2ページ目(2ページ中) | 〈卵子凍結体験談〉35歳、パートナーなし。卵子の質が落ちるって本当?その現実を知って【前編】
37歳で卵子凍結。仕事と通院の両立に悩む日々
採卵手術は、37〜38歳にかけての1年弱の間に、3回実施。合計26個の卵子を凍結した。医師からは、「年齢の割に多くの卵子を凍結できた」と言われた。
倉田さんが卵子凍結をした2014年当時は、健康な女性の卵子凍結ができるクリニックが、かなり限られていた。当時は自己注射などもなく、採卵に向け、卵子を育てるための排卵誘発剤の注射は、都度クリニックに通って、看護師に打ってもらう必要があった。
そのため、採卵前の7〜10日間は連日、早朝や仕事終わりに注射をしに行かねばならない。倉田さんが通ったクリニックでは、診療時間外でも、追加料金を払えば注射してくれたのは、仕事との両立の上でありがたかった。注射の痛みは強かったが、肉体的な負担より、「仕事と並行しながら通院する精神的な負担の方が大きかった」と振り返る。

注射以外にも負担が大きいと感じたのは、排卵防止のための点鼻薬だ。1日3回決められた時間に使用しなければならず、仕事を途中で中断しなければならなかったのも大きなストレスだった。通院のタイミングと頻度は、卵胞の発育状態にも左右されるため、事前にスケジュールが立てづらいのは先述の通り。職場には卵子凍結を伏せていたため、度重なる急な通院のたびに、どう説明したものか悩むことも多かった。
「“ちょっと調子が悪くて”と言って連日休んだり、確実におかしな休み方をしていたと思います。でも他に説明のしようがなくて。私の職場は、とりあえず自分の仕事さえしていれば休める雰囲気だったから、何とかなりましたけど、もっと休みにくい職場はたくさんあると思います」
同居する親は、生殖医療について懐疑的な見方を持っていた。「こんなんあるらしいわ」と、卵子凍結について水を向けてみたこともあったが、「医療技術としてまだ普及していないものに乗っかってみて、何かあったらどうすんねん」という考えが透けて見えた瞬間があった。
親にとっては、妊娠=自然妊娠が当たり前。そう分かっていたため、「知られて止められたら嫌だ」という気持ちも働き、親には黙って最初の採卵手術を受けた。
「結局、体調の波もあって、2回目の採卵後に、親に卵子凍結していることを打ち明けました。案の定の反応で、“何か変なものにお金を払って、騙されてるんじゃないか”と心配してましたね」
将来の妊娠のため「これくらいの副作用は我慢しないと」
採卵後は、身体的なダメージも大きかった。副作用の影響で腹水がたまり、「だいぶ重い生理痛のような痛み」が数日にわたって続いた。痛みを我慢しながら何とか仕事に行ったが、3回の採卵手術後のうち、1回は発熱もあって症状が重く、仕事を休まざるを得なかった。だが、それもこれも、将来に可能性を託せる希望を考えると、「これぐらいの我慢はしないと、と思えることばかりだった」という。
卵子凍結にかかった費用は、保管料もあわせて約100万円。高いとは思ったが、産む選択を残せるなら、納得のいく金額でもあった。3回の採卵手術をした1年弱の間には、出会いに対する心境の変化もあった。
いわく、「これまで“もっと良い人が現れる”と思って、傲慢に生きてきてしまったな」という反省だ。この時、“もっと条件の良い人”を探すのはやめよう、と思った。そうではなく、“今の私を良いと言ってくれる人を探そう”、と。
そんな思考の切り替えを経て、卵子凍結しながらの、新たな視点でのパートナー探しが始まったのだった。
続きを読む>>〈卵子凍結体験談〉最愛のパートナーが見つかった。でも「苦しい」日々が待ち受けていた【中編】
『-196℃の願い 卵子凍結を選んだ女性たち』

