人工授精5回目で妊娠。夫と治療中「気持ちの共有」はせず、ワンオペ妊活で授かりました【妊活体験談】
保険診療で受けられる「人工授精」。一般不妊治療のひとつで、精子を子宮に注入し、卵子と出会うための移動距離を短くすることで妊娠の可能性を高める方法です。そんな人工授精で妊娠・出産した方の体験談を伺います。
今回は、35歳で妊活をスタート、人工授精5回目で妊娠したE・Oさんのエピソードをご紹介。パートナーの帰宅が遅く、また甲状腺機能低下症もあり、タイミング法をせず人工授精からスタート。参考にしてみてくださいね。
E・Oさん(43歳)の妊活history
栄養士・クリニックジェネラルマネージャー
35歳
結婚、大阪へ夫婦で転勤。体調を崩し、甲状腺機能低下症とわかる
不妊治療スタート
36歳~37歳
人工授精1回目 卵は育つが着床せず
人工授精2回目 着床後、初期に流産
人工授精3回目 着床後、再び流産
人工授精4回目 着床せず
38歳
人工授精5回目のトライで妊娠。
39歳
出産
生後1カ月で撮る予定だったNew Born Photo。湿疹がすごく、どうしてもきれいなお顔で撮りたかったので延期。
生後2カ月ごろに撮影しました。
人工授精とは?
女性の排卵日を予測し、採精した男性の精子をカテーテルを使って子宮に注入。精子を洗浄、濃縮すること、また、卵子と出合うための移動距離を短くすることで、受精の可能性を高めます。
タイミング法で妊娠しなかった場合の2段階目の治療として選ばれることが多い方法。精子に問題がある場合や性交障害、精子と頸管粘液が不適合(フーナーテストの結果が悪い)などの場合にも選択されます。排卵誘発剤を併用して進めることが多い治療です。
⇒人工授精について詳しく
【不妊治療のきっかけ】甲状腺の数値が低く多嚢胞性卵巣症候群も
仕事の関係で大阪へ夫婦で引っ越したのが35歳のこと。
当時、環境の変化からか、めまいや耳鳴りに苦しみ、体調をくずしてしまったんです。病院での受診後、甲状腺機能の数値がとても下がっていることが分かりました。医師である父に相談したところ、「甲状腺の機能が下がると、受精卵の着床率が低かったり、流産のリスクが高まることがあるから、年齢のこともあり、早めに不妊治療専門クリニックで診てもらいなさい」と言われました。
すぐに、父の知人でもあったHORACグランフロント大阪クリニックの森本義晴先生のもとへ。検査を重ねた結果、多嚢胞性卵巣症候群であることがわかりました。
今になってふり返ってみれば、20代のころから生理があったりなかったり、1カ月だらだらと出血が続く…なんてことも。体調は悪くなかったので、ピルを飲んでごまかしたりしていました。ですから、ずっと前から多嚢胞性卵巣症候群の予兆はあったのかもしれません。父に話したところ、「すぐ不妊治療はじめたほうがいい」と言われました。
関連リンク:多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)って知っていますか?自覚症状はあるの?
【人工授精】「人工授精、5回目をやらせてください!」
その後、森本先生と相談を重ね、私の年齢が35歳以上だったこと、多嚢胞性卵巣症候群であること、夫の仕事が忙しく帰宅が毎晩23時を過ぎていたことなどから、タイミング法はパスして、すぐ人工授精にトライすることを決めました。
人工授精にトライしたのは、合計5回。
方法としては、排卵誘発剤の薬を飲み、卵が育ってきたところで排卵のための注射をしていました。いつも卵はちゃんと育つんです。でも、1回目と4回目は着床せず、2回目と3回目は着床したけれど流産…。
5回目にトライするかどうかというときに、先生からは「次は体外受精にしますか?」と言われたのですが、とにかく私が痛みに弱くて、注射もすごく怖い…。
そのため、「人工授精5回目をやらせてください」とお願いし、ありがたいことに妊娠することができました。
実は、妊娠3ヶ月頃に不正出血があったんです。受診したところ、森本先生から即入院!と言われました。「とにかく1週間、トイレ以外、一歩も動かないこと!」と言われたときは、ほんとうに怖かったですね…。妊娠がゴールではなくて、そのあと出産まで無事に育たないといけないので、長い長い道のりだと思いました。
【妊活中の失敗談】早すぎる妊娠検査薬で擬陽性に
うまく着床したときは、「いまは集中して自分のためにお金も時間も使おう」と思って、妊娠検査薬はお金を気にせずたくさん買いました。1日4回くらいやったり、ゴミがこんもり溜まるくらい(笑)。
一度、人工授精をして5日目くらいに、早すぎるんですけれど、妊娠検査薬を試してしまったことがあって。
陽性が出たので、すっごくうれしくて家族みんなに伝えてしまったんですが、クリニックでの診断は「妊娠していないですね…」ということもありました。
あと、妊活では、1年なんてあっという間にたってしまうんです。流産したり、体調が悪いと、次の人工授精までしばらく間を空けないといけなかったり。「不妊治療をするなら早く!」という意味がよくわかりました。
【不妊治療と仕事の両立】上司の男性に妊活中であることを宣言
私の場合、不妊治療を始める際、当時勤めていた会社の社長と上司に治療のことを話すかどうか迷いました。
社長も上司も男性…。言いにくいなとも思いましたし、恥ずかしい気持ちも少しありました。
ですが、世の中の風潮として不妊治療に理解がある人が増えていましたし、なんとか打ち明けることができました。とてもラッキーでしたし、結果として、打ち明けてみてよかったです!
