夫47、妻39歳。反復流産からのPGT-A!グレードのよい卵だけど…結果は?【不妊治療体験談】
結婚が39歳。夫のほうが妊活熱高め、妻は仕事が楽しく、子どもは「まぁ、できなかったらできなくても…」というのんびり系。
ちょっぴり珍しい⁉︎ 夫婦の不妊治療ストーリーをご紹介します。
流産をくり返し、42歳で着床前診断にたどりついたふたりの行く末に注目です。
E・Hさん(42歳)
妊活ヒストリー
39歳
結婚半年後に、夫婦で初めて検査を受ける。自己流タイミング5回
40歳
A病院で体外受精・顕微授精で10回移植するも流産をくり返す
41歳
コロナ禍で10カ月間妊活をお休みする
42歳
Bクリニックで顕微授精。PGT-Aを受け、初移植で妊娠
PGT-A(着床前胚染色体異数性検査)とは?
体外受精でできた受精卵を胚盤胞まで培養し、その細胞の一部をとり出して染色体の数に異常がないかを調べ、数の異常がない胚を子宮に戻すことで、流産を減らし、妊娠率を高めることが目的の検査です。
PGT-Aに対するためらいは夫婦ともになし
夫の提案に背中を押され、重い腰をあげて不妊治療の再開を決意した私。
転院先は、受精卵の染色体数を調べる「着床前胚染色体異数性検査(PGT-A)」を受けられるBクリニックです。
Bクリニックは個人のクリニックで、対応もていねいでしたし、PGT-Aの実績も豊富。
体外受精では「グレードのよい胚しか培養しない」というルールも、合理的でよいと感じました。
実は、Bクリニックを受診した際、「最近A病院でもPGT-Aができるようになったから、通い慣れたA病院でなさいますか?」と聞かれたんです。
それなら…とA病院にも再度相談したのですが、ドクターから「病院を変えたほうがうまくいくパターンがあるから、Bクリニックで試してみてください」と言われ、結局BクリニックでPGT-Aを受けることにしました。
あとから思えば、このときA病院の先生が、背中を押してくださってよかった!
PGT-Aに対するためらいは、全くなかったです。妊娠しない原因がわからないのがいちばんつらかったので、もしその原因がわかるなら、ぜひやりたいと思っていました。
夫も「できる検査を全部やって、それでも授からないのだから、PGT-Aにかけるしかないね」と。
PGT-Aは臨床研究として行われているため、検査対象が限られます。
私は反復流産ということで該当し、データ提供の同意書などの書類に署名して実施しました。
Bクリニックでの卵巣刺激はアンタゴニスト法でした。A病院もBクリニックも自己注射での卵巣刺激でしたが、A病院は最初から薬液が入っているペンタイプでの注射だったので、とてもラクでした。
でもBクリニックはシリンジタイプの注射器での自己注射。不器用なので薬をうまく混ぜられなかったり注射器で吸い上げられなかったりして戸惑いましたが、慣れれば大丈夫でした。自己注射は夫に見せつけるように、アピールしながら打っていました(笑)。
妊活中らしからぬ生活…頑張りすぎてガッカリしたくなかった
振り返ってみると、自分では治療以外、あまり妊活らしいことをしていませんでした。
妊活中でもお酒を飲んでいましたし、特別なサプリメントを摂ることもなかったですし、食事に特に気をつけることもほとんどありませんでした。
毎日仕事をして、友達と遊んで、その合間に妊活、という感じで。
ただ、それはダメだった時に「あんなにいろいろやったのに…」とガッカリする要素を減らしたいという防衛本能があったのかもしれません。
ごく普通の生活をしている中で、ダメだったら仕方ない…、と割り切りたかった。
42歳になったころ、Bクリニックでダメなら、もう治療はやめたほうがいいんじゃないかなと、夫には言っていました。
PGT-Aをしてもダメなら、現代の医学ではどうすることもできない原因がなにかあるんだろう…と。
正直、子どもがいない人生もありかなと思っていました。結婚したのも遅かったですし、子どもを育てるのってすごくたいへんで、子どもが大きくなるまで私たちが元気でいられるかもわからない。そう考えると、無理しないで夫婦ふたりで人生を過ごすこともいいんじゃないかと。
そういうふうに少し冷静であったことが、精神的にストレスを抱えることなく私が治療を続けられたいちばんの理由だったかもしれません。
妊活経験者の友人がくれたシルクの腹巻とマリエン薬局のハーブティ。妊活らしいことといえば、これくらいでした。
黄体ホルモンの値が見たことないほど上昇してビックリ
Bクリニックで採卵できた卵は6個。すべて顕微授精を行った結果、AAのグレードの胚盤胞が2個、ABが1個の計3個ができました。
ドクターから「グレードがよくても、染色体数の異常が見つかることはある」と言われ、3個ともPGT-Aを実施。検査費は1個10万円くらいしました~(涙)。
その結果、グレードAAの1個に異常が見つかり、残りの2個は正常胚という結果になりました。
無事に育ってくれた最後の胚盤胞、グレードは5AAでPGT-Aもクリア!
その後、正常胚の1つを移植し、ようやくようやく妊娠することができました。
いつも胚移植1週間後の診察では、黄体ホルモンの値が100くらいでした。そして、さらに1週間後に検査に行くと、急激に下がっていたり、低いままだったりしたのですが、今回の陽性判定時の黄体ホルモンの値は530!
見たことないほど高い数値で、ほんとうにうれしかったです。その日にだいたいの出産予定日も教えてもらえたことで、急に現実味を帯び、信じられないような気持ちになりました。
夫はコロナの影響で同席できなかったので、メールで知らせました。夫も同じく驚きが強かったようですが、ほんとうにほんとうに喜んでいました。
陽性判定時の黄体ホルモンの値は530!写真は妊娠7カ月、おなかは大きめです
あわや濃厚接触者に!妊娠判定直前に両親がコロナに
Bクリニックを卒業後は、お産も扱っているかかりつけ医のA病院に戻りましたが、8週目で出血。切迫流産の可能性があると言われ、ひたすらじっと過ごし、今はようやく安定期に入ることができました。
実は、妊娠がわかってすぐの2021年3月に、両親が新型コロナウイルスに感染し、入院してしまって。
私は両親に近づくこともできなかったので、差し入れなどすべて夫にお願いしました。母がコロナを発症する1週間前に、家族みんなで会う予定があったんですが、甥がたまたまヘルパンギーナ(夏かぜの一種)になり、私は妊娠判定が出るかどうかの微妙な時期だったこともあって、その予定自体がキャンセルになったんです。
でもそのおかげで、結果的にコロナの濃厚接触者にならずにすみ、幸い、ほかの家族にもうつることもありませんでした。
おなかの中の赤ちゃんが私たち家族みんなを守ってくれたのかなと思っています。
赤ちゃんが欲しい(あかほし)編集部より
体外受精・顕微授精の移植は10回!流産もくり返していたアラフォー不妊治療。持ち前の明るさで経緯を語ってくれたE・Hさんですが、その笑顔の陰には人しれぬ「つらさ」があったにちがいありません。彼女を支えつづけたのは、子どもを持つことに前向きな夫。
そして、そんな夫をパパにしてあげたい…という気持ちから、絆が一層強くなったおふたり。
PGT-Aや転院をすすめてくれたドクターとの出会いも、成功へのカギとなりました。
※この記事の内容は個人の体験です。治療や薬の処方などに関しては必ず医師に相談してください。
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