「子どものいない人生が決まった女性」から見えてきたもの/産まない・産めない・産みそびれた…その本音とは
子どもがいないことで深く悩み、傷つき、つらい思いを抱えている女性がこんなにたくさんいるなんて。子どもが欲しかった人のこれほどまでの苦悩を、私はこれまでちゃんと理解できていませんでした。
私自身も子どもは欲しかったけれど、そこまで強い思いではなかったのかもしれない。そして病気で死ぬかもしれないと究極的なことに向き合ったので、子どもはいなくても命があるだけ幸せではないかと、気持ちを切りかえられたことが大きかったと思います。
最初こそ、子どものいない女性たちが抱える苦悩の深さや、それぞれの思いの違いに戸惑いましたが、もっと多くの人に彼女たちの気持ちを知ってほしい、子どもがいなくても肩身の狭い思いをしない社会になってほしい、子どもがいないことによる苦悩があれば軽くして前向きに進んでいってほしい、そんな思いがわき立ち、子どものいない女性を応援する「マダネ プロジェクト」を立ち上げました。
子どものいる人は社会全体で支援してもらえるし、応援の輪もたくさんあるけれど、子どものいない女性の生き方を応援する人がいてもいいのではないか。自分自身もこれから生涯続く子どものいない人生を掘り下げてみたいとの思いから、ライフワークとして活動を始めました。
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子どものいない女性300人の人生ドラマはすべて違った
活動を始めた7年ほど前は手探り状態で、賛同してくれる人もすぐには見つかりませんでした。
少子化対策が叫ばれ続けている中、子どものいない人にスポットを当てるのはまずいでしょ、といった空気感が社会全体を覆っていました。子どもを持たないことを推奨しているわけではなく、ただ子どものいない人たちの思いを伝えたいだけなのに、真意をなかなか理解してもらえませんでした。その頃は私自身も、子どものいない女性の生き方を応援するといっても、どうしたら参加者の気持ちが前向きになるのかがわからず、会の方向性も定まっていませんでした。
迷いながらもゆるいペースで会を開催し、やってみては少しずつ改善することをくり返してきました。参加条件は、年齢、既婚・未婚、子どもがいない理由は問いませんが、基本的には子どものいない人生が決まった女性。
これまで300人以上、20〜80代の幅広い年代のかたが参加してくださいましたが、中心の年齢層は40代。一般的に子どもをあきらめる年代です。不妊治療をしたけれど授からなかった、体の問題であきらめた、タイミングを逸した、結婚した年齢が遅かった、欲しいと思えなかったなど、子どものいない理由は実にさまざま。
それぞれ異なる人生を歩んでこられたけれど、子どものいない女性が抱きやすい悩み、参加者からよく出る言葉、立ち止まっている場所、気持ちの段階など大勢のかたに話を聞く中で共通するものを見つけることができました。
活動を始める前はまったく見えていなかった、子どものいない人生の深い霧が少しずつ晴れるように視界が開けてきました。当時探していた子どものいない人の情報やデータが、話を聞き続けてきたことで自分の中に蓄積されていきました。
まだ私自身、子どものいない人生を歩いている途中で道半ばではありますが、現時点でわかったことを共有します。子どもがいないことで感じる思いや気持ちは個々に異なるため、受け止め方もそれぞれ違ってくると思います。単純に自分とは違うので共感できないと一蹴するのではなく、こういう思いを持っているかたもいるのだなと、広い視点で子どものいない女性の思いを理解してくださることを願います。
>>>昭和の価値観で育った私たちの呪縛 へ続く(近日公開)
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大人世代のライフスタイルからマーケティングまで、時流やトレンドをとらえた独自の視点で情報を発信。近年は子どものいない女性を応援する「マダネ プロジェクト」を主宰。自分らしく自由で軽やかに過ごすライフスタイルを理想に掲げ、新たな価値観や生き方を提唱。これからの大人スタイルを追求している。著書に『商品PRのやり方が面白いほどわかる本』(中経出版)、『誰も教えてくれなかった 子どものいない人生の歩き方』(主婦の友社)がある。マダネ プロジェクト「つながるサロン」(子どものいない女性限定) GoodMorning by CAMPFIRE (https://community.camp-fire.jp/projects/view/446996)
マダネ プロジェクト https://www.madane.jp/
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