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不妊治療・妊活のクリニック探し・情報収集ならあかほし 不妊治療コラム 本格的な治療に入る前に知っておこう。不妊の原因となる疾患と治療【フェニックス アート クリニック】

本格的な治療に入る前に知っておこう。不妊の原因となる疾患と治療【フェニックス アート クリニック】

2023/08/01 公開
2023/10/05 更新

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監修
フェニックス アート クリニック
院長
藤原 敏博 先生

⇒フェニックス アート クリニック
婦人科合併症を持つ不妊治療の権威の医師×日本最高水準の胚培養士により最適な治療で難治症例に向きあう

原因が分かれば、治療できる!知っておくと安心です

不妊治療が保険適用になり、不妊に関する知識も今や多くの人々に浸透してきました。不妊の原因の約半分は男性にもあるというデータについても、すでにご存知のかたも多いと思います。

WHOの調査では、女性のみに原因があるのが41%、男性のみに原因があるのが24%、男女ともに原因があるのが24%。「自分はだいじょうぶ」だと思わず、まずはしっかりと検査を受けることが大切です。

そして、いざ検査を受けると、思いも寄らない原因が発覚する場合もあります。たとえば、不妊に悩む女性の約半分にあるといわれている子宮内膜症。

おもな症状として生理痛がありますが、痛みの程度の差はあるものの、生理痛の悩みを抱えている女性は多いため、特に気にすることなく過ごしてしまっていることも多いです。また男性の不妊症は自覚症状がないことが多いので、精液検査で結果を見るまで分からないことがほとんどです。

女性も男性も自分に原因があることが分かると、落ち込んでしまうかもしれません。しかし原因が見つかったということは、そこを治療をすれば妊娠へ一歩近づくということ。前向きにとらえて治療へ進みましょう。

検査をしても原因が見つからない!?原因不明不妊

女性の不妊の原因には、排卵因子や卵管因子、子宮因子など、検査をすることによって原因がわかるものもありますが、実は検査をしても原因が見つからない「原因不明不妊」もあります。

かつては「原因不明不妊」が不妊症の10~15%を占めるといわれてきましたが、最近は大幅に増えていることが推定されています。

というのも、原因不明不妊は夫婦の年齢が上昇すると一般に割合が高くなることが報告されているためです。これは加齢にともなって、卵子や精子の質に問題がでてくることが原因だと考えられており、近年の不妊治療の高齢化によって原因不明不妊が増えていると考えられています。

不妊の原因となるおもな病気と手術法

●子宮内膜症

【どんな病気?】
子宮内膜は本来子宮の内側にあるも 本格的な治療に入る前に知っておこうのですが、何らかの原因で子宮内膜またはそれに似た組織が別の場所で発生し発育することがあります。

これが子宮内膜症で、20~30代の女性で発症することが多く、そのピークは30~34歳にあるといわれています。

【おもな症状】
子宮内膜症の患者さんの約90%にみられるのが生理痛。ほかにも、腰痛、下腹痛、排便痛、性交痛などもあります。

【不妊になる理由】
お腹の中で癒着が起こることで卵管が機能しなくなったり、排卵がうまくできなかったり、着床を妨げたりします。

●卵巣嚢腫

【どんな病気?】
卵巣嚢腫は卵巣にできる腫瘍の一つで、卵巣腫瘍の8~9割は卵巣嚢腫です。卵巣内に液体や脂肪がたまってしまう良性の疾患で、触るとやわらかい特徴があります。卵巣嚢腫はチョコレート嚢胞など4つの種類があります。

【おもな症状】
卵巣嚢腫が小さいうちは自覚症状はなく、生理も順調です。卵巣嚢腫は20~30cmほどの大きさになることもあり、大きくなってからお腹の張りなどの症状があります。ただしチョコレート嚢胞は小さくても月経困難症などの症状が出ることがあります。

【不妊になる理由】
チョコレート嚢胞は、排卵が起こりにくくなったり、卵管内が癒着したりします。卵巣機能に影響が出て、質のいい卵が減ったり、排卵できなくなったりなどが起こります。

●多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)

