊娠16~18週頃に羊水を採取して検査する方法です。モザイクの影響を受けにくく、胎児の状態をより正確に反映します。ただし、一般的に検査結果が出るまでに数週間を要します。
絨毛検査も羊水検査もわずかに流産や感染などのリスクを伴いますが、確定診断である為、問題がなければ安心して妊娠生活を送れるというメリットがあります。」(培養士・垣井さん)
遺伝に関して不安を抱えているなら、ぜひ相談を
最近は、これらの検査を受ける人は確実に増えてきており、なかでも保因者スクリーニングを希望するかたは増えてきているそうです。
「遺伝子疾患のあるお子さんを持つ親御さんによるSNSの発信などによって、遺伝子疾患に対する世間的な認知度が高まってきたように感じます。特に若い方からの問い合わせも多いです。
保因者スクリーニングはカップルだけでなく、シングルでも受けることができるため、プレコンセプションケアの一環として考えるかたもふえています」(培養士・奥平さん)
「子どもが欲しいけれど、遺伝に関する不安を抱えているならば、ぜひ相談してほしいです。いつ検査するのがいいのか、親族のうち誰に遺伝子疾患がある場合に検査したほうがいいのかなど、相談していただければ私たちがお答えします。
各段階でできる検査がありますから、気軽に相談してください」(研究者・フェリペさん)
臨床遺伝専門医が2名在籍。遺伝のさまざまな悩みに対応しています
遺伝に関する検査をするかどうかは、最終的には医師との遺伝カウンセリングを受けてから決めることになりますが、遺伝チームの皆さんは患者様との橋渡し的な役割をはたしています。
「当院には臨床遺伝専門医が2名在籍し、2名が主体となって遺伝カウンセリングや遺伝診療を行っています。外来では時間が限られるため、オンライン診療でゆっくりと話をしていただくことができますから、不安な方はぜひご相談ください。私たち遺伝チームが患者様のサポートを行います。
また、結果が出た時、その内容によっては受け止めきれないということもあるかと思います。判断が難しい場合もありますから、検査でどういうことが分かって、もし分かったらどうするかというところまで、しっかりご夫婦で話し合いしていただくことも大事だと思います。
しっかりと理解していただいてから検査を受けることが重要ですし、理解を深めるためのサポートが、私たちの仕事だと思っています」(培養士・奥平さん)
「遺伝子や染色体に関する解説や、検査の詳しい説明などを私たちから行い、より理解を深めていただいてから、医師のカウンセリングを受けることでスムーズに検討していただけると思います」(培養士・垣井さん)
培養士
垣井 麻莉さん
立命館大学 情報理工学部 生命情報学科 卒業、奈良先端科学技術大学院大学 バイオサイエンス研究科 分子生物学専攻 修士課程 修了、大学病院にて実験補助員として勤務した後、医療法人オーク会検査部に入職し、生殖補助医療胚培養士を取得。現在、医療法人オーク会 臨床検査・生殖補助医療技術セクション スーパーバイザーを務めている。
オーク住吉産婦人科
住所:
大阪市西成区玉出西2-7-9
アクセス:
OsakaMetro 四つ橋線「玉出駅」下車、5番出口より徒歩1分、南海本線「岸里玉出駅」下車、玉出口より徒歩10分
電話:
0120-009-345
公式HP:
https://www.oakclinic-group.com/sumiyoshi/
オーク梅田レディースクリニック
住所:
大阪市北区梅田2-5-25 ハービスPLAZA3階
アクセス:
OsakaMetro 四つ橋線「西梅田駅」下車、北改札口より徒歩1分、OsakaMetro 御堂筋線「梅田駅」下車、南改札口より徒歩5分、阪急線 「大阪梅田駅」下車、徒歩12分
電話:
0120-009-345
公式HP:
https://www.oakclinic-group.com/umeda_ladys/
オーク銀座レディースクリニック
住所:
東京都中央区銀座2-6-12 Okura House7階
アクセス:
東京メトロ「銀座一丁目駅」より徒歩2分、「銀座駅」より徒歩3分、JR「有楽町駅」より徒歩5分
電話:
0120-009-345
公式HP:
https://www.oakclinic-group.com/ginza_ladys/
企画/サンワードメディア
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