コロナ禍の意外な不妊治療トラップ、知ってましたか?実体験で語ります【ただいま進行中!アラフォー妊活記録#10】
アラフォーのリアルな妊活・不妊治療をつづった、あかほしオリジナル連載。あかほし主婦ライターのミキが「40代 不妊治療」のリアルを書いていきます。
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アラフォーの不妊治療、次なるミッションは?
転院後新たに受けた検査で、私は多嚢胞性卵巣症候群や子宮筋腫・子宮線筋症に加えて甲状腺刺激ホルモンの数値に黄色信号が点灯。
夫は乏精子症、精子無力症、奇形精子症、精液減少症…と、夫婦揃ってますます不安な状態へと進んでいるようでした。
今の自分たちのコンディションの悪さに、私は「そもそも不妊治療をしないのも一案かも」と一瞬思いました。が、さほど気にしていない夫の姿を見るとこれも想定の範囲内だったはずだよなと妙に納得しました。
前に通っていたクリニックでは思った結果がでず、私の中では一度子どもを持つことそのものを諦めた時期がありました。それについて深く話をしたことはありませんが、おそらく夫も子どもがいない夫婦の未来を考えていたと思います。
それを考えれば、夫婦ふたりが治療をすることに前向きに考えられる今、「こんなチャンスはなかなかないな」という方向へと考えが向いた気がしました。
甲状腺刺激ホルモンの数値が上昇した意外な理由とは?
そんなこんなで、私の次の生理が始まるまでの間にクリニックから与えられたミッションは
私→甲状腺専門クリニックを受診
夫→泌尿器科を受診
というそれぞれが「頑張る」というもの。
まず私が紹介状を手に向かったのは、大阪市郊外にある甲状腺専門クリニック。
コロナ禍とあっても待合室は混んでいて、今まで触れたことがなかった甲状腺というものに悩んでいる人もたくさんいるんだという現実に直面しました。しばしの待ち時間のあと問診と採血をし、またしばしの待ち時間へと突入。
もし結果が良くないものだったら…。
採卵準備に入る前に、甲状腺刺激ホルモンを安定させるような治療をしなければならなくなる。せっかく気合いを入れて治療を再開して、夫との足並みも揃っているような気がしているのに、別の治療がはさまってきたらその足並みだってバラバラになってしまうかもしれない。
っていうか、甲状腺刺激ホルモンの異常って何? 数値が良くないと言うけれど今まで体に困った症状なんてなかったよ…? と、待合室でグルグルと考えを巡らせながら、スマホでは甲状腺にまつわる病気や治療について調べたりしていました。そこで診察室から呼び出し。
先生から伝えられた言葉は
「うん、問題ないですね」
………………………! よ、よかったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!
実は不妊治療のクリニックで甲状腺刺激ホルモンの数値に異常が認められた際、ヨウ素のとりすぎに関して話をされていました。
ヨウ素を多く含む食品を過剰に摂取することで一時的に甲状腺刺激ホルモンの数値に異常が出ることがあるらしく、もっとも顕著なのが海藻類で、昆布やひじき、海苔、わかめなどに注意して生活してみてと要注意食品のリストを受け取っていました。
そしてもうひとつ、私が秋頃から多用していたヨウ素を多く含む“とあるもの”があったんです。
それは…
のどの殺菌・消毒アイテム!
コロナ禍の夏、大阪では発熱などの症状がある人らに、ポピドンヨードを含むうがい薬によるうがいを呼びかける知事の記者会見ががあったため、ドラッグストアからうがい薬がごっそり消える騒動がありました。
その騒動の最中にはうがい薬は手に入らず、少し落ち着いた秋頃に我が家ではうがい薬を使用し始めていたのでした。
さらに転院の直前に仕事とプライベートを兼ねるかたちで夫と旅をしたのですが、その5日間ほどの間に私が1日6回以上、多用していたのがのど専用の殺菌・消毒剤でした。
飛行機に乗る前にシュッ、飛行機を降りてシュッ、タクシーから降りたらシュッ…仕事的にも不妊治療的にもコロナになる訳にはいかないとパッケージに書いてある用法・要量以上にシュッシュしていました。
常に化粧ポーチに入れて持ち歩いていました。ドクターからアドバイス以降は使用をやめました
不妊治療のクリニックで甲状腺刺激ホルモンの数値が…となった際にこの話をしたところ、「甲状腺の病院に行くまで、うがい薬ものどの殺菌・消毒もやめてみて」と指示されていました。
そして専門病院で診てもらった結果
「やっぱりポピドンヨード(=ヨウ素)が数値を上げていたのかもしれない」
とアッサリ。や、よかったです。よかったんですけど、コロナ禍じゃなかったら、この検査も診察ももしかしたら必要なかったかもしれませんよね…と、脱力してしまいました。
コロナを気にしている不妊治療中のみなさん、本当にポピドンヨードの入ったうがい薬などの過剰な使用にはお気をつけください。こんなこと誰も教えてくれなかった…!
なかなか「自分ごと」にはならない夫の不妊治療
そして数日後、夫はひとり泌尿器科を受診しにクリニックへと出かけました。
本当は私も同席したい思いでいっぱいだったのですが、デリケートな話も出てくるかもしれないので、ひとりで行ってもらおうと送り出しました。とはいえ不妊治療の一環ではあるがゆえに「私ごとでもある」ような気がして、夫の診察が終わる頃、クリニックのそばまで迎えに行きました。
ところが私の予想より早く診察を終えていた夫は、クリニック前のコンビニにいました。その姿を見た瞬間、私は怒り心頭。夫はヤンキーの溜まり場みたいなところで
加熱式電子タバコを吸っているではありませんか…!
はぁ? 泌尿器科で自分の精子の話を聞いた後にタバコ? ただでさえ調子が良くない精子を殺しているかのような行為を目の当たりにして、もはや声も出ませんでした。
マジで夫が手放さなかったiQOS。仕事の際は喫煙所でコミュニケーションツールになることもあるので、なかなかやめられない様子でした
なんとか彼をカフェに連れ込み、先生なんて言ってた? と聞くと「治療は大丈夫、いけるよ問題ないって」と一言。
…………………………………はぁ?
タバコは今すぐやめてくださいってことだったけど、数値的に顕微受精はいけるし大丈夫だって言ってたよ。と。
もう、何言うてんねんこのドアホという記憶しかないのですが、なんか夫は楽観的なことしか聞いてこなかったなという感じでした(本当はいろいろ大切なことを聞いてきたけど、言いづらくて私に伝えなかっただけなのかもしれませんが…)。
私はてっきり彼が自分の体に向き合うことで気づきがあったり、考えを正したり、この日から何かが変わっていくんだ(だって泌尿器科の先生が話をしてくれるんだし!)と思っていたのですが、その期待は空振りに終わり虚しさだけが残ったことだけは覚えています。
心健やかに夫と二人三脚で治療したいという思いは、やっぱり難しいのかもと思わずにはいられませんでした…。
※この連載は個人の体験です。治療や薬の処方などに関しては必ず医師に相談してください。
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