「臨床遺伝専門医と認定遺伝カウンセラーが在籍。高齢や難しい症例の方々を生殖医療と遺伝学からの新たな視点で支えていきたい」京都IVFクリニック/木下孝一先生【クリニックpick up】 | 不妊治療・妊活のクリニック探し・情報収集ならあかほし(赤ちゃんが欲しい)
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不妊治療・妊活のクリニック探し・情報収集ならあかほし 不妊治療コラム 「臨床遺伝専門医と認定遺伝カウンセラーが在籍。高齢や難しい症例の方々を生殖医療と遺伝学からの新たな視点で支えていきたい」京都IVFクリニック/木下孝一先生【クリニックpick up】

「臨床遺伝専門医と認定遺伝カウンセラーが在籍。高齢や難しい症例の方々を生殖医療と遺伝学からの新たな視点で支えていきたい」京都IVFクリニック/木下孝一先生【クリニックpick up】

京都IVFクリニック

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JR京都駅から電車で約10分、四条河原町交差点のほど近くにあり、アクセス抜群の京都IVFクリニック。「不妊治療のプロとして技術を提供したい」という信念のもと開院した滋賀県大津市の木下レディースクリニックに続き、2021年4月に開院しました。

「先生と話すと元気をもらえる」と患者さんに人気の木下孝一理事長にお話を伺いました。

医療法人木下レディースクリニック 京都IVFクリニック
理事長 木下孝一先生
京都IVFクリニック
2008年藤田保健衛生大学卒業。09年同大学産婦人科助教、10年東京歯科大学市川総合病院産婦人科、13年浅田レディースクリニック医師部長、17年同クリニック副院長などをへて、木下レディースクリニックを開業、院長に就任。21年京都IVFクリニックを開院したのち、現職。日本産科婦人科学会認定 産婦人科専門医、日本人類遺伝学会 臨床遺伝専門医。

Q1.木下先生が生殖医療を目指したきっかけは?

A.産婦人科医だった父へのあこがれと生殖医療の時代到来の確信から

父は産科の医師でした。本当にお産が大好きで常にお産のことを考えていた仕事人間の父だったため、一緒に家族旅行に行った思い出もほとんどないくらいですが、父の周りにはいつも患者さんが集まっていて、慕われていました。その姿は自分にとってスーパーマンであり、あこがれだったので、小さいころから産婦人科医になると決めていました。

ただ、産婦人科は、月経不順や月経前症候群から子宮や卵巣のガンなどまで、女性の一生にすべて関わっていく、診療範囲がとても広い科です。そこで、学生時代にそのなかで何を専門とするかを考えました。元々データを調べるのが好きだったのでいろいろ調べたところ、父の時代に比べると明らかに少子化や晩婚化、晩産化になっていくことがわかり、いずれ間違いなく生殖医療が求められる時代がくると確信したんです。

また、そのころは、産婦人科は休めない、訴訟のリスクも高いなどの理由で学生に人気がありませんでしたが、そのことでかえって「自分がやらないと!」「これが自分の生きる道!」と気持ちが燃えました(笑)。

Q2.京都IVFクリニックといえば? アピールポイントを3つ教えてください

ポイント①どこよりも多い治療の選択肢

父から受け継ぐ形で木下レディースクリニックを開業した際、生殖医療専門クリニックにすると決めました。そのとき、患者さんが「専門」と思って受診されたのに、「あれができない、これができない」ということになっては、「専門」とは呼べないと思ったのです。ただし、「全部やればいい」というのとも違う。大前提として、「できる技術力のなかで、患者さんにとって何が必要で、何がやらなくていいことなのかをハッキリお伝えできることが大事」だと考えました。

その大前提をふまえたうえで、いちばん大事にしているのは、「選択肢がどこよりも多いクリニックにすること」です。生殖医療は新しいことがどんどん出てきたり、その一方で翌年にはもう消えていたりと、常に目まぐるしく変化しています。そうした新しい選択肢を随時取り入れながら、その方に合った治療法を提供していくことが、自分のなかでは一番の専門性だと思っています。

当クリニックは、現在日本で不妊治療をするにあたって必要とされている認可もほぼすべて取っていますので、患者さんが受診されたときにご提案できる選択肢は多いと自負しています。

ポイント②婦人科だけでなく遺伝学的な専門家として話ができる

「人間の設計図」といっていい染色体や遺伝子にも、昔から興味がありました。生殖医療の分野でも、受精卵ができたり、育っていったりする際には染色体や遺伝子が基盤になっていますし、妊娠判定で陰性だったときや受精卵が想像していた以上に育たなかったとき、流産など、患者さんにとって最もつらい場面では、染色体や遺伝子について少しでもわかりやすくお話して理解していただくための知識も必要です。

