2ページ目（3ページ中） | 「声楽家なのに歌を歌えなくなっちゃった…」切迫早産、ドクターストップ、面会制限のつらい日々【100人の妊活・不妊治療記＃017】

多忙が原因なの？着床出血にヒヤリ

病院で妊娠の陽性判定を受けてからも仕事は忙しく、２週間くらい動きっぱなしだったのですが、それがいけなかったのか、妊娠５週のときに出血が…。量は生理の終わりかけのような感じで、おなかは少しキリキリと痛みました。

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仕事で歌を歌うときには、おなかに力を入れるので、それもよくなかったのかもしれないですね。この日はいつにも増して忙しかったので、自分のせいで赤ちゃんに何かあったらどうしようと思うと、いてもたってもいられなくなり、急いで受診しました。

私の実家は福島県にあり、その当時は実家近くでの仕事が８割を占めていました。新幹線での移動も多く、依頼があれば多いときは月に３～４回、遠くの依頼先まで歌いに行くこともあります。本番が続くと、その間にリハーサルもあるので、そこでも長距離移動します。妊娠中にしては、すごく動いてしまっていたのだと思います。

その後は、できるだけおなかに負荷をかけないように過ごし、休めるときは休むようにしました。この着床出血を乗り越えたあとは、つわりもなく、しばらくの間はキラキラ妊婦ライフを過ごせていました。

陽性判定が出てから約１週間後の超音波写真。

切迫早産で絶対安静になり、歌も禁止に

いろいろなトラブルもありましたが、それでも妊娠中に仕事をやめようと思ったことはありません。妊娠６カ月のときには、自分で主催して、リサイタルを開催しました。胎動を感じられる時期になると、レッスン中に自分が歌うとおなかの赤ちゃんも動くんです。すごく幸せで、たくさん歌って聞かせてあげよう！ そう思っていました。

切迫早産になったのは、妊娠８カ月のときでした。ドクターストップがかかり、仕事を控えるしかなくなりました。歌うとおなかに力が入るうえ、歌っている間は２時間くらい立ちっぱなしになります。コンサート会場を往復するため、相変わらず新幹線にも揺られていました。

リサイタルのあとに３回ほどコンサートをやりましたが、病院で「歌うことも、移動することも、控えたほうがいい」と言われ、泣く泣く自宅で安静に…。おなかの赤ちゃんのためにも家でおとなしく過ごすことを徹底しました。

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以来、トイレと食事以外は、ほぼ寝たきり状態。しかも、歌うことすらできない。おなかの子にたくさん歌って聞かせたかったのに、それもかなえることができなかったのです。

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