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不妊治療・妊活のクリニック探し・情報収集ならあかほし 不妊治療コラム 体外受精成功のカギをにぎる!?培養室ってどんなところ?培養士ってどんな役割?【にしたんARTクリニック】

体外受精成功のカギをにぎる!?培養室ってどんなところ?培養士ってどんな役割?【にしたんARTクリニック】

2023/08/01 公開
2023/10/05 更新

画像ギャラリー

監修
にしたんARTクリニック
理事長 新宿院院長
松原 直樹 先生

にしたんARTクリニック
ストレスなく仕事と治療を両立できる体制と環境を整備。各院が連携して転居時にも対応が可能です

妊娠をサポートしてくれる裏方のスペシャリスト

体外受精を行えるような不妊治療クリニックには、培養室といわれる部屋があって、そこで働く培養士がいます。多くの場合、培養室はあまり患者さんの目に触れる場所にはなく、施設や治療内容によっては患者さんが培養士と接しないこともあるため、培養室でどんなことをしているのか分からない方も多いのではないでしょうか。

培養室は患者さんの卵子や精子、受精卵を扱うところで、体外受精をするためにはかかせません。常に清潔に保たれており、照明や室温なども卵子や精子、受精卵にできるだけストレスを与えないよう工夫されています。そしてそこで働く培養士は、顕微鏡をつかって卵子や精子などを扱うスペシャリスト集団です。体外受精の成功は、培養士の技術にかかっていると言われるほど、非常に重要な役割を担っています。

タイミング法や人工授精の治療ではあまり培養室や培養士とは関係ないように感じますが、精液検査をしたり、人工授精で精子の調整をしているのも培養士。不妊治療の幅広い領域で、培養室や培養士の力が必要になりますから、クリニック選びのさいはホームページなどで培養室のことを調べてみるのもいいでしょう。

培養室ではどんなことが行われている?

精液検査
男性が最初に行う検査。顕微鏡をのぞいて精子を実際にカウントする方法と、検査機器を使う方法がある。

精子の調整
人工授精や体外受精では、精子の調整が必要になる。機器を使って不純物をとりのぞき、質の良い精子を選ぶ。

体外受精
シャーレの上で卵に精子をふりかける方法と、顕微鏡でのぞいて卵に精子を直接注入する顕微授精がある。

培養している
胚(受精卵)の観察卵子と精子が受精し、それを育てる(培養)間は、いつどんなふうに成長したかを観察する必要がある。

胚(受精卵)の凍結、融解
体外受精では、卵と精子を受精させた後にいったん凍結し、移植の前に融解することがある。

培養室とは
卵や受精卵のことを第一に考えた部屋

「受精」は本来お腹のなかで行われることですが、それを体の外で行うのが体外受精です。したがってその「受精」が行われる培養室自体も、できるだけお腹のなかに近い環境にする必要があります。培養室は光や温度、衛生面など厳しく管理し、最新機器も導入しながら妊娠をサポートしています。

培養室にあるおもな設備

●培養器(インキュベーター)
タイムラプスインキュベーターを導入する施設がふえています

卵子と精子が受精した後、受精卵を入れて育てる機器。温度や二酸化炭素濃度など、子宮の中と同じような環境を再現しています。受精卵がどのように成長しているかを観察する必要があり、この観察のさいは培養器からとり出さなければなりませんが、とりだすことによって受精卵にストレスがかかる可能性があります。近年では培養器に小さなカメラがついていて、とりだすことなく観察できる「タイムラプスインキュベーター」を導入している施設もふえてきています。

●クリーンベンチ
ほこりや細菌を排除して作業ができる機器

精子の調整や体外受精、顕微授精などを行う機器。空気中には目に見えないほこりや細菌が浮遊しています。このクリーンベンチのなかでは空気が循環していて、ほこりや細菌をできるだけ排除。清潔な空間で作業を行うことができます。

●顕微鏡
用途によってさまざまな種類があります

卵子や精子、受精卵は非常に小さいため、顕微鏡は欠かせません。卵の観察をするもの、顕微授精を行うもの、さまざまな種類があります。

培養士とは
卵や精子をあつかうスペシャリスト

培養士はエンブリオロジストともいわれ、体外受精をするクリニックにとっては非常に重要な存在です。顕微授精など非常に繊細な技術を必要とするテクニックも多く、誰もがすぐに培養士として受精卵を扱えるようになるわけではありません。直接患者さんと接する機会は少ないですが、施設によっては卵や受精卵の説明を培養士が行う場合もあります。

培養士に関するQ&A

Q 培養士になるには資格がありますか?

A 国家資格ではありませんが、学会が定める資格があります
医師や看護師になるためには国家資格が必要ですが、培養士には国家資格はありません。

ただし、「日本卵子学会」が認定する「生殖補助医療胚培養士」「生殖補助医療管理胚培養士」と、「日本臨床エンブリオロジスト学会」が認定する「臨床エンブリオロジスト」の資格があります。受験資格として1年以上の実務経験などが必要で、試験に合格すると資格が与えられます。

Qどんな人が培養士になれますか?

A 臨床検査技師や看護師などが多いです
臨床検査技師や看護師、薬剤師をしていた人や、農学・畜産系の大学出身者などが培養士になることが多いです。最近は培養士を養成するための教育機関もあります。

Q 施設によって培養士の力量に差はありますか?

A スタッフの経験年数による差があると思います
培養士は国家資格ではないため、誰でも卵や受精卵を扱うことができる、ということになります。さらに培養士になるための養成機関などは少なく、各施設が独自に培養士を育成していることが多いため、その育成システムにも差が。

たとえば顕微授精は培養士の技術のなかでも難易度が高く、ある程度の経験が必要になりますが、A院では3年以上の経験者でもできるが、B院では5年以上の経験者しかできないなどといった差があります。

『赤ちゃんが欲しい(あかほし)』は、主婦の友社が運営する妊活・不妊治療のお悩み解決メディア。ドクターや専門家監修の信頼コンテンツを中心に「妊娠したい」を全力サポートします。全国のクリニックや施設の検索もラクラク。

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