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不妊治療・妊活のクリニック探し・情報収集ならあかほし 妊活ライフコラム 男性が妊活で食べるべきもの。精子を元気にする栄養素とは?【妊活中の食事】

男性が妊活で食べるべきもの。精子を元気にする栄養素とは?【妊活中の食事】

妊活ライフ
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2025/06/02 公開

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妊活ではパートナーの食生活改善も重要!予防医療・栄養コンサルタントの細川モモさんに、今回は“元気な精子を育むための栄養素”について教えてもらいました。

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卵子とは違って、精子は食事や生活習慣の影響を受けやすい

卵子のもととなる“原始卵胞”は、生まれる前の胎児期にすでに約200万個もっていて、その後、新しくつくられることはありません。そのため、年齢を重ねるにつれて体と同じように卵子も老化していきます。一度老化してしまった卵子を戻すことは、現代医療をもってしても困難であり、「妊娠するなら若いほうがいい」といわれるのは、このためです。卵子の質については、排卵日までの過程で決まると考えられています。

一方で、男性の精子はそのつどつくられるので、食事や生活習慣の影響を受けやすい。精子にダメージを与える因子を減らして、必要な栄養素を補っていくことができれば、数ヶ月で精子の運動率が上がり、奇形率が下がるなど、目に見えて数値がよくなることがあります。

パートナーにも大切なポイントを理解してもらって、ぜひ実践してみてください。

正常な精子をつくり出すために、欠かせないのが「DHA」

DHA(ドコサヘキサエン酸)はオメガ3脂肪酸の代表格で、妊活中に摂取することで卵子の質を改善する可能性があるという論文(※1)があります。また、精子にとっても欠かせない脂肪酸であることがわかっています。

リン脂質に結合したDHAは生殖に必須であり、これを操作できる遺伝子が欠損したオスのマウスは生殖能力がなくなり、不妊になることが報告されています(※2)。DHAがつくれないと精子の先端部分が折れ曲がってしまい、正常な形にならないためです。

 

精子の材料になるたんぱく質や亜鉛はもちろん重要ですが、奇形精子を防ぐという意味でDHA不足に要注意です。

DHAは体内では合成されないため、食べ物で摂取するしかありません。“魚の油”に多く含まれ、特にぶり、さば、さんま、うなぎ、いわし、鮭、真鯛などに豊富。これらに加え、あさりやかきなど貝類も含めて魚介類をとるようにすれば、たんぱく質、亜鉛、DHA、妊活の要であるビタミンDもとれるから最強です!

精子は活性酸素の防御力が弱いから「抗酸化」を!

さて、ここからは精子を「守る」ためのお話です。

卵子の場合は、卵胞液中のメラトニンが抗酸化物質となって、活性酸素から守ってくれます。ところが、精子の防御力は弱いことで知られています。精子を守るには「抗酸化」がキーワードです。

酸化の原因は、体の細胞をサビつかせる活性酸素。体の中で活性酸素がふえると、酸化ストレスとなって精子の質を低下させてしまいます。

活性酸素は普通に生活していてもつくられてしまうものですが、タバコ、お酒の飲みすぎ、酸化した油(揚げ物やフライ系の菓子類、植物油の使い回しなど)、精神的なストレス、睡眠不足などによって、ふえてしまいます。精子はこれら酸化ストレスのダメージを受けやすいため、体によくない生活をつづけていると、精液検査での数値がどれもこれも下がってしまうのです。

また、精巣は熱に弱く、精巣の温度が高くなると精子形成や精子の質にマイナスの影響を与えてしまいます。その点も注意しましょう。

[妊活男性に心がけてほしい生活習慣]
●タバコは卒業、飲酒はほどほどに
●酸化した油に気をつけて
●魚介を食べよう!
●野菜・果物を毎日食べる
●高脂肪食・太りすぎに注意する
●長風呂、サウナ、ひざの上でのパソコン作業を避ける
●タイトな下着をはかない(体温がこもるため)

野菜と果物で「抗酸化物質」を毎日チャージ!

野菜や果物、海藻などの植物は、自然由来の抗酸化物質を含んでいて、活性酸素を消去する力をもっています。

抗酸化物質となってくれるのは、抗酸化ビタミンといわれるビタミンA・C・E。そして、ポリフェノールやカロテノイドなど、植物が紫外線や有害物質から身を守るためにつくり出した色素や香り、辛味、苦みなどの成分(フィトケミカル)です。

野菜がもつ抗酸化力の目安として、「食品別 抗酸化点ランキング」(※3)があり、これによると、パプリカ、赤ピーマン、トマト、小松菜、キャベツ、なす、大根、れんこん、キウイ、いちご、オレンジ、みかん、ぶどう、すいかなど、身近な野菜や果物が高得点でランクインしています。

野菜や果物はどれを食べなければいけないということではなく、「献立に赤・黄・緑・紫・白・黒・茶の7色の中から5色がそろうと、栄養バランスもととのう」と、私はいつもお話ししています。

カラフルな色の野菜と、白(玉ねぎ・大根・長いもなど)、黒(海藻)、茶(ごぼう・きのこなど)から、いろいろな種類を選んでみてください。

妊活をスタートすると、これを食べたほうがいい、あれは食べないほうがいい、と情報が入りまじって、戸惑ってしまうかもしれません。でも、基本は栄養バランスよく食べること。これがいちばん大事です。

食べることを楽しめるように、おいしく、色の豊かな食卓にしましょう!

取材・文/水口麻子

※1 Fertil Steril 2011; 95: 1820-3 ※2 生殖機能/Hishikawa-Iizuka, Y. et al., Lysophosphatidic acid acyltransferase 3 tunes the membrane status of germ cells by incorporating docosahexaenoic acid during spermatogenesis. ※3「食品別 抗酸化点ランキング(食品分析開発センターSUNATEC)」

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PROFILE
PROFILE

一般社団法人ラブテリ代表理事。
アメリカで最先端の栄養学を学び、 栄養アドバイザーの資格を取得。 医師、 栄養士による予防医療チーム「ラブテリ トーキョー&ニューヨーク」主宰。 食と母子の健康に関する共同研究を複数手がける。Instagram @momohosokawa

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