2ページ目(3ページ中) | 【顕微授精で妊娠しました】悩んだステップアップのタイミング…3つの決め手。「体外受精」との違いに感じた不安は?
しかし、答えはNO。
精子数や運動率を見ても、体外受精だと受精しない可能性のほうが高い。それよりも培養士さんが選んだ精子を卵子に注入したほうが、受精の可能性は高まるという判断でした。
ここで体外受精にこだわりたかった理由は、ほかにも…。体外受精と顕微授精では、費用に大きな違いがあったのです。とくに卵子と精子を受精させる工程、体外受精なら一律10,000円のところ、顕微授精は卵子の個数ごとに費用が細かく区切られていました。
例えばこのクリニックの場合なら、1個で80,000円、2~4個で100,000円、5~9個で110,000円、10個以上で120,000円という具合です。これはなかなか大きな違いでした。(※私が治療していたのは、不妊治療の保険適用前でした)
クリニックでもらった金額表です。「顕微授精の個数別の料金が明記されています。
結局、クリニックでは7個の卵子を顕微授精したのですが、体外受精の総額よりも+10万円ほど費用がかかりました。顕微授精と体外受精、差を痛感したのはこうした費用面だったように思います。
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顕微授精へのステップアップを決めた3つのタイミング
人工授精からはじめられたのはいいものの、一向に妊娠する気配はなく…。「いつステップアップするべき?」と、今度はステップアップのタイミングで悩みはじめました。インターネットで検索してみたり、不妊治療中の友人に相談してみたり…いろいろな手段を経ましたが、とくに次の3つのタイミングが決め手になりました。
1.人工授精の回数が5回を超えたとき
まず、決め手となったのは、人工授精の回数です。医師からも「何回か人工授精して妊娠しなかったらステップアップしよう」といわれていました。目安としては、とてもわかりやすい基準だったなと思います。
気持ち的にも、3回目くらいまでは「これで妊娠するかも…」なんて淡い期待があったのですが、回数を重ねるとそうもいかず。4回目からは「今回も妊娠しないのだろうな」という気持ちのほうが強くなっていました。
そういった意味でも、私にとっては5回が限度だったように思います。ただ、現実的には夫の出張や親族の不幸などでタイミングが合わず、2回ほど顕微授精の予定を人工授精に切り替えました。このとき、「顕微授精の準備をしながらも、人工授精への切り替えもできる」ということを知ることができました。
関連記事→人工授精、何回でステップアップするべき?【ドクターに聞きました】
2.実際の精子の動きを目にしたとき
「あ、顕微授精って言われる理由がわかったかも…。」
そう感じたのは、電子顕微鏡で実際に夫の精子を目にした瞬間です。夫は不妊治療と並行して、月に1~2回、男性不妊外来にも通っていました。精子数や動きを毎回チェックし、男性不妊に合わせたサプリなどの処方を受けていたのです。
通っていたクリニックの先生は、電子顕微鏡で精子の状態をよく見せてくれました。なかでも、「精子DNA断片化検査」という検査の結果を、夫と一緒に聞きに行ったときの説明が印象に残っています。「こういう精子が健康な子です」と見せてくれたのは、前に前にと元気に進む1匹の精子でした。
一方で、「一見元気そうだけど、この子はまっすぐ進んでないでしょ」と見せてくれたのは、確かに同じところでくるくると回っている精子です。検査の結果、夫の約43%の精子はこういった動きをしていると先生は教えてくれました。
夫の「精子DNA断片化検査」結果。DFIのパーセンテージがDNA損傷精子を示しているのだそう。
それまでは、精子数が増えれば妊娠の確率が上がると思っていましたが、実際に精子の動きを目にするとそれぞれが健康であることも大切であると分かった瞬間です。
3.友人がステップアップしていたとき
妊活をしていることを周りに伝えるか、伝えないか。いろいろな意見がありますが、私は必要な範囲で妊活していることを伝えるようにしていました。
そうすると、無用な詮索を避けられるだろうという意図もあったためです。さらに、妊活していることを伝えていると「実は私も…」と友人から新たな情報を得られるというメリットもありました。
そうした中で、たまたま同時期に不妊治療をはじめた学生時代の友人に再会します。彼女とは定期的に会いながら、不妊治療のままならない思いを共有していました。そんな彼女がある日、体外受精にステップアップしたことを教えてくれたのです。
私としては「どんな治療なのか」「不安はなかったか」など興味津々。とくに「採卵は痛くなかったか」と、気になっていることをどんどん質問していきました。すると友人は、「痛かったらステップアップしない?」と逆に質問をしてきたのです。
そういわれてみると、「おそらく痛かったとしても私はステップアップするな」と思うのです。すると、気持ち的にはステップアップに向かっているのだなと、友人との会話をきっかけに気づくことができました。
【顕微授精スタート前】不安に感じたことは、治療への恐怖心とリスク
夫とも話し合い、ステップアップを決めたものの、治療への不安はたくさんありました。ここからは、顕微授精をはじめる前にとくに不安を感じたポイントを紹介していきます。
