なかなか赤ちゃんを授かれなくてつらい【妊活・不妊治療中のあなたへのアドバイス】

妊活中は「また生理が来た」「体外受精したのに着床しなかった」など、気分が落ち込むことが少なくありません。友だちや同僚、身内の妊娠・出産を喜べず、自己嫌悪に陥ることも。そんな気持ちはどう解消していけばいいでしょうか。神奈川レディースクリニックの体外受精コーディネーター・中里理奈さんに伺いました。
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神奈川レディースクリニック
中里理奈さん
看護師、体外受精コーディネーター。看護師歴24年。産婦人科病棟の業務経験を経て、2003年神奈川レディースクリニック設立当初より在籍。
話すことで気持ちが整理されていく
神奈川レディースクリニックでは、通院されている患者さんを対象にした「個別相談」を行っています。治療の内容や進め方などについては主に小林淳一名誉理事が、体外受精や卵子・精子、受精卵などについては主に体外受精コーディネーターや培養士が、治療をつづけていくうえでの不安や悩みなどについては主に看護師、不妊カウンセラーが対応しています。
クリニックで行っているカウンセリングのよい点は、その患者さんが受けている治療の内容や検査の結果をカルテで確認しながら、お話できることです。
不妊治療をしていると、医師からの説明がよくわからなかったり、治療についての疑問や不安が出てきたりすることがありますが、「医師にはなかなか聞けない」というかたは多いです。ほかにも、治療していることを周りに話していなくて、「相談できる人がいない」「共有できる場がない」ということもよく聞きます。「こんなことで相談してもいいのかな」と、ためらっているかたもいるかもしれません。
体外受精コーディネーターや不妊カウンセラーは、「患者さんと治療をともにするパートナー」です。お近くに相談できる施設や相談窓口がありましたら、一人で悩まず気軽に相談していただきたいと思います。
また、「何を相談したいかもよくわからないけれど不安」というかたもいます。そういうかたこそ、相談に来てほしいです。カウンセリングの意義は、“会話をしていくなかで、気持ちの整理ができ、自分の本当の気持ちに気づいて、その先が見えていく”ところにあるからです。
話すことによって自分の気持ちが整理されていくことが大事で、それによって、より治療を前向きに納得して受けられるようになると感じています。
【悩み】何度も体外受精していますが、なかなか妊娠しなくて。「どうして私だけ」と思ってしまいます
【アドバイス】まずは気持ちを認め、吐き出すことから始めましょう
年齢によって話す内容は違ってきますが、まず、“人間なので負の感情を持ってしまうのは当たりまえ”のこと。その感情を隠すことなく、自分自身を受け止めることが次のステップへの足がかりになります。
何がつらいのか、何が悲しいのかを自分自身がわかっていないと、そこを補うこともできません。自分の気持ちをわかって話せたことが、次のステップにもう進んでいるといえます。
次のステップに進むには?
① つらい、悲しい、うらやましいなど、自分の正直な気持ちを認める
② その気持ちを吐き出す
③ 本当は自分がどうしたいのか気づく
次にどうしたいのか、自分の気持ちに向き合ってみましょう。たとえば、「夏まで頑張りたい」「少しお休みしたい」など、自分がどうしたいのかが決まると、その先も見えてくると思います。
【悩み】友だちや同僚の妊娠を喜べません。そんな自分がイヤになります
【アドバイス】喜べないのは仕方がないこと。もう少し視野を広げてみて
なかなか受精卵ができなかったり、受精卵ができても着床しなかったりしているなかで、身近な人の妊娠を聞いて、そう思ってしまうのは仕方がないこと。自己嫌悪を感じている時点で、やさしい人だと思います。
ただ、他人との比較も、視野を少し広げてみると違って見えてくるものです。たとえば、友だちや同僚も、不妊治療をしていることを周りに話さずに、ようやく妊娠したのかもしれません。他人と自分は比べられないものです。
【悩み】体外受精をしても赤ちゃんを授かれません。この先どうするか、悩んでいます
【アドバイス】「ご夫婦2人がどうしたいのか」がいちばんたいせつ
現在の年齢や今までどのような治療をされてきたかによって、お話しする内容は変わってきますが、どのような場合でも、最終的なゴールを決めるのはご夫婦です。
AMH検査の値もよく、卵胞の発育がいいことがわかっていて、これまでの体外受精でもグレードの高い受精卵ができているような場合には、妊娠率や着床率などのデータや実例を挙げながら、そのうえでどうしたいかを聞いていきます。
一方、AMHの値がかなり低く、刺激しても卵胞が毎回育たなかったり、何回採卵してもよい卵子が採れなかったりするような場合には、今後の妊娠する可能性についてや、治療にかかるお金のことなどもお話しします。また、ご夫婦2人での人生の選択もお話しして、いっしょに考えたりもします。
最近では、「自分たちの赤ちゃんをどこまで望むか、養子縁組という選択もあるのではないか」ということで悩んでいるご夫婦も少なくありません。
どちらにしても、本当はどう思っているのか、どうしたいのか、2人が自分たちで答えを出し納得することがたいせつです。いっしょに考えましょう。
周りの人は必要以上に気をつかわないで
不妊治療では、友だちや同僚など周りにいるかたも、どのように接すればいいか悩むことがあるようです。でも、治療をしている当事者にとって、腫れものにさわるような感じで気をつかわれることは、とてもイヤなものです。
もし、不妊治療をしている友だちや同僚が、自分から治療について話してきたら聞けばいいし、話してこないならふれなければいいのです。普通に接するのがいちばんです。
取材・文/荒木晶子
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