子どもを産めない体、夫婦二人で生きていく決断、夫と死別。“ひとりになった私”を支えているものとは【子どものいない女性の生き方】
「子どものいない女性のリアルな人生ストーリーを示すことは、同じ立場でこれからの生き方に悩んでいる人たちの道しるべになる」と語る、子どものいない女性を応援する「マダネ プロジェクト」主宰者・くどうみやこさん。
人生の少し先を歩んでいる60代の先輩「グランマダネ」たちから、子どものいない人生に至った経緯や子どものいない人生を受け入れるまでの道のりなど、リアルな人生ストーリーを伺いました。くどうさんの著書『誰も教えてくれなかった子どものいない女性の生き方』より抜粋して紹介します。
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家族に翻弄されながらもカウンセリング講師に
N・Nさん(62歳・独身・カウンセラー)のケース
N・Nさんの歩み
何を聞いても真摯に答えてくださったNさん。カウンセラーという仕事柄、家族の関係性や自分の周りで起こることを受け止め、意味づけされている生き方に力強さを感じました。
【主な出来事】
28歳のとき5つ上の夫と職場結婚し、ケイマン諸島に赴任。帰国後は語学力を生かして、子ども英語教室に勤務。30代後半に病院で妊娠するのは難しいと診断され、子どもをあきらめるが、のちに誤診だったと知る。56歳のときに夫が突然他界。現在はカウンセラーの仕事をしながらゆったり暮らしている。
<N・Nさん歩み年表>
幼い頃から考えていた自分の家族像
「結婚して家庭を築き、堂々といられる場所が欲しい」
そんなふうに子どもの頃から強く思っていました。というのは、幼い頃からわが家には家族以外の人が常に同居している状況だったのです。
叔母やいとこなど、それぞれ事情があってのことでしたが、ずっと親戚の誰かが一緒に住んでいました。幼いながら家にいても気を遣うことが多く、家庭内で小さないざこざを目のあたりにしていました。
だから私は結婚して自分の家庭を持ち、どうしてこの人がここにいるの?と言われない立場になりたい。家族以外の人が身を寄せると、その家に迷惑をかける。私は絶対によその家の世話にはならないと決めていました。
結婚後、夫の海外赴任に帯同。帰国後は子どもと関わる仕事に
大学卒業後は建設会社に就職。海外事業部に配属され、仕事はとても面白かったです。
頑張って働いていましたが、会社は完全な男社会。どんなに頑張っても女性は役職には就けない。それでも海外事業部で働いていたので、私も海外に行きたい、現場を見たいという願望を持っていました。
でも、女である私は仕事で海外に行くことはできない。だったら海外赴任できる男性と結婚して、海外に行くのが近道かもしれないと思いました。もちろんそれだけが目的ではありませんが、28歳のときに5つ年上の夫と職場結婚をしました。
1年後、夫の赴任先になった、イギリスの海外領土であるケイマン諸島に行きました。子どもはできたらできたでいいけれど、海外に来たばかりだから、すぐにできたら困るとは思っていましたね。実際、夫は毎日夜中まで働いている状況で、忙しすぎて子どもどころではありませんでした。
5年ほど駐在して日本に帰国したあとは、英語ができたので、子ども英語教室の講師として働き始めました。下は3歳から上は中学生まで、小学生のクラスを受け持つことが多かったのですが、クラスの生徒には愛情を持っていました。
「最近元気ないけれど何かありましたか?」とお母さんたちとも話をするし、自分の子どものようにかわいかったです。
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大人世代のライフスタイルからマーケティングまで、時流やトレンドをとらえた独自の視点で情報を発信。近年は子どものいない女性を応援する「マダネ プロジェクト」を主宰。自分らしく自由で軽やかに過ごすライフスタイルを理想に掲げ、新たな価値観や生き方を提唱。これからの大人スタイルを追求している。著書に『商品PRのやり方が面白いほどわかる本』(中経出版)、『誰も教えてくれなかった 子どものいない人生の歩き方』(主婦の友社)がある。マダネ プロジェクト「つながるサロン」(子どものいない女性限定) GoodMorning by CAMPFIRE (https://community.camp-fire.jp/projects/view/446996)
マダネ プロジェクト https://www.madane.jp/
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