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卵巣機能が低下している!?体外受精がうまくいかない…その原因と対策【オーク梅田レディースクリニック】

2023/08/01 公開
2023/10/01 更新

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監修
オーク梅田レディースクリニック
胚培養士
奥平 裕一 さん

⇒オーク梅田レディースクリニック
廃棄される運命にある“未成熟卵” をレスキューIVM(体外培養)で“成熟卵” にし妊娠へ

つい期待する体外受精その妊娠率は30%ほど

不妊治療にはさまざまな方法があり、多くの人はまずタイミング療法、その後人工授精へ、そして体外受精へとステップアップしていきます。体外受精は費用もかかりますが、もっとも妊娠率の高い治療法でもあり、それまでの治療でうまくいかなかった人も「体外受精なら妊娠できるはず…」と期待する人は多いのではないでしょうか。

しかし、体外受精の妊娠率は一般的には1回の胚移植につき30%ほど。他の治療と比べると高い妊娠率といえますが、それでも1度の胚移植では妊娠できず、複数回の移植や採卵をくり返すケースも少なくありません。

では体外受精がうまくいかない原因はどこにあるのでしょうか?その原因は複雑にからみあっていることが多いうえ、実は妊娠の成立はまだまだ解明されていないことが多いため、必ずしもこれが原因だとは言い切れない現状があります。しかしうまくいかなかったときに落ち込むだけでなく、次にどんなことができるか知っておくことも大切です。現状、考えられる原因と対策を知っておきましょう。

知っておきたいキーワード
「成熟卵」と「未成熟卵」

正常卵
…卵の細胞は正常。

正常卵→成熟卵
精子を受け入れる準備ができている卵。

正常卵→未成熟卵
成熟していないため、受精できる状態ではない卵。
体外で培養して成熟することもできる

変性卵
…卵の細胞が変性しているため、受精できない

卵子は卵胞というふくろに包まれていて、体外受精の採卵では卵胞液ごととり出すことになります。ただしとれた卵のすべてが受精できる状態のものではなく、採卵するときには正常卵か変性卵かなどは分かりません。採卵後や移植前に、採れた卵の数と一緒に正常卵か変性卵かなどを聞く機会がありますから、事前に頭に入れておくとよいでしょう。

体外受精がうまくいかない…考えられるおもな原因と対策

①卵がとれない

排卵誘発剤を使って卵巣を刺激しても、なかなか卵が成長しないことがあります。

②卵はとれるが、受精しない、受精卵が育たない

卵がとれても、受精卵にならなかったり、受精しても途中で成長が止まってしまったりすることがあります。

③着床しない

無事受精卵が育って、それを子宮に戻しても着床しないことがあります。

①の原因として考えられるのは…
卵巣機能が低下している
卵巣機能は一般的には年齢とともに低下してきますが、年齢が若くても低下している場合があります。ストレスや過度のダイエットなどさまざまな原因によってでホルモンバランスが乱れていたりすると、月経周期も乱れ、排卵しづらい状態に。排卵誘発剤で卵巣を刺激しても、なかなか反応せず、とれる卵の数が少なくなってしまいます。

②・③の原因として考えられるのは…
卵子の質が良くない
卵はとれても、うまく成長しなかったり、無事受精卵となって子宮に戻しても、うまくいかない場合、卵の質に原因があるのかもしれません。卵の質は年齢が上がるほど低下していき、この卵の質を改善する方法は残念ながら今のところありません。できるだけ若いうちに治療を進めることが大切で、逆に卵の数がとれなくても質さえよければ妊娠する可能性は高まります。

おもに行われる対策は
●卵巣刺激の方法を変える
排卵誘発剤に対する反応は人によって違います。事前の検査などでできるだけその人に合った方法で卵を育てますが、1回目の採卵でうまくいかなかったときは、2回目ではその方法を変えることが多いでしょう。また、複数回くり返してもうまくいかない場合は、以下のような方法をとる場合もあります。

●IVM
未成熟卵を体外で培養する方法。なかなか受精卵が成長しなかったり、排卵誘発剤で卵巣を刺激すると一度にたくさんの卵が成長してOHSS(卵巣過剰刺激症候群)になってしまったりする人には、あえて未成熟卵を狙ってとり出し、体外で育てるとうまく行くケースがあります。

●PGT-A
受精卵の染色体の数の異常を調べる検査。異常がないと思われる受精卵を子宮に戻すことで、着床率が上がり、流産率が下がります。

③の原因として考えられるのは…
子宮環境に問題がある
子宮内膜が厚くならなかったり、子宮筋腫や子宮内膜ポリープがあると着床しにくくなるほか、慢性子宮内膜炎があると着床しづらいと考えられています。また、「着床の窓」といわれる、子宮内膜が受精卵を受け入れるタイミングがずれていても着床しにくいとされています。

おもに行われる対策は
●子宮環境を調べる検査をする
子宮環境を調べる検査にはさまざまなものがあります。たとえば子宮鏡は、小さなカメラを子宮内に挿入し、子宮内を確認するもの。これで子宮内膜炎や子宮内膜ポリープなどを見つけることができます。

また、子宮内膜を採取して受精卵の移植に適していたかどうかを調べるERA検査や、子宮内の妊娠に適した細菌叢になっているかどうかを調べるEMMA検査や子宮内フローラ検査もあります。いずれも良い受精卵を複数回移植しているのに、着床しない場合に行われることが多い検査です。

『赤ちゃんが欲しい(あかほし)』は、主婦の友社が運営する妊活・不妊治療のお悩み解決メディア。ドクターや専門家監修の信頼コンテンツを中心に「妊娠したい」を全力サポートします。全国のクリニックや施設の検索もラクラク。

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