2ページ目（4ページ中） | 「絶対に陣痛なんだけど（怒）」野球好き実母のせいでギリギリセーフ？アウト？な出産に！【里帰り出産トラブル】

６回裏…だんだん酷くなる痛み…

４回に作新学院が５点を入れて、見事逆転！途端に上機嫌になった母は「ここで気を抜いたらダメよ！１アウトずつ丁寧にとっていきましょう」「遠慮せずにどんどん点を重ねたら、後が楽になるわよ！」などと画面の向こうの高校球児に声をかけています。いったいどこポジションで試合を見ているのか…。

私はというと、最初は「ちょっと痛いかも…」程度だった痛みが、だんだんと酷くなってきたのを感じていました。念のため痛みの間隔をはかってみると、15分間隔で１分程度の痛みがやってくる感じ。それも、思わず顔をしかめて体を丸めてしまうような、結構な痛みだったのです。

「ねぇ…すごく痛いんだけど…。これ、やっぱり陣痛じゃないかな…」と母に訴えたのですが、タイミングが悪かった…。相手の北海高校が１アウト１塁・２塁で点を入れるチャンス。作新学院は大ピンチ！「さぁ、ここが大切よ。ここを０点で乗り切ったら絶対に勝てるわよ」とピッチャーに向かって声援を送り続けている母に、私の声など届きません。というか、私の存在すら見えていないのかもしれません…

「あぁ…今は何を言っても無駄だなぁ」とあきらめモードに入った私。この回が終わるまで待つことにしました。運よく…というと聞こえは悪いですが、その後が続かず作新学院は０点で乗り切ります。

「よし！よく踏ん張った！さぁ、ピッチャーが頑張ったんだから、ここでもう１点追加しておきましょう」と、拍手をしながらテレビに向かって声をかけている母に、「ねぇ、お母さん。なんかさ、痛みがだんだん酷くなってきたんだけど…。それにね、15分間隔で１分間痛いのよ」と訴えましたが、「初産だからまだ産まれないわよ」とつれない返事。

「この人、子供と孫と高校野球、どれが一番大事なんだよ…」と、ほんの一瞬だけ母の人間性を疑いました。

画面の爽やかな球児たちに向かって「さぁさぁ、次の攻撃が大事よ！ここで点を取って！」と声をかける母。（次が大事って、私も今からが大事なんだけど…）痛みをこらえながら、心の中で母にツッコミを入れた私です。

８回裏…痛みのピークは最高潮

その後、痛みはだんだんと増していき、波が来たときには思わずうめき声が出てしまうほど。一方母は、７-１とひいきの作新学院がますます点差を広げてくれたので超ごきげん。「今日の晩はお祝いね。何を作ろうかしら」なんて言っているのですが、そんなこと、正直知ったこっちゃありません。

もうこれは絶対、120%、間違いなく、確実に陣痛！！となると、あの、ちょろちょろ出ていたものだって、尿漏れではなくて破水に違いない！そう確信した私は母に、「ねぇ、お願いだから病院に連れて行ってほしいんだけど。痛みの間隔が短くなっているし、痛み酷くなってるし、これ絶対陣痛なんだけど！」と、ちょっとキレ気味に訴えました。