2ページ目(2ページ中) | Dream Ayaさん登壇!「自分の不妊治療体験を発信していければ」【みんなで支える妊活のリアル】イベントレポート
第2部/Dream Ayaさんの妊活のリアル「健康体なのにどうして妊娠しないの?」
第2部は、「E-girls」の初代リーダーとしてチームをまとめ、現在はフォトグラファー、クリエイターとして活躍するDream Ayaさん、torch clinic理事長兼恵比寿院院長の市山卓彦先生、メルクバイオファーマの不妊領域事業部事業部長 永田一彦さんによるパネルディスカッションが行われました。
妊活・不妊治療を経て第1子を出産したAyaさんのリアル体験談をレポートします。

結婚と同時に34歳で妊活を始めたDream Ayaさん。その段階での妊孕性(にんようせい/妊娠するための力)に関する知識はどの程度お持ちだったのでしょうか?
「恥ずかしながら妊孕性についてはゼロに近い知識で…。第1部の市山先生のお話しを聞き、当時の私が聞いていたら、絶対に市山先生のクリニックを受診したかったなと思うくらいでした。
仕事で歌とダンスしかやっていなかった20代の頃。プロの野球選手がやるようなトレーニングを朝の7時から行い、そのあとはリハーサルで歌って踊ってという日々で、大きい病気をしたことがないくらい健康そのものだったし、毎月専門家のかたに体脂肪だったり筋肉量だったり心拍強化だったりをチェックしてもらっていました。
そんなこともあり、『避妊をやめれば子どもは授かれる』と自信をもっていました。なので、妊娠しやすい日、排卵日ということについて知識がない状態で妊活を始めて、『3ヵ月くらいしたらきっと赤ちゃんがきてくれるだろうな』と思っていたんです。でも実際には、3ヵ月、4ヵ月経っても授かりません。『こんなに健康体な私が、まさか不妊なの?』と自覚したときは大きなショックを感じました。
どうしよう?という思いと、周りに不妊治療をしている人がいなかったので、誰に相談したらいいのかわからず焦りがすごかったです。仲のいい友人がすぐに妊娠したという情報を聞くと『なんで自分は妊娠できないのかな?』というのを自問自答して、ゴールが見えないトンネルの中にいるような、誰が私を助けてくれるんだろう…という状態でした。
支えになったのは、夫の存在
私の場合、夫のサポートがなかったらうまくいかなかったかも、というのは感じています。妊活を始めるにあたりタイミング法というものがありますが、男性は女性の排卵日がいつかはわからないことなので、それを伝えるのが最初はすごく大変でした。夫になんて言えばいいのかな、とか。妊活スタートから3ヵ月くらい経つまでは排卵日をなかなか言えず、タイミングの日だったのにできなかった…とひとりで泣いた朝もありました。
そういったなかで、夫は私の思いに気づいてくれて、『なんでも話してね』と言ってくれました。夫に対してもっと早くコミュニケーションをとるべきだと思いましたね。
妊活をしていていちばん大変だったのは「仕事と妊活の両立」でした。私は自分で会社を経営してフォトグラファーの仕事をしているので、仕事量や収入に毎月変動があるなかで、仕事を続けたいけれど子どもも欲しいという葛藤がすごく大きかったです。
不妊治療はいつ採卵日になるかがわからないので、クライアントさんに来月の撮影日を打診されても約束ができないということが大変でしたね。なので、不妊治療をすると決めたときには、仕事をすべて断るという覚悟で始めました。
メンタル的にも身体的にも金銭的にも大変でしたが、夫や夫の家族のサポートなど、周りのおかげで乗り越えられました。

情報が氾濫しているなかで「何が正しいんだろう?」
妊活や不妊治療は友人との会話で気軽にできるものではないので、もちろん仕事関係のかたに話せることでもなかったので、私はSNSやインターネットで検索をして、何が正しい情報なのかはわからなかったけれど、自分で情報を選択して見極めながら勉強していました。
私は3つ不妊治療クリニックに通い、3つめで体外受精にトライして、夫の精子の運動率だったり私の卵子の数だったり、お互いがあまりいい状況ではなかったので、最初から顕微授精を選択しました。でも、2回採卵して2回とも受精しなかった。そうなってくると、このことに関する情報も少なければ何が正解かがわからず、主治医にも『なんでだろうね』と言われて『それが聞きたいんです。なんでなのか知りたいのは私のほうです』状態でした。
〈Dream Ayaさんの不妊治療体験記〉
【Dream Ayaさん】3年余りの妊活の日々。2回の顕微授精でも受精卵ができない!【前編】
【Dream Ayaさん】始発の電車に乗って病院へ。採卵が痛くてつらくて泣けてきた【中編】
【Dream Ayaさん】赤ちゃんにだって、生まれたいタイミングがある。それに気づいてラクになった【後編】
なので、今回のような妊活セミナーが開催されることはすばらしいと思いますし、正しい情報を得るということが妊活や不妊治療にプラスになっていくことだと感じています。
私自身が不妊治療を経験しているので、治療をがんばっている方々や、これから妊活を始めてみようという人に、自分の体験談を発信していけたらなと思っています」
◎torch clinic 市山卓彦先生より◎
日頃から患者さんを臨床で診ているときに、妊娠や妊活の知識を知らなくて「選択肢が狭まっている」かたが非常に多くいると感じています。私自身は、知ることで治療までやる必要はないと思っていて、というのも、知って選択するのは個人の権利です。知らないと奪われてしまう権利になりますので、そういうことも含め患者さんにはしっかりと医学的なことを伝えていくのが医療従事者としての仕事であり、最終的には、「知って選べる環境」を作るのが重要だと思っています。
◎メルクバイオファーマ 不妊領域事業部事業部長 永田一彦さんより◎
メルクバイオファーマは、子どもを持ちたいと思っている皆さまの伴走者になりたいという気持ちで日々取り組んでいます。そのような思いが皆さまに届くように、様々な方々と協力しながら、今回の妊活セミナーで発信したような内容や動きを社会全体に起こしていき、ファミリーフレンドリーな社会を実現できるよう企業としてがんばっていきたいと思っています。
〈協力〉メルクバイオファーマ株式会社
まとめ/片桐理恵
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