「梅毒」急増中!東京都では感染者が2400人超!妊娠・出産にも影響が?どのような性感染症なのかドクターが徹底解説
近年、患者数(報告数)が増えているという性感染症「梅毒」。
国立感染症研究所の感染症発生動向調査週報2023年第50週(12月11日〜 12月17日)速報データによると、この1週間の梅毒の患者報告数は全国207例、2023年の累積報告数は14,401例。2022年は1999年に現在の調査方法で統計を取り始めて以来、初めて10,000例を上回ったと報告されていました。(2023年12月30日時点)
さらに2024年に入り、今年の東京都内の梅毒感染者数が、過去最多だった2023年とほぼ同水準で増加しており、2024年1月から9月1日までの速報値で2460人に上ることが、東京都感染症情報センターの集計で分かりました。
感染者の内訳は、7割が男性、3割が女性。東京都では「令和3年以降、梅毒感染者は増加傾向にあり、予防を心がけてほしい」と注意を呼び掛けていますが、梅毒はなぜ増加し続けているのでしょうか。
梅毒とはどんな性感染症なのか、症状はどのようなものなのか、妊娠・出産にどのような影響があるのか?ドクターにお話しを伺いました。
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梅毒とはどんな性感染症?男女ともにかかる?
梅毒は感染症法の5類感染症であり、梅毒トレポネーマと呼ばれる細菌に感染することにより引き起こされる、男女ともに感染する性感染症です。
梅毒トレポネーマは直径0.1~0.2㎛、長さ6~20㎛のらせん状の菌で、粘膜や皮膚の小さい傷から感染します。その後速やかに全身に散布され、あらゆる臓器に炎症をおこし、ほかの病気と紛らわしい様々な症状を引き起こすため、「偽装の達人」と呼ばれています。
梅毒が近年、急増しているというニュースを見るけれど、実際は?
厚生労働省のデータによると、2011年頃から梅毒の報告数が増加し、2021年以降に特に大きく増加しています。2016年には2011年の約5倍、2022年には2016年の約2倍に増加しました。
当院でも2022年には2020年の約5倍に増加していますが、メディアの発信により、検査受診される方が増えたことも一因と考えられます。
梅毒の原因は?トイレでうつるはホント?
ノーマルセックス、オーラルセックス、アナルセックス、キスで感染します。
梅毒トレポネーマは罹患者の精液、膣分泌物、血液、浸出液に含まれます。梅毒トレポネーマが、口腔・膣・亀頭表面・直腸などの粘膜にある小さな傷を通って、体内に入って感染します。
性感染症診断治療ガイドライン(2020年)によると、男性の感染経路は99%が性的接触で、そのうち65%が異性間、19%が同性間です。女性の感染経路も99%が性的接触で、そのうち90%が異性間、1%が同性間です。
梅毒トレポネーマは熱や乾燥に弱いため、一度粘膜や体液から離れると、生存しにくい性質を持ちます。そのため、トイレの便座に座るなどの、日常生活でうつる可能性は低いようです。
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