2ページ目(2ページ中) | 金田朋子さん&森渉さん夫婦インタビュー/流産後、おなかに手を当てて「あ、もういないんだ…」
―流産後、ドクターに妊活を再開していいと診断された2ヶ月後、ふたりははじめて不妊外来を訪れました。
金田さん:ただ年齢のことがあるので、先生からは「治療を始めるならとにかく急いだほうがいい」と言われました。
森さん:体外受精もすすめられて、ふたりで講習会を受けたよね。
金田さん:うん。でも、何も知識がなかっただけに、「こんなにお金がかかるんだ」「毎日注射をしなければならないんだ」って、驚くことが多くて。本当に無知でした。あらためて赤ちゃんを授かるって大変なことなんだと思いました。
本格的な不妊治療が始まれば、決まった日に病院に行かなくてはならないこともあるけれど、仕事の都合上、すぐには治療に入れないし、「子どもがいない人生もあるのかな?」と考えたりもして。いろいろな葛藤がありました。
森さん:年齢のリミットもあって迷っているヒマはないから、あの時期はふたりでたくさん話し合ったよね。
金田さん:そうだね。ケンカしないでっていう赤ちゃんからのメッセージもあったから、お互いに気をつけられるようになったしね。
人間だからそれでもケンカしちゃうこともあったけれど(笑)。
次にダメだったら体外受精に踏みきろう
―空に帰ってしまった赤ちゃんからのメッセージを心に置きながら、ふたりが話し合って出した結論は、「次にダメだったら、体外受精に踏みきろう」でした。
そしてなんと、その月に妊娠が判明!
金田さん:あまりしないほうがいいって言われていますが、生理予定日の前から1日に何度も妊娠検査薬を試して、ある夜、「今回もダメだったみたい」ってぽぽちゃんと検査薬を見ていたら、うっすらと陽性反応が出てきて。次の日も陽性になって、病院に行って妊娠していることがわかったんです。
森さん:前回のことがあるから、あとは初期流産がないことを祈って、安定期に入るまでも祈り続けてという日々だったよね。
―そうして2017年6月20日に無事に、待望の赤ちゃんが誕生。
金田さん:そこまでの道のりが平坦じゃなかったから、会えたときの喜びは本当に大きかったです。
赤ちゃんの顔を見て「ずーっとおなかを蹴っていたのはこの子だったんだー」ってなんだか不思議な気持ちでした。

妊活中「ケンカしていたら、もったいない!」
―妊活中、葉酸のサプリを飲んだり、3食バランスのいい食事をとったりといった基本的なことのほか、心がけていたのは「とにかく笑って運気を上げること」
森さん:妊娠の確率が5%といわれて落ち込んだこともあったんですけれど、可能性はゼロではないってこと。その5%になるためにはどうしたらいいかって考えたときに、治療やできることはなんでもして、あとは運気を上げるしかないって思ったんです。
そのためには、ケンカをしない、ストレスをためない、日々笑って過ごすようにしようってふたりで決めました。
金田さん:伊勢神宮、諏訪大社、日光東照宮とか、いろいろなところにお参りに行ったり、パワースポットに出かけたりもしたよね。
森さん:出かけた先では、必ずふたりで爆笑顔で写真を撮るんだよね。“笑う門には福来る”をそのままとり入れた感じです(笑)。
妊活中は、今思うと、体を大切にしたり、夫婦でたくさん話をするいい機会でした。
妊活中にケンカをしてしまう夫婦も多いと聞きます。でも、妊活はけっしてマイナスのことではなくて、赤ちゃんを迎える明るい未来につながっているんだから、ケンカしていてはもったいないなって思います。
金田さん:私は「赤ちゃんができなければダメ」って決めてしまうと苦しくなると思ったので、「子どもがいない人生でもいい人生になるはず」って思うようにしていました。
そんな中、私たちは本当に、運よく赤ちゃんを授かることができて、感謝ばかりなのですが、もっと長い期間、大変な治療を続けているかたもいらっしゃいますよね。今現在、できることは十分にがんばっていると思うので、「息抜きをしながら、笑いながら過ごす」ことが妊活をいい時間にするポイントなのかな?と思います。
―笑顔を忘れずに過ごした妊活で授かった赤ちゃんの名前は、千笑(ちえ)ちゃん。
今後ますます笑顔いっぱいの森家になるに違いありません。
金田夫婦の妊活episode
●次の妊娠に備えて葉酸サプリ
流産してから、次の妊娠に備えて葉酸のサプリを飲み始めました。それまでは葉酸の存在すら知らなかったんです…。1人目の赤ちゃんはいろいろな予備知識をくれた子でもありました。
●不思議な出来事。鳴らないはずのおもちゃが!
お風呂に浮かべると水で通電して歌うカエルのおもちゃ。流産した日と娘が生まれた日に、お湯をはってないお風呂場で鳴ったんです。「1人目の子も娘を歓迎してくれているんだね」と話しました。
●神社、パワースポットで運気をアップ
運をとり入れられそうなことはたくさんしました。時間があったら、いろいろな神社や地域の氏神様にお参りに。パワースポットに行ってふたりでランニングすることも。
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●アスリート並みのトレーニングをゆっくりに
2回目の妊活中は運動にも気を使いました。マラソンが趣味で、夫婦いっしょにアスリート並みにトレーニングしていたので、ウォーキングもとり入れてゆっくりペースに。
(赤ちゃんが欲しいクリニックガイド2018『35才以上の妊活Special Interview』より)

金田朋子(かねだともこ)●1973年神奈川県生まれ。2000年に声優デビュー。「おしりかじり虫」など数々の作品で活躍するほか、ナレーター、タレントとしても活動。金田さんのパワーの原動力に触れられる著書『44歳、元気に初産しました!』(エイ出版)が大好評発売中。オフィシャルブログはコチラ。
森 渉(もりわたる)●1983年神奈川県生まれ。2005年映画『亡国のイージス』で俳優デビュー。学生時代に器械体操やトライアスロンをしており、スポーツバラエティに出演する機会も多い。オフィシャルブログはコチラ。
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