3ページ目（3ページ中） | 産後の生理再開を待たずに分かった妊娠。夫婦で悩んで悩んで決めた結論とは【彼女たちの中絶手術とその後】

12週以降に中絶した赤ちゃんには死産届が必要になるため、退院日に役所で手続きをしました。（妊娠12週以降の胎児を死産した場合に、死産後７日以内に死産届を原則父親が役所へ届け出る必要があります。）

書類などの記入は夫に任せ、待合スペースで小さな箱に入った赤ちゃんと一緒に、涙をこらえて待ちました。火葬許可を得られたら、次は夫が調べてくれた葬儀場へ。道中も赤ちゃんを抱えていましたが、「これが本当に最後のお別れになってしまう…」と思った瞬間、こらえていた涙が止まらず、嗚咽と吐き気も感じるほどでした。

葬儀をすることは、精神的に難しく火葬のみ。火葬中も心が押しつぶされそうで、自分が生きていることさえ罪に思えるほど辛くてたまりません…周りに人がいたのに涙が止まることはありませんでした。夫が背中をさすってくれたり、手を握ってくれたりと、ずっとそばにいてくれて、やっと座っていられるという状態。この瞬間が人生で最も辛い時間だったかもしれません。

骨壺はお寺に預け、一年経った今でも毎月必ずお参りに行っています。

天国で元気に遊んでいることを願っていますが、赤ちゃんが夢に出てくることもあって、私の中では完全に消化されていません。一緒に悩みを共有でき、支え合える夫がいることはとても救いになっていますが、もう二度とこんな思いは絶対にしたくない。その後、私は低用量ピルを服用しはじめました。

【ドクター解説】妊娠12週以降の中絶は負担がより大きくなります

妊娠12週以降は薬で陣痛を起こす「お産」の状態になりますし、赤ちゃんもは小さいとはいえ人の形が分かるので、ピンクさんのご経験はさぞお辛かったでしょう。

出産後、生理がまだ再開していなくても、出産後の最初の排卵で妊娠する可能性はあります。出産後、しばらくは生理不順であったり、無排卵月経のこともありるので、避妊に対する意識があまりない時期かもしれないですね。

出産後、半年経てば避妊のための低用量ピルを飲むことができますので（授乳しない場合は３週間後以降）、それまではパートナーにも協力していただいてしっかりコンドームを使う、ちゃんと避妊できたか心配であればアフターピルを内服するなど、その後の妊娠を望まない場合、出産後は早い時期から避妊を意識する必要があります。

中期中絶手術とは？

妊娠12週以降の中絶は「中期中絶」といい、１〜２日で（だいたいは一晩ほど）子宮口を拡げる処置（子宮口に拡張器具を留置）をして、陣痛を起こすための腟錠を数時間ごとに挿入します。

１〜２錠で娩出される場合もあれば、数日かかる場合もあります。麻酔で眠っている間に5〜10分で終了して、その後１〜２時間ほどで帰宅できる初期中絶手術と違い、時間がかかり痛みを伴うため、精神的負担がより大きくなります。

妊娠を希望しない時期は避妊するのが何よりですが、妊娠した場合は、できるだけ早く気づけば中期中絶を避けることができますので、出産後の生理不順の時期は、生理が遅れていたら妊娠検査薬で確認したほうがよいでしょう。

ピンクさんにとってお辛いご経験でしたが、その後は避妊の意識を高めることに繋がりましたし、パートナーとの心の絆が強まったことは何よりかと思います。

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