不妊治療で夫との関係がギクシャク。どうすれば改善できる?【妊活・不妊治療中のあなたへのアドバイス】

「タイミングをとる日なのに、『今日は疲れている』と寝てしまった」「不妊検査を受けてくれない」など、妊活中に夫との温度差を感じる人は少なくありません。でも、赤ちゃんは2人で協力して授かるもの。夫との関係をよくするポイントについて、神奈川レディースクリニックの体外受精コーディネーター・中里理奈さんに伺いました。
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神奈川レディースクリニック
中里理奈さん
看護師、体外受精コーディネーター。看護師歴24年。産婦人科病棟の業務経験を経て、2003年神奈川レディースクリニック設立当初より在籍。
【悩み】夫が不妊治療に積極的ではありません。「自分ばかり頑張っている」と感じて悲しくなります
【アドバイス】解決するポイントは気持ちを話すこと、イライラせず伝えること
今も昔も、夫が協力的ではなくて悩んでいるかたは多いです。「私の気持ちをわかってくれない」と感じるとき、解決するには2つのポイントがあります。
夫が協力的ではない場合の解決ポイント
① 夫に気持ちを話す(伝える)
② イライラしながら話さない
1つ目は、気持ちを夫に話せているかどうかです。話せていない場合、「夫が協力的ではないため、妻が悲しい気持ちになっている」ことが伝わっていない可能性が高いです。
もう1つは、伝えるときの話し方です。夫に自分の気持ちを伝えているというかたでも、イライラしながら話している場合は、夫もカチンときてしまって解決していかないことが多いのです。伝え方はとてもたいせつです。
まずは、夫は何ができていないのか、夫に何をしてほしいのか。タバコやお酒をやめてくれない、家事を分担してほしいなど、そこをいっしょに整理していきましょう。
本当の気持ちを話せていない妻も
年齢が若いほど、「こんなささいなことで」と気をつかって、夫に話せていないというかたが多いように思います。でも、不妊治療はご夫婦で向き合っていくもの。お互いの感情を伝え、だんだんと“夫婦”になっていくものです。
「ごめんね」と「ありがとう」を会話に入れて
イライラせずに話し合うためには、「ごめんね」という言葉を大事にしましょう。「ありがとう」という言葉は簡単に言えるものですが、「ごめんね」はなかなかむずかしいようです。夫に話しているときも、夫が「ごめんね」と言ってくれれば、それだけでかなり気持ちが晴れる部分もありませんか。
では、自分から夫に「ごめんね」は言えているでしょうか。振り返ってみて、もし言えていないなら、会話にとり入れてみましょう。
たとえば、日ごろ夫がしてくれていることへの感謝を伝えたうえで、「でも、私はこういうところを直してほしいんだよね」とか、「私もこういうところが悪くて、ごめんね。だけど、あなたにもこういうふうにしてほしいんだ」というように話すと、状況が変わってくるのではないかと思います。
「売り言葉に買い言葉」の夫が多い
実際に、カウンセリングに来られた男性に聞いてみると、「妻にワーッと言われると、ついイライラしてしまう」と話すかたが多いです。「ありがとう」と「ごめんね」を会話に入れ込みながら、冷静に話すことを心がけてみましょう。
夫が積極的すぎるパターンも増加⁉
最近では逆に、「まだ自分は子どもが欲しいと思っていないのに、夫が積極的すぎて困っている」という、妻側の悩みも増えています。この場合も、まずは自分の気持ちを伝えられているかどうかがポイントです。
それを夫側に話してみると、「妻も自分と同じように子どもを欲しがっていると思っていた」ということはよくあります。
ご夫婦でカウンセリングを受けている場合には、「赤ちゃんが生まれたら家事をするつもりがあるか」など、夫の気持ちや協力体制を確認することで、妻が安心することもあります。その一方で、妻の年齢が比較的高い場合には、年齢による妊娠率などのデータを説明すると、一転して不妊治療に前向きになるケースもあります。
【悩み】夫の精子に問題があります。自分には何も問題がないのに、薬や注射などの治療を受けるのは私。そう思うと、夫にそっけなくなってしまいます
【アドバイス】もし逆の立場なら夫はどう思うか、考えてみて
不妊治療では、どうしても女性の負担が大きいので、「私はどこも悪くないのに、どうして私が大変な思いをしなくちゃいけないの」と思ってしまうのは、仕方がないこと。でも、もし逆の立場だったら、夫はあなたのことをどう思うでしょうか?
不妊治療はご夫婦で向き合うもので、相手あってのことです。夫の精子に問題があったとしても、それは誰のせいでもありません。
それに、「そっけなくなってしまう」と思っているということは、自己嫌悪を感じているということ。ご自分でも、本当はどうするべきか、もうわかっているのではないでしょうか。2人の赤ちゃんを望んでいるのですから、2人でいっしょに乗り越えていけるといいですね。
【悩み】誰にも不妊のことを話せなくて、孤独でつらいです
【アドバイス】まずいちばんそばにいる家族、“夫”に話してみましょう
まず、いちばんそばに夫がいることを忘れないで!不妊治療はご夫婦2人で、いっしょに取り組んでいくものなので、夫に話せなければ治療も進んでいきません。夫は病院に来ないことも多いので、妻が話さない限り、治療についてのあれこれがわからないのです。
「注射が痛かった」「採血がイヤだった」など、不妊治療にまつわることをなんでもいいので、夫に話してみましょう。夫とは家族なので、イヤなこともいいことも常に話せる環境をつくることがたいせつです。
女性同士で話したいということも、あるかもしれません。今はSNSがありますが、顔が見えず、どんな人物かもわからず、嘘がつけてしまうので、かえって傷つくこともあります。そんなときはつらい気持ちが積み重なっていく前に、ぜひカウンセリングを受けてください。そのために私たちカウンセラーがいます。
夫へ:妻の状態を受け入れたうえで、普通に接しましょう
実は、「妻にどう接していいかわからない」と悩んで、相談に来られる男性もいます。「妻がひと言も話してくれない」「妻が部屋から出てこない」というかたもいます。
でも、そうなるまでに、そこに至るプロセスがあるはずです。不妊治療をしているということは、妻は夫のことが好きで、夫の子どもが欲しいと思っているのですから、夫側はまず、「夫との子どもが欲しいのになかなか授かれない妻のつらい気持ち」を受け入れるのが大事ではないでしょうか。
そして、日常生活では特別扱いをせず、普通に妻と接しながら見守りましょう。そのなかで、ゴミ出しや洗濯をするなど、ちょっとしたやさしさを見せていくうちに、その気持ちは必ず妻に伝わると思います。たとえばケンカをしたときも、夫がどうしてくれたかを妻はよく見ているものです。
このようなお話をしていると、「今まで自分ができていなかったことがわかった」と話す男性が少なくありません。夫婦はもともと他人同士です。でも、お互いが向き合った時間は、たとえ子どもを授からなくても尊いものだと思います。
取材・文/荒木晶子
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