年齢、キャリア、生い立ち、それぞれに違う彼女たちだが、どうして最先端の生殖医療技術である「卵子凍結」をしたのか?元週刊朝日の記者が描く力強さ溢れるヒューマンストーリー。(著者/松岡かすみ・発行/朝日新聞出版)
▶Amazon
▶楽天
〈あわせて読みたい記事〉
・〈梅小鉢・高田紗千子さんの妊活〉36歳でAMHは「43歳相当」。カウントダウンが始まったような気がした【前編】
・【YouTuberあいりさんのアラフォー妊活】39歳で閉経寸前!?妊活スタートでいきなり黄色信号〈前編〉
・【2人目妊活】タイミング・体外受精・クリニック選び・仕事との両立。舟山久美子さんのリアル体験インタビュー【前編】
★自分に合うクリニックを探したい★
条件や希望を入力して▶【クリニック・病院検索】してみる
\\あかほし会員にプレゼント♡//

あかほし会員になると妊活情報誌がゲットできる!
\順次お届け中/
●舟山久美子さんが表紙の『赤ちゃんが欲しい2025』
詳細はコチラ▶『あかほし会員登録(無料)ページ』
新規会員登録、アンケートより住所を登録ください。登録いただいた住所にお送りします。
※お送りのスケジュールはこちらを確認ください
![]()
※認証コードのメールが届かない場合、「迷惑フォルダ」「削除フォルダ」「スパムフォルダ」等に自動的に振り分けられてしまうことがありますので、ご確認ください。
ログイン後、アンケートより送付先の住所登録をお忘れなく。
『赤ちゃんが欲しい(あかほし)』は、主婦の友社が運営する妊活・不妊治療のお悩み解決メディア。ドクターや専門家監修の信頼コンテンツを中心に「妊娠したい」を全力サポートします。全国のクリニックや施設の検索もラクラク。
- 24時間
- 月間
-
1【2025年】女の子の珍しい名前740選!キラキラネームじゃない、かわいい&おしゃれな名付けアイデア2キンタロー。さんの不妊治療「無精子症を乗り越えてママになりました」/妊活中の読者の質問にとことん答えます!3妊活情報誌もらえる!あかほし会員登録(無料)しませんか?うれしい特典がいっぱい【赤ちゃんが欲しい】4【排卵日検査薬】写真つきリアル体験談!実際に使ってみてどうだった?妊娠しましたレポートも52026年の運勢をラブちゃんが導く!大人気占い師・Love Me Doさんの『月と龍が導く守護龍占術』を5名様にプレゼント!6妊娠8週、突然つわりがなくなった。子宮をズタズタにされたような気さえした。とにかく、悲しくて悔しくて【流産体験談】7医学的根拠に基づいた「男の子」産み分け成功ポイントを解説!【産婦人科医監修】8【全国おすすめ子宝祈願】2025年絶対行くべき最強子宝スポット20選〜妊娠しましたレポ続々!9【大島美幸さん2人目妊活記】8年ぶり42歳の妊活は体外受精から。年齢の壁を痛感した流産【前編】10〈仁科克基さんの男性妊活〉閉塞性無精子症の手術を経て、夫婦二人三脚で挑んだ不妊治療【中編】
-
1〈郡司りかさんの妊活〉避妊をやめたら妊娠すると思っていた。不妊治療クリニック探しも難航して【前編】2〈郡司りかさんの妊活〉結婚から9年、ママになります!不妊治療で授かれたことが、とても誇らしい【後編】3〈郡司りかさんの妊活〉人工授精で泣いて、採卵も痛くて泣いて。不妊治療期間は涙の連続!【中編】4〈仁科克基さんの男性妊活〉閉塞性無精子症の手術を経て、夫婦二人三脚で挑んだ不妊治療【中編】5【2025年】女の子の珍しい名前740選!キラキラネームじゃない、かわいい&おしゃれな名付けアイデア6Dream Ayaさん登壇!11月29日〈見て、触れて、試せる。 あかほし妊活アイテム体験イベント〉開催します7【全国おすすめ子宝祈願】2025年絶対行くべき最強子宝スポット20選〜妊娠しましたレポ続々!8【排卵日検査薬】写真つきリアル体験談!実際に使ってみてどうだった?妊娠しましたレポートも9【2025年】男の子の珍しい&かぶらない名前!古風・かっこいい名付けアイデア10【大島美幸さん2人目妊活記】8年ぶり42歳の妊活は体外受精から。年齢の壁を痛感した流産【前編】










