自覚症状がない場合も!妊娠に影響する性感染症を知っておこう【プレコンセプションケア講座】

「具体的な予定はわからないけれど、いつかは妊娠、出産をしたい」と考えているカップルに知っておいてほしいのが「プレコンセプションケア」です。
赤ちゃんを迎える夢に向かって、体と心を整える「プレコンセプションケア」を提唱しているフィーカレディースクリニックのオンラインセミナーにおじゃましてきました。
今回は「ケアすることがキレイの一歩」と題し、妊娠にかかわる感染症とその対策法、そして健康な体をつくり、キレイを保つための食事法を、フィーカレディースクリニック助産師・大濱恭枝さんと、管理栄養士・篠原絵里佳さんが講師。今日からはじめられることを教えてくれました。
妊娠したいと思ったらプレコンセプションケアシートでチェックを!
コンセプション=受胎という意味です。「いつか子どもを」と考えるなら、妊娠前から将来のことを考え、自分の心身の状態と向き合うことがプレコンセプションケアです。妊娠するためだけでなく、日々、健やかでキレイであり続けるためにも有意義なケアになります。
プレコンセプションケアがどのくらいできているかを確認できるチェックシート(国立成育医療研究センター「プレコン・チェックシート 女性用」)があります。全20項目のうち、いくつチェックがつくか確認してみましょう。
項目の中に「感染症から自分を守る」というものがありますが、これも妊娠を考える際にケアしておきたい重要なもののひとつになります。なかでも妊娠とより関係の深い性感染症について解説していきます。
【妊娠に影響する性感染症】知らない間に進行する感染症も…
今、性感染症にはエイズ(HIV)感染症、ヘルペス、尖圭(せんけい)コンジローマなど複数のものがありますが、なかでも感染すると妊娠に影響が出やすい梅毒、淋菌感染症、性器クラミジア感染症について解説します。
●梅毒(ばいどく)
最近、患者さんの数が急増している感染症です。口や性器などの粘膜や傷から梅毒トレポネーマという菌が入ることで感染。
最初感染した部位にしこりや潰瘍ができ、一旦治った後、最初の発症から3カ月後に手に発疹が出たりします。一旦症状が軽くなるため、放置して発見が遅れる、知らない間に他人を感染させてしまうことがあります。
妊婦さんが感染すると、胎盤を通して胎児がこの菌に感染することもあり、死産や早産、子どもの神経や骨、脳に異常をきたすことがあります。
●淋菌感染症(りんきんかんせんしょう)
淋菌という菌が原因で発症。潜伏期間は2~7日潜伏。膀胱炎や膣炎と症状が似ているのがポイントです。
症状としては黄緑色のおりものや排尿痛がみられますが、男性に比べて女性の症状はわかりづらいため、感染に気づきにくいといわれています。進行すると卵管炎、腹膜炎、子宮外妊娠などを引き起こしやすくなり、不妊の原因になることもあります。
また、妊娠中に感染すると、骨盤内感染症や流早産、破水などが起こりやすくなります。さらにおなかの赤ちゃんにも感染する可能性があり、赤ちゃんが失明や関節炎になることも。
気になる場合は婦人科へ。パートナーも一緒に検査を受けるようにしましょう。淋菌感染症も薬を飲むことでしっかり治すことができます。
●クラミジア感染症
日本人に最も多い感染症で、おもに10代~20代に多いといわれています。病原菌はクラミジアトラコーマという病原体で、性行為で粘膜の接触などで感染。女性は無症状のことが多いのですが、おりものの増加や頻尿などの症状がみられることがあります。
感染を放置したままにすると卵管に感染が起き、子宮外妊娠や不妊の原因になることも。また妊娠中に感染すると絨毛腹膜炎となり、流早産の原因にも。またおなかの赤ちゃんに感染する危険性もあります。
クラミジア感染症に感染していると梅毒や淋病など他の性感染症にかかるリスクが3~5倍に増えてしまうという研究結果もあるようです。
ただ婦人科を受診すれば簡単な検査で判明でき、お薬を飲むことで完治することができます。いつもよりおりものの量が多い、排尿時に傷むなど、少しでもいつもと違うと感じたら、婦人科を受診するようにしてください。
関連リンク:クラミジア感染症。治ったらもうかからない?
おかしい?と感じたらパートナーも一緒に受診をし、感染を広げないことが大事
紹介した3つの性感染症はいずれも女性の症状が分かりづらいという特徴がありますが、「排尿する時に痛い」「いつもと違う」と感じたらできるだけ早めに婦人科を受診することがポイントです。カップルのどちらかが感染したかもと思ったら、パートナーも一緒に受診することが何よりも大切です。
そしてこれらの性感染症の予防法として大切なのが、不特定多数の人と関係を持たないこと。
また、決まったパートナーがいたとしてもお互いが感染していないことを確認しておくこともポイント。すぐに妊娠したいという希望が無い場合はコンドーム使用して性交渉をすることも感染予防につながります。
自身の体や、生まれてくる赤ちゃんの健康を守ることができるのは自分だけです。妊娠を考えているなら、ブライダルチェックで性感染症に感染していないかチェックしてみましょう。
文/髙橋知寿
関連リンク:そろそろ赤ちゃんを考えるなら「ブライダルチェック」考えてみよう!
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佐野麻利子院長との2名の女性医師が、女性スタッフとともに女性ならではの目線を大切に診療。一般婦人科はもちろん、「プレコンセプションケア」に力を入れている。
「フィーカ」とはスウェーデン語で「ちょっとお茶でもしていきませんか」という意味。ブックカフェのようなくつろげる空間で、診察を待つことができる。働く女性のためのヘルスセミナーを院内で実施中。「女性ホルモンとの付き合い方」「キレイを作る食事法」は「ケアすることがキレイへの一歩」など、各回にテーマを設定しプレコンセプションケアへの学びを深めることができる(※予約制)。





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