「自然妊娠はむずかしい」排卵不順、射精障害、運動率の悪い精子…。だけど、治療とタイミング法を並行で妊娠しました!エピソード
妊活スタート後、早めに授かることができた妊活卒業生に妊娠までの道のりを取材!
妊活をこれから始めようとしている人にとっていちばん知りたい、「どのくらいで赤ちゃんを授かれるか」。妊娠はさまざまな条件が整ったうえで成立するもの。なかなかうまくいかないことも少なくありません。
今回ご紹介するのは、男性不妊がわかり、タイミング法での妊娠は難しいと言われたCAOさんの体験談です。何が妊娠に結びついたのか、授かるまでの最短ポイントをとくおかレディースクリニックの院長・徳岡晋先生に解説してもらいました。
人工授精とタイミング法で赤ちゃんができた!
CAOさん(24歳)の場合
タイミング法は期待薄の「男性不妊」が判明
22歳で結婚してから、避妊はしていなかったにもかかわらず、2年たっても妊娠しませんでした。生理周期が21~35日とバラバラで遅れることが多かったことと、身内に婦人科系疾患をもつ人が多く、心配した母にすすめられたことをきっかけに、婦人科クリニックを受診しました。
初回の問診票では「子どもが欲しい」という欄に丸をすると、不妊治療するかどうか聞かれ、私は卵管造影などの検査を、夫も精液検査を受けました。
その結果、私にはトラブルがなかったのですが、夫の精子数や濃度、運動率などが、自然妊娠がむずかしいといわれる数値でした。
主治医からは「排卵時期なのでタイミングをとってもいいが、期待は薄いのでとらなくてもいい」と言われ、一応トライしたものの、やはり妊娠はしませんでした。
翌月、排卵誘発剤を使って1回目の人工授精をしましたが、それもうまくいかず…。
わたしにも問題アリ…排卵が不順?
その後は毎月、生理3日目ごろに受診して卵胞チェックを受け、主治医が予測した排卵日2日前ごろにまた受診。
ところが、私は排卵時期が不順だったようで、受診すると「まだ少し小さいな。明後日また来て」と言われ、次に行くと「今度は終わっちゃってるな」ということが続き、人工授精もままなりませんでした。
本当に妊娠できるのか不安がつのるも赤ちゃんをあきらめる気持ちにはなれず、費用がかさむばかりで、気持ちが落ち込むことも。
そんなときは、本を読んだり、友人とスポーツや食事をしたりと、意識的に妊活以外に気持ちをもっていくようにして、なるべくストレスをためないように心がけました。
タイミング法を続けていたらなんと…妊娠!
病院での人工授精と並行して、ダメ元でタイミング法も続けていたところ、なんと、受診してから半年後に妊娠!
夫には射精障害もあり、タイミング法でも予測された排卵日前後と仕事が重なると拒否されるなど、不妊治療にあまり協力が得られず、自分ひとりでがんばっている感じだったので、最初は信じられませんでした。まさに奇跡のようでした!
CAOさんが妊娠するまで妊活ストーリー
◆22歳
12月
結婚。避妊などはしていなかったが、妊娠せず。
◆24歳
6月
婦人科クリニックを受診。
卵管造影検査、夫の精液検査を行う。
精液所見に問題アリ…
7月
人工授精1回目を行うが妊娠せず。
12月
人工授精と並行して、タイミング法も続けていたら、妊娠。
医師解説!ここが妊娠まで「最短」ポイント
年齢が若いのでタイミング法を試す価値は十分あったはず
年齢が若いのでタイミング法を試す価値は十分あったはず
CAOさんの場合、主治医は体外受精を視野に入れていたのかもしれませんね。
精液検査を何回したのかはわかりませんが、精子の状態はそのときどきで変動します。女性の年齢も若いので、当院でしたらまずはタイミング指導をすると思います。
ご自身の判断でタイミング法を続けたのがポイントでしょう。ただし、若くても卵巣年齢が高い場合もあり、それによって治療方針は変わります。AMH検査はどんな女性にも受けてほしい検査ですね。
関連記事:卵巣の中の「AMH」から卵子の残数をチェック!AMHが低いと?高いと?
人工授精とタイミング法を並行して行う治療のMIXもアリ!
人工授精は、男性がマスターベーションで射精した精液を病院で処理したうえで、女性の子宮内に注入する方法です。精子が子宮頸管を通過しにくい、精子の数が少ない、あるいは運動率が悪い、フーナーテストの結果がよくない、射精障害があるなどの場合に有効です。
受精は自然妊娠とまったく同じです。超音波検査による卵胞チェックなどで排卵日を予測し、排卵誘発剤を使って排卵を促したうえで行いますが、並行してタイミング法を行うことも可能です。
受診するなら不妊治療専門クリニックへ
妊活はできれば30代前半までにスタートし、自己流のタイミング法で授かれなかったら、不妊治療専門クリニックを受診するのがおすすめです。
一般的な産婦人科では人工授精までしか治療を行わないため、もし体外受精にステップアップすることになった場合は不妊治療専門クリニックに転院する必要があります。転院後に血液検査や超音波診断などで体の状態をもう一度調べることになり、その分、少し遠回りになってしまうこともあります。
授かるまでの最短距離を考えるなら、不妊治療専門クリニックも検討してみてくださいね。
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