仕事と妊活の両立、お金、やめどき…悩みが尽きない【妊活・不妊治療中のあなたへのアドバイス】

妊活中は、治療そのものだけでなく、仕事と通院のスケジュール調整や治療費のことなど、考えることが山積みです。そんな数々の悩みに、神奈川レディースクリニックの体外受精コーディネーター・中里理奈さんにアドバイスをもらいました。
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神奈川レディースクリニック
中里理奈さん
看護師、体外受精コーディネーター。看護師歴24年。産婦人科病棟の業務経験を経て、2003年神奈川レディースクリニック設立当初より在籍。
【悩み】仕事との両立がたいへんそうで、体外受精にステップアップするかどうか迷っています
【アドバイス】夜間・休日診療しているクリニックを検討してみては?
「体外受精は通院が多くて、仕事の調整がたいへん」と聞き、治療と仕事を両立できるか悩んで、体外受精へのステップアップをためらっているかたはとても多いです。
当クリニックの場合は土・日・祝日も診療していることや、平日も夜7時(水曜日は夜7時30分)まで受付していること、治療に必要な通院回数などをご説明すると、たいへんかと思いますがほとんどのかたが「それなら両立できそう」と、安心されます。
以前に比べて、夜間や休日に診療しているクリニックも増えてきています。体外受精を迷っているのであれば、診療時間や治療のスケジュールなどを比較検討してみて、通院できそうなクリニックを探すといいのではないでしょうか。両立できそうか、クリニックに相談してみるのもいいでしょう。
【悩み】仕事を早退したり休んだりがしんどい。仕事をやめるべき?
【アドバイス】自分にとっての仕事の価値をよく考えてみて
すでに体外受精に進んでいるかたが仕事をやめようか迷っている場合、「退職すると授かるのでは?」という思いがあるようです。でも、仕事をやめたからといって、必ず授かるわけではありません。
自分にとって仕事の価値はどれくらいなのかを、一度立ち止まって考えてみましょう。今の気持ちだけで、人生の大事なことを決めないほうがいいのではないかと思います。
【悩み】いつまで治療が続くかわからず、経済的に不安になってしまいます
【アドバイス】治療に使えるお金について、夫婦で話し合いましょう
保険が適用されるようになり、高額療養費制度も使えるとはいっても、不妊治療にはやはりお金がかかります。いちばん大事なのは、ご夫婦が健康で幸せに暮らしていけること。それが成り立ってはじめて、赤ちゃんのことを考える段階になるかと思います。
まずは、現状でどのくらい負担があるのかを整理してみましょう。そして、どのくらいの金額を不妊治療に使えるのか、ご夫婦で話し合って決めていくことがたいせつです。
夫が生活費、妻が不妊治療費を出しているという家庭も多いですが、その場合も2人の赤ちゃんを授かるための費用なので、2人でよく話し合ってみましょう。まだ若い年代であれば、まずは貯金をして、目標額が貯められたら不妊治療をするというのも一つの方法です。
不妊治療をしていると、出産がゴールのように思えますが、出産にあたってはベビー用品をそろえる費用などが、出産後は赤ちゃんのためのおむつ代や衣服代、行事のための費用などもかかってきます。成長すれば、習い事などにもお金がかかるでしょう。将来のことも含めて考えていくのが大事だと思います。
【悩み】もうすぐ42歳。体外受精をしても、もう赤ちゃんは望めないのかもしれないと思うと悲しいです
【アドバイス】これから治療スタートなら、保険適用となる状況かも含め相談し、トライしてみては?
42歳でも、これから不妊治療を始めようとしているのか、今までずっと治療をしてきたのかによって、状況は違います。
年齢が高くなるにつれて妊娠率や出産率は低くなりますが、妊娠されるかたはいます。これから治療を始めようとしているのであれば、保険が適用される状況かも含め相談し、体外受精をトライしてみてはいかがでしょうか。トライしないままだと、「あのとき、もしかして体外受精をすれば妊娠できたのかな」と後悔するかもしれません。トライすれば、たとえ妊娠しなくても全力を尽くしたと納得できるはずです。
これまで何回も体外受精をしてきたのであれば、むずかしい状況であることは確かです。一方で、日本産科婦人科学会「ART(体外受精)データブック2022」によれば、生産率(児が生まれる率)は42歳で5.4%あります。それらを踏まえて、ご自身でどのように判断するかになると思います。
【悩み】何年も体外受精を頑張ってきて、気持ちは疲れていますが、やめどきがわかりません
【アドバイス】まずは自分をたくさんほめてあげて
望んでいた結果を手に入れられないことはくやしいし、悲しいですよね。でも、そう思われるのは、これまで全力で不妊治療にとり組んできたからではないでしょうか。まずは、「ここまでよく頑張った!」と、自分をほめてあげてください。
不妊治療をやめるかどうかは、いろいろな治療方法があるなかで提案されたことにすべてトライしたのであれば、ご夫婦で話し合って決められるのがよいと思います。
本当は自分がどうしたいのか、夫がどうしたいと思っているのか、話し合うなかで見えてくるものがきっとあるはずです。
メンタルダウンから脱するには?
治療を長く続けていると、どうしても気持ちが落ち込んだりすることがあります。家にこもりがちになってしまうこともあります。不妊治療に入れ込みすぎてしまわないように、行動を少し変えてみましょう。
落ち込みから抜け出すコツ
① 何か理由をつけてでも、外に出る
② 自分の気持ちを紙に書き出す
外に出るといっても、習い事をしたり、スポーツクラブに入ったりする必要はありません。季節のきれいな花を見てきれいと思うだけでもいいし、推し活を楽しむでもいいのです。とりあえずでも、「やったら楽しいかも」と思えることをやってみましょう。
また、今はSNSから情報を得たり、ほかの人とつながったりするのは当たりまえです。でもSNSでは、ひどい中傷をしてきても相手の本当の名前も顔もわかりませんし、インスタグラムでキラキラした生活と自分を比較して落ち込んだりしかねません。インターネットの世界に没入せず、現実に周りにいる相手やリアルな経験を大事にしてほしいと思います。
ノートなどに自分の気持ちを書いてみるのも、落ち込みから抜け出すのに有効です。誰かと話すことによってモヤモヤした気持ちは整理されていきますが、気持ちを書き出すことにも同じ効果があります。書くために考えているうちに、「自分はこんなふうに思っていたんだ!」と気づくことがあるでしょう。
取材・文/荒木晶子
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