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廃棄される運命にある“未成熟卵” を レスキューIVM(体外培養)で“成熟卵” にし妊娠へ【オーク梅田レディースクリニック】

2023/08/01 公開
2023/10/01 更新

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卵巣機能が低下している人にできる治療について「オーク梅田レディースクリニック」にお話を聞きました。

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いち早く「レスキューIVM」に着目し、治療にとり入れる

オーク梅田レディースクリニックは、大阪市南部にあるオーク住吉産婦人科や、東京にあるオーク銀座レディースクリニックと連携した治療ができるクリニックです。2022年12月に移転し、体外受精の採卵や移植、手術も行えるクリニックとして生まれ変わりました。アクセスも抜群なうえ、1年365日体制で診察を行っているため、患者さんにとっても通いやすい施設です。

体外受精の成功を支える培養士は、オーク住吉で働くベテラン培養士が梅田院と行き来しており、技術力の面でも安心できるといえるでしょう。そんな高い技術力を誇るオーク梅田レディースクリニックのベテラン培養士の1人が、奥平裕一さんです。

「当クリニックでは不妊治療における最新技術や検査を、積極的にとり入れています。たとえば『レスキューIVM』もその一つ。その有用性に着目して、早い時期から治療にとり入れてきました」


白で統一され、清潔感にあふれた待合室。広々としていて、雑誌なども並んでいます。

「レスキューIVM」とは、顕微授精や卵子凍結で使われる技術のこと。体外受精にトライしているかたにとっても、あまり耳なじみのない技術かもしれません。一般的に行われるIVMとも異なる「レスキューIVM」とは、いったいどんな方法なのでしょうか?まずは一般的に行われるIVMについて教えていただきました。

「体外受精では、卵巣を排卵誘発剤で刺激してたくさん卵を育てます。育ったらトリガーといわれる卵を成熟させる注射をしてから“成熟卵”を体外にとり出し、卵に精子をふりかけたり、顕微授精によって受精を行って培養、その受精卵を子宮に戻します。体外受精では、できるだけたくさんの成熟卵をとりだして受精させることが重要になってくるのですが、IVMはあえて“未成熟な卵”をとりだして、体外で成熟させるんです。

一般的なIVMではあえて「未成熟卵」をとりだす

なぜ、あえて“未成熟な卵”をとりだすのか、これにはいくつか理由があるそうです。

たとえば、卵はできるものの排卵しにくい多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)のかたに排卵誘発剤を打つと、非常にたくさんの卵ができます。しかしそこにトリガーを打つと、卵がいっせいに成熟して卵巣が腫れてしまうことがあるんです。これを卵巣過剰刺激症候群(OHSS)といって、時には命にかかわることも。

未成熟卵をとり出すIVMならOHSSのリスクを下げることが可能です。また、逆に排卵誘発剤を打ってもなかなか卵が成長しない人に、未成熟卵をとり出して体外で育てる方法をとる場合もあります。他にもがん治療などをしているかたに、妊娠の可能性を残すために、摘出した卵巣から未成熟卵をとりだすこともあります」


患者さんのたいせつな卵や精子、受精卵を扱う培養士はベテランぞろい。安心して治療にのぞめます。

IVMはどんな方法で行われるのでしょうか?「通常の体外受精では、排卵誘発剤を使って卵胞を成長させ18〜20ミリになったら採卵しますが、IVMではマイルドな排卵誘発剤、もしくは誘発剤は使わずに、6〜12ミリの卵胞から採卵します。

その卵を卵胞刺激ホルモン(FSH)や黄体化ホルモン(LH)といった体内で分泌されているホルモンなどがある環境で24時間ほど培養。24時間後に卵の周りについている細胞をはがして成熟しているかどうかをチェックし、成熟していれば顕微授精を行い、以降は一般的な体外受精と同じ流れになります」


最新機器が導入された培養室。スペースがたっぷりとられているので、複数の培養士さんたちの動きもスムーズ。

「レスキューIVM」により妊娠の可能性を広げる

では、オーク梅田レディースクリニックで行われている「レスキューIVM」とはどういったものなのでしょうか?

