赤ちゃんができにくい原因は女性だけって思ってませんか?約半数のカップルで男性側にも原因があります【ドクターに教わる妊娠基礎知識】
不妊の検査や治療を受けていたり、過去に受けた経験があったりする夫婦の割合は22.7%(2021年時点)。赤ちゃんを希望する年齢が高くなっていることもあり、不妊に悩む夫婦は増加傾向にあります。
今回は、山下レディースクリニックの院長・山下正紀先生に「妊娠の基本」に関する疑問に答えてもらいました。
実際には約半数のカップルで男性側にも不妊原因があります
日本産科婦人科学会では、不妊症とは「子どもを望んで避妊をせずに夫婦生活を1年続けても妊娠しない場合」と定義しています。つまり、1年できなければ、妊娠を妨げるなんらかの原因があると考えるということです。
ただし、ご夫婦の年齢や状況によって、この1年というのは絶対的なものではありません。1年待たなければ検査や治療ができないと誤解しないでください。
不妊症は、ひとつの原因からなる病気ではなく、さまざまな要因によって起こる「妊娠しにくい状態」です。昔から子どもができないと、その責任は女性だけに押しつけられてきました。ところが実際には、不妊に悩むカップルの半数は、男性側にも原因があるのだということを知っておく必要があります。
不妊治療は、妊娠しにくい体を「治す」のではなく、妊娠をめざす手助けをする医療と考えてください。
女性側のおもな原因
●卵胞が育たない、うまく排卵されない(排卵障害)
●卵管の通りが悪い(卵管障害)
●卵子をうまく卵管内にとり込めない(ピックアップ障害)
●子宮内膜が着床しにくい状態(子宮因子)
●子宮頸管粘液の量が少ない、質が悪い(頸管因子)
男性側のおもな原因
●十分な数や運動性のある精子がつくれない(造精機能障害)
●精子が外に出られない(精路通過障害)
そのほかの原因
●精子と卵子の問題で、受精が成立しない(受精障害)
●セックスができない(性機能障害)
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妊活スタート!治療の流れ
「赤ちゃんが欲しい」と思ったら妊活スタート。第一歩は病院探しから始まります。
1.まずはあなたにぴったりの病院を探す
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自分のライフスタイルにあった診療時間のクリニックかも合わせて確認しましょう。
あかほしの検索機能を使えば、9時前に診察OK、18時以降も診察している、土日祝も診察している、など条件からも探すことができます。
2. 予約(WEB予約をクリック)
受診するクリニックを決めたら、予約をいれましょう。WEBで予約をできるクリニックも増えています。初診だけは電話などで予約のクリニックもあるので、確認しましょう。
3. クリニックに行く/問診票に記入
予約した日程にクリニックにいったら、まずは受付&問診票に記入。問診票には、最終月経の状態、生活習慣、既往歴など検査に必要な質問項目に答えます。生理中でもできる検査もあります。
4. 先生によるヒアリング
事前に記入した問診票を見ながら、医師と直接話す問診タイム。日ごろから気になっていることなどはここで質問を。過去の病歴や、流産・中絶経験などもつつみかくさず正直に答えることが重要です。
5. 内診&超音波検査
外陰部の視診や触診、腟鏡を使って腟内の状態確認を内診台の上で行います。外側からは見ることができない子宮や卵巣の内部は超音波で検査します。不妊治療における超音波検査は、内科の聴診と同様の位置づけだと考えましょう。
6. 血液検査&尿検査
血液検査と尿検査は、ほとんどのクリニックで初診の時に行われます。不妊の原因になる疾患が見つかればその治療が優先されるので、初診で調べるのが基本。
7. 会計・次回の予約
ひととおり検査が終了したら待合室に戻ります。その後、会計をすませて初診の検査は終了。検査結果が出るスケジュールを聞いて次回の予約をします。初診時の多くの検査は保険が適用されますが、保険適用の有無は確認しておくと安心です。
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