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不妊治療・妊活のクリニック探し・情報収集ならあかほし 不妊治療コラム 流産率を下げるなど、不安をとり除く検査!着床前診断について知っておこう【オーク住吉産婦人科】

流産率を下げるなど、不安をとり除く検査!着床前診断について知っておこう【オーク住吉産婦人科】

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不妊治療
2025/08/23 公開

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私に合うクリニックがわかる!あなたの希望をかなえるおすすめのクリニック!「オーク住吉産婦人科」にお話しを伺いました!

流産率を下げるなど、不安をとり除く検査!着床前診断について知っておこう

監修
オーク住吉産婦人科(大阪府大阪市)
医師 田口 早桐 先生

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体外受精をする際に知っておくと安心です

不妊治療の中でも、最も妊娠率の高い治療法である体外受精。卵巣から卵子をとり出し、精子と受精させて子宮内に戻すという方法です。胚盤胞の発育状況などを確認できるため、より良質な胚を子宮に戻すことができ、高い妊娠率が期待できます。しかし、良質な胚を戻したはずなのに、なぜか着床せず妊娠しない…ということもよく起こります。

一般的に、胚はその見た目からグレードごとに分けられ、よりよい見た目の、妊娠するだろうと思われる胚を戻しますが、それを複数回くり返しても、なぜか着床しない、もしくは着床しても流産をくり返す…ということがあるのです。
その原因の多くは胚の染色体異常。胚に染色体の数の異常や構造の異常があると、ほとんどが着床しないか、科学妊娠で終わります。

この胚の染色体の異常を調べる検査に、PGT-A、PGT-SRといった着床前診断があります。これらの検査を行って、染色体異常のない胚を移植することで、流産率を下げ、妊娠の可能性が高まります。

同じ着床前診断にはPGT-Mもあり、これは特定の遺伝子に異常があるかを調べる検査。筋ジストロフィーなど、遺伝性疾患をもつ親族がいる場合に行うことができ、病気を発症するリスクのある胚を避けるために行います。

知っているようで、よくわからない!?遺伝情報に関わる、染色体と遺伝子って何?

同じ着床前診断でも、PGT-A、PGT-SRは染色体を調べ、PGT-Mは遺伝子を調べる検査です。では染色体と遺伝子、どう違うのでしょうか?

人間の体は約37兆個の細胞でできており、皮膚も骨も筋肉も全部、細胞の集まりです。そのすべての細胞には核があり、核の中に染色体が入っています。染色体は遺伝情報が書かれたDNAがギュッと巻かれて束になったもの。遺伝子はそのDNAの一部で、1本の染色体には数百~数千個の遺伝子が含まれています。

細胞
細胞は人間の体をつくる最小のパーツで、37兆個の細胞からできています。すべての細胞には核があります。細胞を図書館だとすると、人間の体はたくさんの図書館からできていて、その図書館の中でいちばん大事な本がおかれている書庫が核になります。

染色体
染色体はDNAが折りたたまれた束で、たくさんの遺伝子を含んでいます。図書館でたとえると、大事な本が置かれる書庫(=核)にある本棚が染色体。人間は46本の本棚をもっています。その本棚(=染色体)に置かれた、遺伝情報が書かれている本がDNAです。

遺伝子
遺伝子はDNAの一部で、体の性質(目の色、血液型、病気のリスクなど)を決める情報をもちます。図書館でたとえると、遺伝情報が書かれた本(=DNA)の中の特定の情報の1ページが遺伝子になります。

着床前診断について、詳しく解説!

検査の方法
通常の体外受精を行い、胚盤胞まで育てます。その胚盤胞から将来、胎盤になる部分の細胞を少し採取して、染色体や遺伝子の検査を行い、異常のない胚を移植します。いずれも日本産科婦人科学会の認可施設で行うことができ、受ける前に必ず遺伝カウンセリングを受ける必要があります。

費用
自費(PGT-Aのみ先進医療として認められているため、保険診療との併用が可能)

メリット
●PGT-A、PGT-SRでは胚移植1回あたりの妊娠率が上がり、流産率が下がる
●PGT-A、PGT-SRでは妊娠までの時間を短縮できる可能性がある
●PGT-Mでは重篤な遺伝病のリスクを避けることができる
●PGT-Mでは健康な子どもを授かる確率が上がる

デメリット
●採取した細胞に異常がなくても、別の部分で異常がある可能性はゼロではないため、生まれてくる赤ちゃんに障害がないとは言い切れない
●採取した細胞に異常があっても、それは胎盤になる部分であるため、赤ちゃんになる部分の細胞は正常であるケースもある
●胚盤胞の細胞の一部を採取して調べるため、胚盤胞まで育たないと調べることができない。
●検査の結果、移植できる胚が1個もないということもありえる

PGT-A

胚の染色体数に異常がないかを調べる
PGT‒Aは胚の染色体の数の異常を調べる検査。体外受精で胚を移植する際は、その見た目からグレードごとに分けて、グレードのよいものを移植しますが、染色体異常は見た目ではわからず、それが着床しない原因になっていることがあります。その染色体異常を調べるのがPGT‒Aです。

対象者
●体外受精で胚移植を行い、2回以上妊娠が成立していない
●流産を2回以上くり返している

PGT-SR

-Aが数の異常を調べるのに対し、-SRは染色体の構造を調べる
PGT‒Aは胚の染色体の数の異常を調べるのに対し、PGT‒SRは構造の異常を調べる検査。夫または妻が染色体の構造異常をもっている場合、同じ異常がないかを調べます。染色体同士が入れ替わったり、くっついたりしている状態の転座や、染色体の一部がひっくり返っている逆位を調べることができます。

対象者
●夫婦どちらかまたは両者の染色体構造異常が確認されている不育症・不妊症カップル
●妊娠や流産の経験がなくても受けることができる

PGT-M

重篤な遺伝性疾患がないかを調べる検査
PGT-AやPGT-SRと違うのは、遺伝子を調べる検査であるというところ。医学的に重篤な遺伝性疾患(一部の筋ジストロフィーなど)が遺伝することで、お子さんがその病気を発症する可能性のあるカップルが受ける検査です。臨床遺伝専門医によるカウンセリングと第三者によるカウンセリングが必要で、日本産科婦人科学会へと申請し承認を得る必要があります。

対象者
●夫婦どちらかまたは両者が、重篤な遺伝性疾患児が生まれる可能性のある遺伝子変異または染色体異常が確認されているカップル

企画:サンワードメディア

川崎医科大学、兵庫医科大学大学院卒。日本生殖医学会生殖医療専門医、日本産科婦人科学会認定産婦人科専門医、臨床遺伝専門医。2016年8月に、妊活をポジティブに乗りきるために知っておきたいポイントと、自らの顕微授精体験をつづった『ポジティブ妊活7つのルール』(主婦の友社)を出版。国内外での学会発表も精力的に行っている。

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