人間の適応力って、すごいものです。注射嫌いだったはずの私でも、ためらいなく自己注射をおなかにブスッ!と刺せるようになりました。
二度目の採卵では、2個の卵胞を採取することができました。ただ、排卵誘発剤を使っても、やはり採卵個数は少ない…!それでも、この2個のうち1個の受精卵が順調に胚盤胞まで育ち、凍結することができました。
そして、このたった一つの凍結胚が、無事に着床して、私たちのもとに生まれてくる男の子に。息子は早いものでもう1歳の誕生日を迎え、すくすくと育っています。
42歳からという遅いスタートにもかかわらず、不妊治療を始めてから1年たたずに妊娠できたことは、奇跡のような幸運でした。
クリニックで陽性結果が出た後、記念に妊娠検査薬を使いました。
ポジティブな言葉でメンタルを上向きに
不妊治療では、治療のステップごとにいろいろな節目があります。たとえば採卵日、移植日、妊娠判定日…。
治療中、無意識のうちにしていたのが、こうした予定をポジテイブな日々の言葉に変換することです。
「卵子が採れる日」
「着床する日」
「妊娠がわかる日」
「心拍が聞こえる日」
こんなふうに、あたかよい結果になることが決まっているような言葉を使う。すると、「きっとそうなる!」って、気持ちもちょっと明るくなる気がします。
アナウンサーという職業柄もあってか、私は言葉の力はとても大きいと感じています。「言霊」ともいうように、ポジティブな言葉はポジティブな未来を引き寄せてくれると信じているんです。
反対に、妊活中は夫にも愚痴や不安を怖くて言葉にできませんでした。ネガティブな言葉を発したら、それが現実になってしまいそうで…。
幸い、夫はとても協力的で、私の希望を尊重してくれる人です。治療開始の時期もクリニック選びも、ほとんどすべて私の独断で決めましたが(笑)、それに対して文句や不満を言うことなく寄り添ってくれました。
いまでも、「あのときあなたが動いてくれたから、この子がいるんだよね」としみじみ話してくれることもあります。とにかく明るい未来を信じて行動してきたよかった、と改めて思います。
出産した病院で生まれたばかり息子と記念撮影♪
インタビュー前編を読む>> 40代妊活「迷っている暇なんてない!」結婚後すぐに不妊治療クリニックへ|フリーアナウンサー・大久保涼香さん妊活記/前編
プロフィール●大久保涼香(おおくぼ・さやか)さん
1980年4月、埼玉県出身。大学卒業後、会社員を経て、2006年より岩手めんこいテレビ報道部アナウンサー、11年よりWOWOW契約キャスターを務める。現在は、フリーのアナウンサーとして、テレビやラジオを中心に活躍中。2022年3月に結婚、23年9月に長男を出産。@sayaka_okubo
取材・文/浦上藍子
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