採卵が痛そうでとにかく怖い
ステップアップを決めたときは、採卵の痛みについても腹をくくっていたつもりでした。しかし、怖いものは怖い…。あんなに長い針をどうやって卵巣に刺すのか…、説明されればされるほど恐怖心は増すばかりでした。
とくに、この恐怖心は2回目に顕微授精を行ったクリニックで襲ってきました。というのも、はじめて顕微授精を行ったクリニックでは、局部麻酔をして採卵する方式をとっていたのです。そのため、痛みに関する不安は最小限ですみました。
しかし、2回目に顕微授精を行ったクリニックの採卵での方針は、無麻酔で行うというもの。針が細く設計されているとはいえ、痛くないはずがないと不安で不安で仕方がありませんでした。
関連記事→体外受精とはどのような不妊治療?大まかな流れやよくある疑問
排卵誘発剤の注射が怖い…
はじめての顕微授精では、1回の採卵で複数個の卵子を採取する「高刺激法」を希望しました。私は「多嚢胞性卵巣症候群」のため、医師からは体質的にあまりすすめられないといわれていたのですが、「たくさん卵子があったほうが安心」と高刺激法で行ってもらえるようお願いしたのです。
こうして自分で希望しておきながらも、不安に感じたのは、卵子を複数個育むために行う排卵誘発剤の注射の痛みです。医師からは自己注射もできることを教えてもらいましたが、この方法は取らず。必要な期間は毎日注射に通うことで、少しでも不安を軽減させることにつとめました。
とはいえ、周囲には自己注射をしている人のほうが多かったのも事実…。慣れれば通うよりもラクだったのかな?とは思っています。
先天性異常などのリスク
顕微授精について調べていくと、先天性異常のリスクに関する情報を目にすることもありました。また、ほかの治療に比べると歴史が浅いため、将来的な不安を指摘するような内容の記事を目にしたこともあります。
ステップアップの覚悟が決まるまでは、こうした記事を見つけては不安になっていました。
しかし、ステップアップを決めてからは「そういった懸念点もある」くらいでとどめておき、あまり情報に接しすぎないようにしていました。
また、「妊活している」と必要に応じて周囲に伝えるものの、どういう治療なのかは信頼のおける人以外には話しませんでした。というのも、一度ふと知人に高度不妊治療について話したところ、先天性異常のリスクについて真剣に話されてしまったことがあったからです。
相手にとってはこちらを思っての話だったとは思いますが、いつ頃の情報なのかも分からず、ただただ不安をあおられた結果となりました。このあたりは、なるべく自分が傷つかないよう、情報を精査していたように思います。
【顕微授精スタート後】不安だった気持ちはこう変化した
さまざまな不安を抱えたままスタートした顕微授精でしたが、1つ1つ治療を終えていくと、気持ちにも変化があらわれました。ここからは、実際に顕微授精を行って感じたことや不安な気持ちがどのように変わっていったかについてまとめていきます。
採卵は「麻酔ありなら痛くない」「無麻酔だと少々痛みあり」
まずは、採卵についてです。前述のとおり、私ははじめての顕微授精では局部麻酔を使い、2回目は無麻酔で採卵を行いました。
結論からお伝えすると、局部麻酔をすると「処置をされている」という違和感はあるものの、痛みは感じませんでした。一方で私の場合は、無麻酔だと「器具で刺されている」という痛みに、思わず背中をのけぞらせています…。
ただ、無麻酔のときは低刺激法だったため採卵数が1個と少なく、処置自体はあっという間に終わりました。また、麻酔から醒めるまでの回復時間も必要なかったため、終わってからの体への負担は無麻酔のほうが少なかったです。
メリット、デメリットはそれぞれにありましたが、もしもう一度採卵をするのであれば、私は卵子の数で麻酔のあり・なしを決めると思います。複数個の採卵をするのであれば局部麻酔を、1~2個なら無麻酔を選択するだろうと考えています。
排卵誘発剤の注射は看護師さんによって痛みが違う
続いて、排卵誘発剤の注射について。不安を解消するべく、私は通院での注射を選択しましたが、これはどの看護師さんが担当されるかによって痛みが違いました。このあたりは、一般的な注射と同じではないかなと思います。
毎回お尻に注射をされるのですが、処置が連日続くときには、左右交互に打ってもらうようにしていました。止血用の絆創膏をはがしてしまうと前日にどちら側に注射したかを忘れてしまうので、できるだけはがさずにいたのも、恥ずかしながら小さな私なりの工夫です…。
おひとり、注射をされているのに気がつかないくらい流れるような処置をしてくださった看護師さんもいました。「ここのところ暑いわよね~」などと世間話をしていたかと思ったら、ぷすりと刺し、あっという間に終わっていたのです。私の中で「女神」と呼んでいたこちらの看護師さん。担当していただけるときには、心の中でガッツポーズをしていました。
先天性異常のリスク。出生前診断、正直、私は…
最後に、先天性異常のリスクについて。妊娠がわかってからは、医師から出生前診断をするかどうか尋ねられました。
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