4ページ目(4ページ中) | 正常値より0.2% 高いだけなのに治療が必要!? 甲状腺機能のトラブルって思ったより身近だった…避けるべき食材とは?
チラーヂンの服用と一緒に、昆布などの「ヨウ素」を多く含む食材はできるだけ控えるよう指示がありました。
ヨウ素は、甲状腺ホルモンには欠かせない栄養素なのだそうですが、過剰摂取すると体内で甲状腺ホルモンを作らない原因になるのだとか。
そう指摘されて自分の食生活を振り返ってみると、確かに昆布をよく使っていたのです。おもに、みそ汁を作るときの出汁として週に3~4日、多いときにはほぼ毎日使っていました。
この指摘からは、あることにも気がつきます。
それは、不妊治療クリニックでの検査前には昆布を食べ、専門病院の検査前には昆布を食べていなかったのです。
「0.1%でも数値が下がったのは、昆布を食べなかったからなのかな」と思い、この日から昆布などのヨウ素の多い食材は控えるように。具体的には、昆布を出汁で使わないこと、昆布が具材のおにぎりは選ばないように気をつけてみました。
ホルモン値が正常に。ようやく顕微授精がスタート!
甲状腺疾患の専門病院に行った3日後、再び不妊治療クリニックを訪れました。甲状腺機能の異常を指摘されて、ちょうど1週間後のことです。この日は改めて血液検査を行い、TSHの数値を見ていきました。
「この数値なら大丈夫でしょう」
診察室へ入ると、医師から早速血液検査の結果が告げられました。TSHの数値が、着床に適した数値内に入ったというのです。たった3日前に始まった治療でも、これだけすぐに反応があるものなのだと驚きました。甲状腺ホルモンは低すぎても高すぎても、着床に影響があるのだそう。
数値が正常値になったことで、やっと医師からも顕微授精に向けた方針が示されます。「初回は、低刺激で採卵を行い、新鮮胚移植を行っていく」とのこと。必要に応じて錠剤の排卵誘発剤を使いながら、1~2個の採卵を目指す方法が示されました。
こうして、約3週間後に採卵を実施。当日は1個の卵子を採取することができました。翌日病院に受精確認の電話を入れると、順調に成長しているとのこと。「明日予定通り移植を行います」と電話で告げられました。
低刺激での採卵から受精卵に。念願の…
12月30日なんとか年内、4分割まで成長した受精卵の移植が完了しました。このとき移植した受精卵は、グレード3Cだったかと思います。
その後、年明け早々に微熱のような体調不良が続き、次の診察で妊娠を示す数値が上がっていることが分かりました。医師も「着床していなければ上がらない数値なので、妊娠しているでしょう」とのこと。翌週に胎嚢が確認できたことで、正式に妊娠といわれました。
いろいろとエピソードはありましたが、すべて甲状腺機能の異常を指摘されてから、約1ヶ月半の中で起こったできごとです。
こう書くと甲状腺疾患の改善が妊娠に影響したように思えてしまいますが、実は1回目と2回目の顕微授精は採卵までのアプローチも、移植した胚の種類も異なります。そのため、甲状腺疾患だけが要因だったとはいいきれないと思っています。
ただ、少なくとも甲状腺疾患の治療をしたことはマイナスではありませんでした。遠回りなアプローチだとは思いましたが、少しでも妊娠の確率を上げるための治療だったのだろうと思っています。
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薬の服用は出産まで!ついに分かった甲状腺の疾患名とは
妊娠が分かってからも、甲状腺ホルモン剤であるチラーヂンの服用は続きました。医師からは「出産までは服用を止めないように」との指示。そのため、当時は月に1回程度のペースで甲状腺疾患の専門病院にも通院していました。
しかし、同院に3回通ったタイミングで、夫の転勤が決まります。どの病院も通院するだけならあまり負担はありませんでしたが、転院となるとさまざまな手続きが大変…。とくに、引っ越しで家を離れるため、各病院から郵送される紹介状を受け取れないかも、と毎回ヒヤヒヤしていました。
とはいえ、転院がプラスになったことも。
引っ越した先での病院で、ついに甲状腺の症状に疾患名がついたのです。
転院先の医師によると「あえていうのであれば、”甲状腺機能低下症”だろうね」とのこと。疾患名が分かったからといって治療法が変わるわけではないのですが、このときやっとスッキリしたのを覚えています。
さらに医師は治療や症状についても細かく教えてくれました。その内容を簡単にいうと、甲状腺ホルモンに関わるいくつかのホルモンがあり、そのバランスを薬で調整しているのだそう。わたしが服用していた薬にはそんな役割があったのです。
薬のやめどき。チラーヂンはいつ服用をやめる?
さて、転居からわずか1ヶ月後。今度は出産のために地元に戻ることになりました。もちろん、再度各病院から紹介状をもらい、実家のある県内の病院へ。総合病院での出産を決めていたため、甲状腺疾患は同じ病院内の内科で診てもらうことにしました。
この病院の医師に尋ねたのは、「薬の服用のやめどき」でした。1つ目の病院で出産まではやめないようにといわれたことを伝えると、「その指示に従って大丈夫でしょう」とのこと。事前に行った血液検査などの結果からも、このような流れになりました。
その後、無事に出産を終え、約11ヶ月間の甲状腺ホルモン剤の服用が終わりました。これだけ長い期間、薬を飲み続けたことは初めてでしたが、とくに副作用もなく過ごせていました。
不妊治療の経験がなければ、おそらく甲状腺機能低下症や水泡に気がつくことはなかったと思います。この症状が今後、わたしの体にどう影響してくるのかまだ分かりませんが、これからも折に触れて気を配っておこうと思っています。
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不妊の原因をひとつひとつ取り除いていった2年半
今回の甲状腺機能低下症もそうですが、私たち夫婦の2年半の妊活は、不妊の原因を1つ1つ改善していく取り組みでした。とくに顕微授精になってからはこの傾向が顕著で、「妊娠しにくいとされる原因を減らすことで確率を上げていくみたいだね」と夫とも話していました。
甲状腺機能低下症も、薬の服用によって数値が正常値になったことは、プラスの作用だったと思います。遠回りな治療のように思えても、実は近道だったのかもしれないですね。
私が治療していたころよりも、今のほうが甲状腺機能について書かれているクリニックが多いように感じますので、調べてみるとより分かりやすい情報に出会えるかもしれません。わたしの経験も参考になったらうれしいです。
※あくまで個人の体験です。治療や薬の処方などに関しては必ず医師に相談してください。
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