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〈体外受精〉基本の流れは8ステップ!スタートから妊娠までのプロセスをチェック【医師監修】

2025/10/13 公開
体外受精

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2022年4月から保険適用になった「体外受精(IVF)」。生殖補助技術(ART)と呼ばれる最先端の医療です。排卵誘発、採卵、移植などのプロセスが多く、通院回数も増える体外受精について、基本的な流れを紹介します。

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体外受精の仕組み

体外受精は、卵子と精子をそれぞれ体外に取り出して人工的に受精させ、育った受精卵を体内に戻す方法です。排卵日にいきなり行えるものではなく、できるだけ質のよい卵子を取り出すために、注射や薬で卵巣を刺激して、卵子を卵巣内でしっかりと成熟させます。出典:『妊活 治療と生活アドバイス』

体外受精の手順をチェック

STEP1➡︎夫婦ともに検査

さまざまな検査をして、治療に備える

女性は感染症や疾患の有無、各種ホルモンの値などを調べます。その結果から、採卵の前に行う卵巣刺激法をチョイス。

また、ピルを服用して卵巣を休ませたり、周期に合わせて卵胞ホルモンや黄体ホルモンを投与することも。男性も感染症や精子の奇形率などを調べます。

STEP2➡︎約2週間かけて卵巣を刺激

体の状態をこまかくみて、刺激法を決める

排卵誘発剤を使って卵巣を刺激し、複数の卵子を育てます。同じ人でも、体の状況によってベストな排卵誘発法が異なるので、超音波検査やホルモン値をはかりながら、どの薬をどれくらい使うかを決めていきます。

採卵前に排卵しないよう、排卵を抑える薬を使うこともあります。

●さまざまな卵巣刺激法

卵巣刺激にはさまざまな方法があります。高刺激は卵がたくさんとれますが、卵巣への負担が大きく副作用が出る心配が。

低刺激は副作用は少ないものの、とれる卵子の数が少なくなります。

STEP3➡︎卵子が成熟したらhCG注射を投与

採卵する前に薬を使う

約2週間かけて卵胞がじゅうぶんに成熟したら、採卵日が決まります。採卵の前々日の夜に排卵を促すhCGという注射を打つか、あるいはGnRHアゴニストを鼻腔にスプレーします。

それから36時間後が排卵の目安なので、直前に成熟した卵子を採卵します。

STEP4➡︎いよいよ本番!妻は採卵 、夫は採精

妻は手術室(採卵室)へ、夫は採精室へ

妻は手術着に着がえ、採卵に臨みます。麻酔はする場合としない場合とがあります。

医師が経腟超音波で確認しながら、腟から採卵針を使って、卵巣にある卵胞を採卵。かかる時間は10分程度で、その後回復室のベッドで休みます。夫は採精室で採精します。


採卵は手術室(採卵室)で行われます。採卵後は、回復室(リカバリールーム)でしばらく体を休めます。


不妊専門クリニックには、夫用の採精室が完備。プライバシーが守られた個室です。

STEP5➡︎卵子と精子を合わせる

高度に清潔な環境で培養士が担当

洗浄したシャーレに卵子を入れ、そこに洗浄して必要な処理がすんだ精子を振りかけます。

その後、シャーレを専用の培養器に入れ、受精するのを待ちます。受精したかどうかは、翌日に判明。これらの作業は培養室で、培養士が担当。


徹底的に管理された培養室で、胚がつくられます。

STEP6➡︎受精卵を培養

卵管と同じような環境で大事に育てる

受精卵は卵管と同じような温度、酸素濃度にととのえられた培養器(インキュベータ)の中で育てられます。

培養器内の環境は24時間コンピュータで管理され、受精や細胞分裂の確認のため培養器から受精卵をとり出す回数は、最小限に抑えます。

STEP7➡︎採卵から3~5日後「胚移植」

受精卵をそっと子宮に戻す

受精卵(胚)を子宮に戻すことを「胚移植」といいます。当日は医師から採卵数、受精した数、移植予定の受精卵について説明を受けます。

胚が複数ある場合、どの状態の胚を戻すかは、そのときの状況で決定。胚は細いカテーテルを使い、超音波で子宮の様子を確認しながら、そっと戻します。


受精卵は、受精から2日目には2~4分割、3日目には6~10分割と細胞分裂を繰り返し、成長していきます。

受精卵をいったん凍結する場合もあります

治療で受精卵が複数できた場合は、胚を凍結して次の周期以降に融解(解凍)して、胚移植を行うという方法もあります。

体外受精・顕微授精は心身への負担、経済的負担も大きくなりますので、夫婦が納得して治療を受けるのが大事になります。

STEP8➡︎約2週間後、妊娠判定

胚が成長しているかどうかを確認胚移植から2週間後、胚が子宮内膜に着床し、成長しているかを血液や尿で調べます。

妊娠判定が陰性の場合は、選択した卵巣刺激法の結果、全体の胚の質、移植に使用した胚の質、子宮内膜の厚さ、黄体ホルモン補充の有効性などを検討し、再トライに備えます。

*妊活メディア『赤ちゃんが欲しい 』の記事を再編集しています。

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監修
監修

英ウィメンズクリニック理事長。1985年、島根医科大学卒業、同時に京都大学産婦人科に入局。体外受精チームに所属し、不妊の臨床に取り組む。1994年より2000年2月まで神戸市立中央市民病院に勤務。この間、兵庫県初の顕微授精児誕生に貢献。2000年3月、「英ウィメンズクリニック」を垂水駅前に開設。現在は、三宮の「英ウィメンズクリニック」、関西初の男性不妊専門クリニック「英メンズクリニック」、西宮北口の「英ウィメンズクリニックにしのみや院」等の計6施設の理事長を務める。 

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