【コロナ時代の妊活】40代、体外受精の移植を予定どおりするか本気で迷っています…。
新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大が、私たちのライフスタイルに大きな影響をもたらしている今日。妊活・不妊治療を受けているかたにとっても、とまどうことばかりだと思います。
そんな中、妊活の進め方の選択、決断は個々にゆだねられています。
今回は、体外受精にトライ中で胚移植を控える、まねきねこさん(40歳)のリアルをご紹介します。40代、妊活を始めて1年が経ったいま、コロナ混乱の渦中で移植をするか迷っているという実情を聞きました。
みなさんのさまざまな決断を、妊活メディア「あかほし」では全力で応援しています。まさに「#コロナに負けるな」。
妊活スタートは40歳。不妊治療専門クリニックへ
独身の頃、先輩が40代で婚活&妊活をし、大変な努力を重ねて結果を出す姿を見ていたこともあり、2019年5月に入籍してすぐ不妊治療専門クリニックへ通い妊活をスタートしました。夫は38歳、私は40歳のときでした。
最初から不妊治療専門クリニックを選んだのには、理由があります。というのも30代後半からわりと大きな子宮筋腫があり、大学病院で経過観察をしていました。そのとき女医さんから、
「お子さんを希望されているなら、すぐに婚活して不妊治療専門病院に行ってください。ここでも不妊治療はできますが、とても混雑しています。正直に申し上げて、あなたの場合、悠長なことは言っていられません。インターネットなどで通いやすいクリニックを調べてみてください」
そう、はっきり言われたのです。一瞬ガーンとしましたが、この言葉がとてもよいターニングポイントになり、夫や周囲の人、友だちなどには最初からかなりオープンに経過を報告しました。なぜなら少しでも情報が欲しかったからです。
両方の卵管が詰まっていることが判明
クリニックは住まいのある地区で探したものの、何を基準に選べばよいのかさっぱりわかりませんでした。結果、1院目は、「あまり待たなくてすみ、はっきり言ってくれる先生なので、私にはよかったです」という口コミを見て決めました。
その病院で血液検査を受けたところ、クラミジアの抗体があるとのことでしたが、今は違うこと、ほかには問題がないことがわかりました。
その後、タイミング法を1回行いましたがうまくいかず、次に卵管造影検査を受けました。すると両方の卵管が閉塞していることがわかりました。
卵管造影検査は想像以上に痛くて、さらにドクターにこんなふうに言われました。
「あ、こりゃーダメだ。詰まってる。あ~」
私は何がなんだかわからなくて、診察を待つ間にネットで検索。そして、ドクターから、
「あなたの卵管は詰まっているから、これはダメですね。年齢も年齢だし、すぐに体外受精するしかないね。相当、痛いはずだけど気がつかなかったの? 体外受精したからといって妊娠できるとも限らないけど、次の周期から始めないと間に合わないかもしれない。ナースから説明しますから、では」
と、院内中に響いているのではないかと思うくらい大きな声で言われ、苦痛を感じました。
ナースの説明をひととおり聞いたものの、よくわかりません。治療費も高額です。それにまず夫に相談しなくては…。
頭の中が真っ白になり、クリニックの帰りに吐き気とめまいに襲われ、夫に迎えに来てもらいました。
現実を受け入れようと思いましたが、あんな言い方をするドクターのもとに通うのはつらい……。いろいろ考えた結果、転院を決意しました。
2度目の転院を経て、体外受精にトライ中
2院目はドクターもスタッフもすごく丁寧で、内診時も比較的痛みが少なかったです。ここでは、顕微授精にトライしましたが、結果は胚盤胞までならず、4日目にそうじつ胚で止まってしまいました。
初めてのクロミッドに自己注射のゴナールFは、100人に一例という副作用に襲われ、1週間くらい起き上がれないほど何もできない日々が続きました。
ドクターに「これは副作用なので、次回は違うお薬にしましょう」と言われるまで私自身は副作用を疑わず、こんなものなのかと思いながら採卵日まで頑張ってしまったのです。本当につらい経験でした。
そのときに妊活の先輩に相談したら「もしかしたら、培養液に合う合わないがあるかも」と言われ、そういうこともあるのかと驚きました。
これを機に不妊鍼灸院にも行ってみました。そこでは、「刺激して卵が1つしかとれないのであれば、低刺激のほうが負担は少ない。何もしなくても、女性は必ず1つ排卵するからね」と言われ、なるほどなと納得。