「顕微授精や卵子凍結を行う場合、多くのクリニックでは排卵誘発剤を使って卵をたくさん育て採卵、その後、卵のまわりについた細胞をはがして、成熟卵かどうか確認します。このとき成熟卵だけが顕微授精や卵子凍結につかわれ、未成熟卵は廃棄されているのが一般的です。

でも、せっかくとり出した卵を廃棄してしまうのはもったいないですし、それを体外で成熟させて治療で使えれば、卵が増えて受精卵になる可能性も、妊娠するチャンスも増えます。我々は、この廃棄される運命にある未成熟な卵を体外で成熟させることを『レスキューIVM』と呼んで治療にとり入れています」


シンプルな診察室は、夫婦で先生の話が聞けるよう、イスが2脚用意されています。

少しでも妊娠のチャンスが広がるのは、患者さんにとっても大きなメリットですが、逆にデメリットはないのでしょうか?

「1つはIVMは自費診療になり、追加の費用が必要になる点。そしてレスキューをしても必ずしもすべて成熟卵や胚盤胞(着床できる状態に変化した受精卵)になるわけではない、という点ですね。

未成熟卵のうち70%以上は成熟卵にできていますが、そこから胚盤胞になるのは一般的には30〜40%のところ、レスキューIVMで育てた卵では15〜20%くらいです。体内で育った卵に比べると、発育能力は低くなってしまうのが現状です。

とはいえ、成熟卵がとれにくい人にとっては、非常に意味のある治療だと思いますし、通常治療でうまくいかない人も、レスキューIVMを組み合わせることで妊娠の可能性も広がると思います。卵巣機能が低下していて、体外受精がなかなかうまくいかない場合は、一度ご相談していただけるとよいかと思います」


採卵や移植、オペを行う手術室。日帰りの手術にも対応しています。

廃棄される運命にある“未成熟卵” をレスキューIVM(体外培養)で“成熟卵” にし妊娠へ

不妊治療ではさまざまな専門用語が飛び交い、特に体外受精では卵の成長具合にもいろいろなステージがあって、分かりにくいことも多いかもしれません。

そこで当院ではヘルプセンターという部署を設け、培養士や看護師、医師などの各専門家が悩みや治療に関する相談を電話で受け付けています。家に帰ってから疑問に思ったこと、診察で聞きそびれたことなど、患者さんのカルテを見ながらていねいに説明し、納得して治療を受けていただけるようにしています。これから治療を始めようと思っている人も、治療について分からないことは気軽に相談してくださいね。

監修
オーク梅田レディースクリニック
胚培養士 奥平 裕一 さん

博士(学術)、日本卵子学会認定生殖補助医療胚培養士。近畿大学生物理工学部卒業後、岡山大学大学院環境生命科学研究科にて博士号を取得。大学院では主にヒトおよび動物の未成熟卵子の体外成熟(IVM)技術に関する研究などを行い、専門分野は卵成熟。2017年に医療法人オーク会へ入職。オーク会では胚培養士および研究業務に従事している。

オーク梅田レディースクリニック

住所
大阪府大阪市北区梅田2-5-25 ハービスPLAZA3階

アクセス:大阪メトロ四つ橋線「西梅田駅」北改札口からすぐ。JR「大阪駅」桜橋口から徒歩2分

電話番号
0120-009-345

時間
月~金/9:00~13:00、14:00~16:30、17:00~19:00
土/9:00~13:00、14:00~16:00
日・祝/9:30~15:00
上記の診療時間と診療受付時間は異なります
日曜・祝日の診察は完全予約制です
年中無休

URL
https://www.oakclinic-group.com/umeda_ladys/

『赤ちゃんが欲しい(あかほし)』は、主婦の友社が運営する妊活・不妊治療のお悩み解決メディア。ドクターや専門家監修の信頼コンテンツを中心に「妊娠したい」を全力サポートします。全国のクリニックや施設の検索もラクラク。

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