やっぱり栄養と運動が大事だった!よい卵子を育てる生活習慣【不妊治療専門ドクター監修】
よい卵子とは、妊娠につながる卵子のこと。卵子をよりよく成熟させるためには、食生活が大切ですが、それ以外にもできることがあります。
これまでに2万人以上を妊娠に導いた実績をもち、生殖医療専門医でもあり抗加齢医学会専門医でもある、高橋ウイメンズクリニックの高橋敬一院長に伺いました。
前の記事を読む→妊娠しない理由の7割は卵子にある⁉卵子の質がよいって?【不妊治療専門ドクター監修】
サプリメントをじょうずに使う、基本は“葉酸”と“ビタミンD”
サプリメントを使うことも、よい卵子をつくるうえでは有効です。食生活にプラスしてじょうずに利用しましょう。
◎葉酸
ビタミンB群の一種で、水溶性のビタミン。たんぱく質や遺伝子情報を伝えるDNA・RNAの合成を促す働きがあり、胎児の先天性異常の一つである無脳児や二分脊椎のリスクを減らします。
無脳児や二分脊椎は妊娠6週ごろに起こります。たとえば、月経周期が28日の女性が妊娠した場合には、前回の月経開始日(妊娠0日)から4週目の月経開始予定日以降に妊娠に気づくことになります。その時点で葉酸をとり始めても、血中濃度がじゅうぶん上がるまでに時間がかかってしまうので、葉酸は妊娠前から積極的にとっておくことが大切なのです。
妊娠していない女性の場合、厚生労働省は一日に400μgの摂取を推奨していますが、これは最低量。現在では、600~800μgを摂取するのがよいといわれてきています。
葉酸は、ブロッコリーやほうれんそうなどの緑黄色野菜に多く含まれています。しかし、一日に必要な推奨量を食品だけでとり続けるのはむずかしいので、サプリメントも利用することが必要なのです。
◎ビタミンD
脂溶性ビタミンの一つで、鮭、しいたけなどに含まれていますが、日光にあたることで皮膚で活性化されます。カルシウムの吸収を促し、骨を強くする働きがあることが知られています。
血中濃度がじゅうぶんな場合は、足りない場合と比べて妊娠率が高くなる、という報告があります。また、ビタミンDが不足すると、妊娠中に切迫早産や妊娠糖尿病などを起こすリスクがあるとも報告されているので、そのリスクを下げるためにも重要な栄養素です。
妊活している女性のビタミンDの血中濃度を調べると、8割以上で不足しています。出産するまでサプリメントも積極的にとるようにしましょう。
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高橋ウイメンズクリニック院長。1985 年国立金沢大学医学部卒業。虎ノ門病院婦人科などで体外受精・胚移植などを手掛ける。95年米国ワシントン大学に留学。96年虎ノ門病院復帰後、99年に現クリニックを開業。著書に「専門医が答える不妊治療 Q&A」(幻冬舎)。
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