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不妊治療・妊活のクリニック探し・情報収集ならあかほし 基礎知識 セックス中の「痛い」が起こる原因は?病院に行ったほうがいいのか知りたい!性交痛があるけど妊娠したい…どうする?【専門医監修】

セックス中の「痛い」が起こる原因は?病院に行ったほうがいいのか知りたい!性交痛があるけど妊娠したい…どうする?【専門医監修】

2023/06/23 公開

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セックス中に痛みを感じたことはありませんか?赤ちゃんが欲しいけれど、痛みがあってセックスはしたくない…と悩んでいる人もいるのではないでしょうか。痛みにはさまざまな原因があり、対処法もそれぞれ異なります。

性交痛の原因や受診の目安、治療方法、妊娠への影響などについて、産婦人科医でセックスセラピストでもある丹羽咲江先生に伺いました。

性交痛ってなに?どうして痛くなるの?

性交痛とは、セックスで挿入するときに、膣の入口やその付近、おなかの奥のほうに感じる痛みです。
原因は、痛みが起こる場所によって異なります。

膣の入口やその付近に痛みがある場合

炎症や感染症がある

クラミジア感染症などの性感染症や疲労、ストレスなどで免疫力が低下したりすると、腟やその付近の粘膜に炎症を起こして荒れ、痛みが起こります。

膣粘膜などが薄くなっている

ホルモンバランスが乱れて、女性ホルモンのエストロゲンの分泌が低下すると、腟の分泌液が減ったり、膣の粘膜が薄くなったりして痛みを感じやすくなります。

処女膜強靭症

生まれたときから処女膜が硬くて厚い場合は、膣の入口にある処女膜が狭く伸びにくいため、挿入時に痛みが生じます。

メンタル面

以前セックスした際の痛かった記憶や恐怖心がトラウマになると、挿入に対して緊張感が強く、筋肉が収縮します。その結果、膣の入口付近がすれて傷ついてしまい、痛みが出ることがあります。

おなかの奥の方に痛みを感じる場合

クラミジア感染症や子宮内膜症などによって、骨盤内の臓器に癒着が起こっていたり、子宮筋腫や卵巣腫瘍で圧迫されて痛みを感じる可能性があります。
–{痛みの原因は?それぞれ解説します}–

子宮内膜症

子宮の内側にある子宮内膜が、卵巣や卵管など骨盤内の子宮以外の場所にも発生し、そこで増殖する病気です。肺など、骨盤内から離れたところに発生することもあります。

子宮内膜症の症状として特徴的なのは、年齢を重ねるとともに月経痛(生理痛)が強くなることです。それ以外にも、月経血の量が多い、かたまりのような月経血が出る、鎮痛剤を服用しても治らないようなかなり強い月経痛などの症状があるほか、性交痛を感じる人も少なくありません。

子宮内膜症では、卵巣や卵管、子宮、腸などが癒着を起こすことがあります。そのため、卵巣から卵胞が出にくくなったり、卵管から出た卵胞がうまく卵管に取り込めなくなったり、受精卵を子宮に運びにくくなったりし、約50%が不妊になるといわれています。

性交時にお腹の奥のほうに痛みを感じるなどの症状があって、赤ちゃんを望んでいる場合は、婦人科クリニックを受診しましょう。

関連記事:凄絶!ひどすぎる腹痛の正体は「子宮内膜症」だった!【痛みレベル別&治療手術のリアル体験談】

卵巣腫瘍

卵巣の左右どちらにもでき、性交痛以外にもおなかが張る、下腹部痛がある、頻尿になるなどの症状があります。しかし、腫瘍がそれほど大きくないうちは症状が出ないことも多く、スカートやパンツのおなか回りがきつくなったことで異変を感じることも。

卵巣に腫瘍ができても月経が遅れたり、不順になったりすることはほとんどありませんが、性交痛を感じることが重なると、セックスがおっくうになってしまいます。また、悪性の場合が10%ほどあるので、定期的な健診を受けて早期発見できるようにしましょう。

関連記事:卵巣嚢腫がなんと11㎝も!腹腔鏡手術後、妊娠できる?

子宮筋腫

子宮筋腫は、子宮にできる良性の腫瘍です。子宮の内側にできる粘膜下筋腫、子宮の筋肉の中にできる筋層内筋腫、子宮の外側にできる漿膜下筋腫の3つがあります。

代表的な症状は、月経量が多いことと月経痛があることの2つです。そのほかに性交痛や頻尿などの症状が出ることもありますが、筋腫ができる場所や大きさによって、症状の出方は異なります。

もっとも症状が強いのは粘膜下筋腫で、それほど大きくなくても月経量が増えるなどの症状が出やすいのが特徴です。筋層内筋腫の場合は小さいうちは症状が出ないことが多いですが、大きくなると月経痛などの症状が現れます。漿膜下筋腫は子宮の外にできるため、大きくなっても症状が出ないことも少なくありません。

関連記事:子宮筋腫の手術。開腹手術と腹腔鏡手術について知りたいです

クラミジア感染症

クラミジア感染症は、性行為によって「クラミジア・トラコマティス」という病原菌に感染して起こります。子宮頸管に炎症が起きて、おりものが増えたり、下腹部痛を感じたりすることもありますが、約半分の人には症状が出ないため、気づかないことも多い病気です。痛みや違和感があって受診したときに、検査をしてみたら見つかったというケースも珍しくないことです。

気づかずにいると、子宮内膜や卵管、卵巣などにも感染が広がって炎症が起きることもあります。そこに癒着が起こると、性交痛を感じるだけでなく、不妊にもつながるので、早期発見が大切です。

関連記事:感染力が高いのに、無症状は約80%の性感染症!「クラミジア感染症」もし感染したら、どうなる?

性交痛があったら、どうすればいいの?受診したほうがいい?

性交痛があるのにそのまま我慢していると、セックスをしたくなくなったり、セックスに対して怖いという気持ちを持ったりするようになってしまいます。

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1991年名古屋市立大学医学部卒業。国立名古屋病院(現名古屋医療センター)、名古屋市立城北病院(現名古屋市立大学医学部附属西部医療センター)を経て、2002年咲江レディスクリニックを開院。日本産婦人科学会・日本性感染症学会・日本思春期学会会員、日本性科学会認定セックスセラピスト。セックス時の悩みの治療やパートナーとのコミュニケーションの取り方などをアドバイスしてくれる、日本では数少ないドクターです。

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