人工授精はスケジュールが前もってわかることが多いので、「来月のこのあたりで午前休をとります」と言っておくと、スムーズに休めました。
ストレスなく仕事と不妊治療を両立するのは、正直言ってむずかしいと思うので、ある程度、期間を決めて、集中的に治療すると決めていました。そのかわり、その期間は徹底的にやる!
私たちはまずは「人工授精5回まで」、それがだめならしばらく休もうと決めていました。
【不妊治療のクリニック選び】おしゃれなショッピング施設の上にある病院へ
HORACグランフロント大阪クリニックに決めたのは、もちろん父の紹介ということもありますが、家からも職場からも歩いて行けたこと!森本先生のことも信頼できましたし、とにかくきれいでリラックスできる…。グランフロントにあるので、ショッピングモールをブラブラしながらそのまま通院できて、とっても気分がよかったです。
また、HORACグランフロント大阪クリニックには、治療だけでなくさまざまな統合医療があり、「ぜんぶやりたいです!」とできることは、すぐトライしました。どれもやってみてとってもよかったです!
妊活だからというのではなく、体が気持ちいいことは、心にもいいことですから。例えば、森本先生おすすめの「ミトコンウォーク」を試してみました。呼吸法や心拍数の上がり方など教えていただけるので、治療が終わった今も役に立っています。マッサージや鍼に電気を流すものや、セラピーなど、どれもやりました。
また、栄養カウンセリングで、どんな食材が妊活にいいかを教えていただいたり、鍼治療もしました。人工授精の前日に全身や子宮のあたりに鍼を打つのですが、とっても気持ちよかったです。なにより、栄養士の方やセラピストの方と話すことで気持ちが整理されますし、こんなに一生懸命にみなさんが尽力してくださることが、私にとって励ましや癒やしになっていたと思います。
ミトコンウォークとは?
ミトコンウォークはミトコンドリアの活性化を促すウォーキングのこと。体への負担が少なく、活性酸素の発生をほどよく調整できるのがメリットです。ミトコンドリアの働きがよくなることで、卵子の受精や分割、着床、精子の働きがよくなることが分かっています。
【妊活中 大変だったこと】超がつくコワがりで検査が大変!
人工授精の注入は、ただシュッっと中にいれるだけで全く痛くないので、私の場合は「これなら何回でもいける!」というくらい。直後、そのまま職場に戻るという流れでしたね。ですから、そこはストレスがなかったですね。
それよりも、検査のほうが大変でした。
私はもともと「超」がつくコワがりで痛がり。採血でも倒れるくらい…。血管迷走神経反射みたいです。なのに、不妊治療では血をとることが多い!とにかく多い!毎回ベッドに寝た状態で採血をしてもらっていました。
卵管造影などの検査も、すぐ意識がなくなってしまうので、いつも体をさすってもらうなどで意識が戻って、看護師さんが用意してくださったオレンジジュースを飲んで休憩…というのがいつものパターンでした。
一度、排卵誘発剤の影響で卵が4個できていたときがありました。「精子を注入したら、四つ子になる可能性があるから、残念だけどやめといたほうがいい」と言われました。そのときはなんだかもったいない気がして、体外受精にすればよかった?と少し後悔したこともあります。
とにかく、治療は思うように進まないものですね。ゴールが見えない中で、どうやって気持ちを整えるかが大変でした。
【パートナーとの関係】「不妊治療は自分の問題」と割り切った
こういうことを言っていいのかわからないのですが、パートナーとのコミュニケーションについて、ステキな話は全然ないんです…(笑)。
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