35歳からの妊活★不妊治療が長期戦になっている方へ…。その孤独感、つらさを、気軽に話せる相手はいますか?【一陽館薬局の子宝漢方NEWS】
漢方薬局に相談に来られる方のなかには、長年にわたって不妊治療を続けてきた方もいます。不妊治療が長引いているということは、治療がうまくいっていないということ。
今回はそういう長いトンネルに迷い込んでしまった方へのお話です。
治療が長引く人の孤独感や孤立感を少しでも軽く
治療が長く続いている場合、現状に対して100%満足している人はいないでしょうし、満足よりも不満の割合の方が大きいだろうと思います。
山あり谷ありの経験をしてきて、「治療をあきらめようか」と何度もくり返し考えてきたのだと思います。ここまでの大変さ、つらさは、他人が簡単に想像できるようなものではないでしょう。
お話を聞いていると、「私からなんとお声がけをしたらよいのか…」「どんな言葉をかけても、支えにもならないのでは…」と思ってしまうケースもあります。そのような方ほど、治療についてだれかと話す機会が少なくなっているので、その孤独感や孤立感を少しでも軽くできれば、という思いで漢方カウンセリングを行っています。
長く治療していることによる悪影響とは?
不妊治療が長引いている人に共通してみられるのは、「治療の回数を重ねるほど、成果があがらなくなってきている」ことです。
体外受精で、採卵を2回、3回と続けていくうちに、採れる卵の数が減っていったり、質が下がったり、育ちが悪くなってしまったり。
同じ排卵誘発剤を使っているのに、以前と同じような効果を得られないので、さらに薬を追加します。そうすると、いったん持ち直したように見えますが、しばらくするとまた反応が得られなくなって、また薬を追加する…という悪循環が続いてしまうのです。
そういう状況の方が、治療の成果を少しでも高めたいと、漢方に目を向けられ、相談に来られることがよくあります。
同じ治療をしているのに、なぜ成果があがらない?
このようなときに私からお話しするのは、「同じ治療をしているのに、なぜ反応が落ちるのか、成果があがらないのかを考えてほしい」ということです。
理由の一つにとして考えられるのは、まず年齢的な問題があります。年齢の上がることで採卵できる卵の数が減るということはあります。ですがこれは、残念ですが抗えないことです。
ほかに考えられるのは、長期間、薬を使い続けていることによる副作用です。排卵誘発剤の使用によって子宮内膜が薄くなる場合があることは、ご存知の方も多いでしょう。ですが、卵子がどれだけ採れたか、質はどうだったかといったことばかりに注目してしまって、その副作用についてはあまり目を向けない方が多く見られます。
漢方的に見ると、副作用をないがしろにすべきではないのです。なぜなら、質の良い卵子がたくさん採れたとしても、子宮内膜が着床にふさわしくない状態であれば、結果的に妊娠はむずかしくなります。卵子の発育だけでなく、子宮内膜の状態も同時に考えなければ、妊娠はうまくいかないのです。
自分が使っている薬について、副作用も調べてみる
長期間不妊治療を続けている人に話を聞くと、治療を始めてから子宮内膜が薄くなったり、経血の量が減っている、と感じている人は少なくありません。そして残念ながら、こうした状態はすぐに回復するものではありませんし、必ず回復するとも言い切れないのです。
今はインターネットでお薬の情報を知ることができますから、情報を自分なりに調べ、薬局でお薬をもらう際、薬剤師にくわしく説明を求めてみましょう。効果だけでなく副作用もふくめて確認をしたうえで、薬を服用することも大切だと思います。
長引く不妊治療…治療以外の原因にも目を向けて
治療が長引いているのは、結果に至らないなんらかの理由があるということが考えられます。その理由は、「卵の数がとれなかったから」「卵がうまく育たなかったから」といった、治療そのものにもあるでしょう。
ですが、「治療」という分野以外にも、原因がないか考えてみてください。体調面や生活などにも、改善できる余地が見つかるのではないでしょうか。
たとえば、仕事と家事で常に時間に追われながら何年も治療をしてきたのに結果が出ないなら、少しゆっくりした時間が持てるよう、ステップダウンしてみてもいいかもしれません。体力がない、疲れやすい、ひどい冷え性があるといった体調面に不安があるなら、その部分に目を向けて改善する努力をすることも必要だと思います。
ただ単に治療の回数を重ねていくだけではなく、そういった不妊治療以外の部分に目を向け、うまくいかない理由を考え直すことは意外とたいせつなのです。
仕事が大好き、でもそれがストレスになっていた!
以前相談に来られた方で、お仕事が大好きで、性格的にもとことんやらないと納得できないというタイプの女性がいました。
職場の人から見ると、仕事熱心でとてもありがたい人なのでしょうが、その影響はダイレクトに体調に表れていて、毎日頭痛があって、痛み止めを飲みながら妊活も仕事も続けていらっしゃいました。気づくとAMHは低くなっていて、でも仕事も好きだからやめられない、それでも子どもがほしいと…。
この方の場合、不妊治療がどうこうという問題ではなく、仕事が体に大きな負担になっているのは明らかでした。
でも本人は仕事の影響とは思っていなかったのです。そこで、「いま、仕事と妊活、どちらを優先するか決めましょう」とお話しました。
その結果、ご本人も納得されて、思い切って年単位でお仕事を休むことに決めました。その間、漢方を飲みながら体調をととのえ、体調もよくなってきたころ、無事に妊娠することができました。
悩んでいる人のポケットのような存在に
長い治療のなかで、非常に理不尽な経験をされたというケースもよくお聞きします。本来は怒ってあたり前の出来事なのに、怒ったところで状況が変わるわけではないので、その出来事に対してなんの感情も持てなくなってしまっているような方もいらっしゃいます。
ですから、ご本人が本来抱くであろう感情を、「それ、ひどいですね~」と、私たちが直接ことばにするということも、とても大切だと思っています。ご自身がほんとうは言いたかったことを第三者が伝えることで、気持ちが軽くなりやわらぐこともあります。私たちの言葉がきっかけとなって、ほんの少しでも本音が話せればいいんです。
私たちのような街の漢方薬局が、悩んでいる方のポケットのような存在になれたら、と思います。つらいこと、悲しいことがあったとき、気軽にしゃべれて、そのかたを包んであげられるような存在。「ポケットがあってよかった」と思っていただければうれしいですね。
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取材・文/加藤夕子(リワークス)
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薬剤師。女性の体に特化した専門性の高い漢方と、豊富な経験による適切なカウンセリングで支持を得ていいる。1999年正倉館薬局、2004年に一陽館薬局 八木本店を開局。17年に一陽館薬局 学園前店を開業。最新刊『ストレスフリーな妊活で授かりたい』(主婦の友社)が好評。
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