その後、少し休んで副作用が完全になくなったと思ったときに、体外受精などの症例数が多いクリニックにさらなる転院をしました。現在、通っているのがその3つめのクリニックです。
薬はセキソビットのみで、前のような副作用はありません。たまに頭痛がして寝込むことがありますが、まったく比べものにならないほどラクでした。
現在は、体外受精にトライ中ですが、つらかったのは採卵時、なかなか卵胞が育たなくて採卵日が決定されなかったこと。朝イチの診療が多く、夫も通勤が大変なので、ビジネスホテルに1週間泊まりましたが、結果は空胞。申し訳ないなと思いましたが、何もできない現実…。
このときはあかほしを読んでパワーをもらったり、東尾理子さんのブログや、妊活SNSの経験談を読んで元気をもらいました。みなさんの経験を読んでいると、私のようなケースも仕方ないことなんだと実感。前を向いて頑張ろうと励みになりました。
コロナ影響。時間がないアラフォー妊活にはつらい…
新型コロナウイルス感染症が発生するまでは、採卵&移植を隔月で行い、治療を進める予定でした。
3月には採卵を行い、なんとかひとつが胚盤胞に育ってくれました。予定では子宮を1周期、休ませて5月に移植することで話がまとまっていたのですが、今はどうするべきか本気で迷っています。
40歳を過ぎているので、移植を試してみるか、見送ったほうがいいのか。はたまた採卵を続けていくか…。
夫とは、新型コロナウイルス感染症の状況が日々変わるので、情報を集めつつ5月になってから判断しようと話し合ってはいるのですが。妊活はあきらめたらそこで終わり。何とか頑張りたいと思っています。
緊急事態宣言が出された時期は、もともとクリニックに行く周期ではなかったので、今後のことはドクターからメールでの説明がありました。
ありがたかったのは、採卵や移植も絶対にしないわけではないとのこと。このような状況のなか、診療を続けてくれるクリニックやドクター、ナース、スタッフの方々には感謝しかありません。
別のクリニックに通っている妊活友だちとは、新型コロナウイルス感染症の影響についてLINEでやりとりしています。36歳の友だちはこれから体外受精をする段階なので、しばらくはタイミング法で進め、体外受精を先延ばししようか悩んでいるようです。
アラフォー妊活の方は、時間がないのに(泣)と、私も日本生殖医学会から声明が出たときは、情緒不安定になり、眠れませんでした。新型コロナウイルス感染症の正体がイマイチつかめていないのは、恐怖でしかありません。不妊治療は、治療をしたからといって100%妊娠できるわけではありません。1周期1周期が大切なので、そのなかで治療を控えるのは酷な判断になりかねないと思います。
一方、成功してプレママになったらなったで、新型コロナウイルス感染症がおなかの赤ちゃんにどのような影響を与えるのかが不確かなため、心配が尽きません。
自分にできることを実行し、心穏やかな暮らしを工夫
私自身は月に1~5回、ヘルプ要員として会社の受付の仕事を継続していましたが、職場が遠いことと通院時間の確保、新型コロナウイルス感染症の感染リスクを減らすため、3月末の更新のタイミングで仕事を辞めました。
夫は在宅勤務に切り替わっています。通院の日は、直行直帰で、手洗い・アルコール消毒をこまめにしています。心から願っているのは一日も早く新型コロナウイルス感染症の薬が出ること。外出自粛が解除され、安心できる日が一日も早く来ること。そのために自分ができる不要不急の外出をしないことを実行しています。
そしてわが家では、こんなときこそ丁寧な料理で妊活!を実践しています。普段だともう少し雑なところを、動画や本を見ながらお料理のプロセスを楽しむ。毎日の食事もそうですが、クッキーやチーズケーキなど、日頃はめんどうくさくてなかなか作らないものを作っています。
夫婦の会話も増えますし、ちょっとやさしい味のたまごパンなどを焼くと、心がほっこりしてきます。
(まねきねこさん 40歳 ベビ待ち歴1年)
編集部より
40歳のまねきねこさんのリアルをご紹介しました。現在、パートナーと話し合って、今後の方針を決めているとのことです。あせり、不安、心配が尽きないなか、「このような状況でも診療を続けてくれるクリニックのドクター、ナース、スタッフの方々には感謝しかありません」という言葉が印象的でした。周囲の人に素直に感謝できる彼女の心の持ちようが、実を結ぶことを願います。
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