妊娠をグイッと後押しする「排卵誘発剤」の効果的な使い方
排卵誘発剤はタイミング法から体外受精まで、不妊治療で最も多く使われる薬です。
不妊治療を考えるとき、「薬はなるべく使いたくない」「副作用が心配」という声もありますが、不妊治療の薬は限られた時間を有効に使い、妊娠・出産に結びつけるためのもの。むやみにこわがらず、効果的に使う方法を勉強していきましょう。
Q.現在、薬を使っていますか?
クリニックに通院している女性の多くは、排卵誘発剤をはじめとした不妊治療薬を服用中。一方、男性側は薬を使用しての治療は少なく、1割にも満たないことがわかりました。
Q.薬で気になることは?
1位 副作用が心配
2位 安全性が心配
3位 保険がきかないものは値段が高い
気持ち悪くなったり、ダルさを感じたり、体調の変化を感じている人も。将来的に子宮にダメージはないか、ほかの病気のリスクがふえないか、といった不安の声も寄せられました。
【タイミング法・人工授精】脳下垂体から出る2つのホルモンの働きを補い、排卵を促します
正常な排卵には、卵胞を育てる働きをするFSH(卵胞刺激ホルモン)と、排卵を促す作用をするLH(黄体化ホルモン)が不可欠。これらが不足したり、バランスが悪いと、排卵障害や生理不順の原因になります。
排卵誘発剤の使用目的は、この2つのホルモンの働きを補い、自然に排卵する場合と同じように、排卵させること。タイミング法や人工授精に向けてとられる方法で、飲み薬での治療が一般的です。
シクロフェニル製剤(セキソビットなど)
<飲み薬>
■効能・効果と副作用
脳に働きFSH(卵胞刺激ホルモン)の分泌を促します。クロミフェン製剤よりも排卵誘発作用は弱め。無排卵や排卵しづらい人の治療、タイミング法、人工授精などに用いられます。副作用は少なく、頭痛や悪心など。
クロミフェン製剤(クロミッドなど)
<飲み薬>
■効能・効果と副作用
排卵誘発作用が高く、タイミング法、人工授精だけでなく、体外受精や顕微授精でも使用されます。粘液の分泌が少なくなる、子宮が薄くなるといった副作用のほか、頭痛や目のかすみなどを訴えることもあるので、運転する人は要注意。
アロマターゼ阻害剤(レトロゾール、フェマーラなど)
<飲み薬>
■効能・効果と副作用
エストロゲンを低下させることで、卵巣に強い刺激を与えずに、複数の卵胞を発育させます。子宮内膜が薄くなるなどの副作用がほとんどなく、卵巣過剰刺激症候群を起こしにくいのが利点。ただ保険適用外の薬なので、費用は高め。
【体外受精】複数の卵胞を育てて妊娠の可能性をアップさせます
体外受精(顕微授精)では、卵の数を増やして妊娠の確率を上げるために、排卵誘発剤を使うこともあります。自然周期では1つしか排卵されないところを、排卵誘発剤を用いて複数の卵胞を育てるのです。この場合は、卵巣に働きかける注射がよく使われます。
注射剤は飲み薬よりも作用が強くなるため、卵巣刺激症候群(OHSS)のリスクもアップ。そうならないために、ホルモン値や卵巣の状況に応じて、注射の種類、量を調整します。
HMG製剤(HMGフェリング、HMGフジ、HMGテイゾーなど)
<注射>
■効能・効果と副作用
クロミフェン製剤で排卵しない場合、多くの卵胞を発育させたい場合に使用。FSHとLHの割合は1:1〜3:1が多い。筋肉注射で、お尻や上腕などに注射します。卵巣過剰刺激症候群が起こることも。
リコンビナントFSH製剤(ゴナールエフ、フォリスチムなど)
<注射>
■効能・効果と副作用
脳下垂体から分泌されるFSH(卵胞刺激ホルモン)のかわりとなって働き、卵胞の成長を助けます。LH(黄体化ホルモン)は含みません。卵巣のはれやアレルギーを起こすリスクが低いのが特徴。ペン型で自己注射が可能。
FSH製剤(フォリルモン、ゴナピュールなど)
<注射>
■効能・効果と副作用
hMG製剤に含まれるLHの値を限りなく少なくしたもの。卵巣を刺激し、卵子を育てる効果がある。hMG製剤と同じく、卵巣過剰刺激症候群を引き起こすリスクがある。
飲み薬と注射は何が違う? 作用の違いで効果にも差が
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