【どんな病気?】
卵巣のなかで卵が排卵にむかって大きくなるはずの卵胞がなかなか大きくならず、排卵が起こりにくくなる疾患。卵巣の中が成熟する前の小さな卵胞でおおわれてしまうのが特徴です。

【おもな症状】
生理不順や不正出血、無月経などがあります。

【不妊になる理由】
排卵がおこりにくくなります。

●子宮筋腫

【どんな病気?】
小さなものも含めると30歳以上の女性の20~30%にみられる子宮筋腫。複数個できることが多く、人によって数や大きさ、できる場所はさまざま。粘膜下筋腫(子宮の内側)、筋層内筋腫(子宮の筋肉の中)、漿膜下筋腫(子宮の外側)があります。

【おもな症状】
おもに生理痛と経血量が多くなることです。症状はできる場所と関係があり、子宮の内側にできた筋腫は小さくても症状が強く、逆に子宮の外側にできた筋腫は大きくなっても症状がでない傾向があります。

【不妊になる理由】
特に粘膜下筋腫は子宮内膜にダメージを与え、受精卵の着床を妨げる原因になります。

●子宮内膜ポリープ

【どんな病気?】
子宮の内側に突出してできる腫瘍。比較的よくみられる疾患で、一般的には良性腫瘍であることが多いです。数ミリ程度のものから、直径3~4センチのものまでさまざまなサイズがあり、多数のポリープが見つかることもあります。

【おもな症状】
症状がないことも多い疾患です。生理痛や経血量が多くなる、不正出血が起こるなどの症状がみられることもあります。

【不妊になる理由】
ポリープの位置によっては、受精卵の着床をさまたげます。

●卵管狭窄・卵管閉塞

【どんな病気?】
卵管が狭くなっていたり(卵管狭窄)、卵管が詰まっている(卵管閉鎖)状態のこと。子宮内膜症やクラミジア感染症などによって、卵管に炎症が起こることが原因です。

【おもな症状】
自覚症状はなく、子宮卵管造影検査などで調べることができます。

【不妊になる理由】
卵巣から排卵された卵は卵管で精子と出会いますが、卵管にトラブルがあると受精できなくなってしまいます。

<<手術法>>

●腹腔鏡手術

治療できる疾患:子宮内膜症、子宮筋腫、卵巣嚢腫お腹に複数の小さな穴を開け、そこから器具やカメラを通してモニターを見ながら行う手術。術後の痛みが少なく、回復も早いです。

●子宮鏡下手術

適応となる疾患:子宮筋腫、子宮内膜ポリープ膣から器具やカメラを通して行う、子宮内に病変がある場合に行われる手術。お腹を切る必要がないので、体への負担が少ないです。

●卵管鏡下卵管形成術(FT)

適応となる疾患:卵管狭窄、卵管閉塞膣から器具やカメラを挿入して、詰まった卵管を広げる手術。お腹を切る必要がないので、体への負担が少ないです。

<男性のおもな不妊原因:精索静脈瘤>

【どんな病気?】
精巣やその上の精索部にこぶができる病気で、男性の約15%に見られます。血流が悪くなっているため睾丸の温度が上昇し、精子をつくる機能に影響します。精子の数、運動性あるいは頭部のDNAの損傷などが起こります。

【おもな症状】
ほとんどが無症状です。

【手術法】
こぶの原因となっている逆流する精巣静脈をしばって、血管を遮断します。

<男性のおもな不妊原因:無精子症>

【どんな病気?】
精液中に精子が見当たらない状態。精子はつくられているものの、精子の通り道がふさがっている「閉塞性」と、通り道はあるものの精子がつくられていない「非閉塞性」があります。

【おもな症状】
無症状です。

【手術法】
精子がつくられていない場合、陰嚢を1センチほど切開して、精巣内の組織を採取して精子を探し出す「TESE」が行われます。精子の通り道がふさがっている場合は「精路再建術」が行われますが、場合によっては「TESE」も同時に行われます。

『赤ちゃんが欲しい(あかほし)』は、主婦の友社が運営する妊活・不妊治療のお悩み解決メディア。ドクターや専門家監修の信頼コンテンツを中心に「妊娠したい」を全力サポートします。全国のクリニックや施設の検索もラクラク。

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