そこで、その分野を勉強して「臨床遺伝専門医」の資格を取りました。ただ、自分だけの力ではかぎりがあるので、受精卵を扱う胚培養士の一人にも「認定遺伝カウンセラー」という資格を取ってもらいました。これは、日本遺伝カウンセリング学会と日本人類遺伝学会が共同で認定しているものです。「認定遺伝カウンセラー制度」の専門教育機関として認定されている大学院の養成課程2年間を修了し、認定試験に合格することで初めて資格が得られるので、3年ほど勉強に専念してもらい、当クリニックに戻ってきてもらいました。

生殖医療で行う着床前診断や夫婦の染色体検査なども、遺伝学的な検査です。婦人科としての観点だけでなく、遺伝学の専門家としての話ができるクリニックであるという点も、当クリニックの強みだと思っています。

また、当クリニックでは男性不妊の治療も行っています。精液検査で精子がほとんど見られないような場合には連携している泌尿器科にご紹介しますが、精液検査の結果があまりよくない、治療を進めてもなかなか妊娠にいたらないというような場合には、精子のDNAの状態を調べる「精子クロマチン構造検査」を行い、その後の治療法の検討に役立てています。

遺伝子

ポイント③最短での妊娠・出産のために心と体、両面でサポート

患者さんには、なるべく早く赤ちゃんを授かってほしいと思っています。いろいろな方とお話をますが、「不妊治療が長くかかってよかった」という声は聞いたことがありませんし、みなさん、「早く結果を出したい」「早く結果が出てよかった」とおっしゃいます。ですから、当クリニックが目指さなくてはいけないのは、やはり最短での妊娠・出産をサポートできる体制だと思います。

生殖医療は、本当に身体面と精神面がマッチしないと治療ができません。当クリニックでは、月経をしっかりコントロールするとともに、気持ちの面でも患者さんが前向きに治療ができるようにお話させていただくなど、身体面と精神面の両面でのサポートを大事にしています。

Q3.木下先生の趣味やストレス解消法は?

A.サウナでのコミュニケーションで心も体もリフレッシュ

本当に好きな仕事につけたので、「忙しく働いている」というより「やりたいことをやっている」感じだったため、趣味と言える趣味がなかったのですが、最近は、スタッフとサウナに行くのがストレス発散になっています。サウナは、体と心をリフレッシュできます。

京都には古民家サウナなど、たくさんサウナがあるんです。貸し切りにできるところもあるので、スタッフと仕事の話などもしながらコミュニケーションをとっていると、その場で柔軟な意見が出てきて、おもしろいですよ。そこからまた新しいアイデアが出てくることもあります。

ただ、あんまり行き過ぎても効果が感じられなくなってくるので、月に1回とか2週間に1回くらいのペースがいいですね。「何事も当たり前にしてはダメ」ということかなと思っています。

Q4.患者さんと接するときに心がけていることは?

A.ご夫婦がコミュニケーションをとりやすい環境づくりを

選択肢が多いクリニックを目指してはいるのですが、いろいろな患者さんがいらっしゃるので、全員にとってそれがいいことではないかもしれないとも思っています。

選択肢の多さをメリットに変えて治療を進めていこうと思うと、やはりご夫婦にしっかりコミュニケーションをとっていただくことが大事かなと思います。そのためには、「ご夫婦で頑張っていただけるような環境を作りたい」という思いから、妊活ビギナーのカップル向けに本を書かせていただいたり、ご夫婦で話し合う時間を作ってもらえるようなお声がけをしたりしています。

患者さまにもある程度、不妊治療についての知識を得ていただくことも必要だと思っているので、ビギナーの方向けに勉強していただくための資料や動画も用意しています。さらに、少し不妊治療について詳しくなってきて別の悩みが出てきた方向けには、さまざまなトピックについて解説するブログを8年間続けています(『木下院長のブログ』)。それを見てご夫婦で話し合い、もし「この選択肢は自分たちに合うのかな?」と思われたら、ぜひお申し出いただければ、とお話しています。

不妊治療の定義は「赤ちゃんが欲しいカップルが1年間授からないこと」なので、ほかの病気と違い、治療をやめたら病名がなくなります。つまり、ご夫婦に赤ちゃんが欲しいというお気持ちがあってこその「不妊症」ですから、ご夫婦で話し合って納得して治療をしていただけることを大事にしたいと思っています。

夫婦

Q5.妊活されているかたへメッセージを!

A.熱心に研究している生殖医療専門医がいます。ぜひ相談にいく勇気をもって

生殖医療は命の始まりが見られる、医師としてものすごくやりがいのある仕事です。それに魅了されているのは自分だけではなく、間違いなくこの仕事に全身全霊で没頭している医師がたくさんいます。

不妊治療では、つらい思いをしている方がたくさんいらっしゃるのを間近で見ていますが、もし、今悩んでいる方がいらしたら、近くに真摯に生殖医療に向き合っていて、相談できる医師がいることを知ってほしいなと思います。治療がうまくいかなくて、もうやる意味がないと思っても、ほかの人とは違うやり方で人生をかけて研究している医師もいるので、ぜひ相談しにいく勇気をもっていただきたいです。

取材・文/荒木晶子

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