2ページ目(2ページ中) | 感染力が高いのに、無症状は約80%の性感染症!「クラミジア感染症」もし感染したら、どうなる?どうする?【産婦人科医監修】
クラミジアは治療しないと、どんどん体の奥へと進んでいき(上行感染)、卵管や卵巣、骨盤腹膜などで炎症を起こします。特に卵管で炎症が起こると癒着を起こし、不妊や異所性妊娠(子宮外妊娠)の原因となり、女性の体や人生にとって大きな問題になります。
卵管や周囲の癒着は薬では治せません。卵管造影検査を受け、その程度や場所によっては手術、難治性であれば体外受精が必要になる場合もあります。今後の妊活ライフをスムーズにするために、ぜひ早期発見と早期治療を心がけましょう。
クラミジアが原因で起こる主なトラブル
●子宮頸管炎
腟に射精された精液の中にクラミジアがいると、子宮の下部である子宮頸管の粘膜に、感染による炎症が起きます。
この段階では無症状のことも多いのですが、おりものの量の増加やセックス時の痛み、不正出血などが見られることがあります。
●卵管炎
子宮頸管からクラミジアがさらに奥に侵入すると、感染が子宮から卵管に広がり、炎症を起こすことがあります。
これが卵管炎で、卵管がせまくなったり、詰まったりして(癒着)、卵子や受精卵の動きを妨げることがあります。
●骨盤腹膜炎
卵管の先は、おなかの中につながっているので、骨盤内の腹膜にまで炎症が拡大すると、骨盤腹膜炎が起こります。
急性期では発熱や下腹部全体に持続的な痛みがあり、腹膜を刺激されることで悪心や嘔吐が出ることがあります。
●子宮付属器炎
卵管炎が起こると、多くはその近くにある卵巣にも炎症が広がって卵巣炎となります。
この両方の炎症を合わせて子宮付属器炎と呼びます。卵管の通過障害、ピックアップ障害による不妊や異所性妊娠(子宮外妊娠)を引き起こす原因にも。
●肝周囲炎
骨盤内から上腹部まで炎症が進むと、肝臓の周囲に炎症を起こすことがあり、肝臓とほかの臓器が癒着します。
ここまでくると、下腹部痛と右側のみぞおち(上腹部)に激しい痛みが生じます。
知っておきたいその他の性感染症
●梅毒
現在でも年間で7,000例近く発生していて、ここ数年増加傾向にあります。世界中では毎年約200万人の妊婦さんが梅毒に感染し、約52万人で流産・死産や先天性梅毒児が発生したと推定されています。
感染すると主に陰部や口唇部、口腔内にしこりができ、また、股のつけ根部分のリンパ節がはれることも。痛みがないことも多く、治療をしなくてもいったん症状は消えますが、数ヶ月たつと全身に特徴的な赤い発疹が現れます。
●淋菌感染症
淋菌という細菌に感染することで起こる性感染症。クラミジア陽性者のうち約10%の人が淋菌感染症を合併しているため、症状がある場合には、クラミジアと淋菌の同時検査を行うことが望ましいとされています。
女性ではクラミジアと同様に、症状の出ない人が多く、約半数は無症状です。
またクラミジアと同様に上行感染で炎症が広がると、卵管性の不妊や子宮外妊娠の原因になります。
佐野先生からのアドバイス
婦人科のかかりつけ医を持ちましょう
「赤ちゃんが欲しい」と思ったときから、自分の体のチェックを始めましょう。体を見直してみると、妊娠のために何が不足しているかがわかります。
私が推奨しているのは栄養バランスです。栄養バランスが整ってくると代謝もよくなり、そしてなんといっても卵子が元気になります。
婦人科の病気は病院で検査することが必要です。検査の結果、治療が必要ならすみやかにとり組みましょう。かかりつけの婦人科医がいれば、いろいろな悩みをサポートしてもらえ、女性の生涯における継ぎ目のないヘルスケアができますね。
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