3ページ目(3ページ中) | 子どもを産めない体、夫婦二人で生きていく決断、夫と死別。“ひとりになった私”を支えているものとは【子どものいない女性の生き方】
突然の夫との別れ。子どもがいないからとにかく泣いた
夫は相変わらず仕事で多忙な日々。休日出勤も多くて、疲れがたまっている様子でした。その日の朝も疲れてしんどそうだったので、「今日は休めば?」と言ったら「今日は社長が休みだから休めないよ」と出勤しました。
いつも帰宅は遅いので、一人で夕飯を食べ終わった頃、病院から突然「すぐに来てください」と電話がありました。
仕事帰りに会社と駅の間で倒れていたそうです。心筋梗塞でした。
突然、61歳の夫を亡くしたことを受け止められませんでした。子どもがいたら、子どもの視線を気にすると思うのですが、子どもがいなくて家で一人だから、誰の目も気にせず泣くことができる。朝泣いて、昼泣いて、夜また泣いてと、とにかくつらくて毎日泣いてばかりいました。
葬儀や死後の手続きなどやらなければいけないことはしましたが、半年くらい用事以外はどこにも行きませんでした。
仕事や趣味で人にかかわることが、自分の心を支えてくれる
一周忌のときに夫の会社の社長から、私の仕事内容のことを知って、若手社員に向けてのコミュニケーション・トレーニングの依頼を受けました。だんだんそこから仕事に復帰して、少しずつ立ち直っていきました。
義母は勝気で個性的な人でしたが、子どもについては何も言われてこなかった。だから、そんなにこだわっていないと思っていたのですが、夫が亡くなって相続の問題になったとき、「あなたが跡取りを産まなかったからね」と言われ、チクッときました。
私との結婚も義母は反対していたので関係良好とはいえませんが、夫が亡くなったとき、健康管理をちゃとしていなかったと責められなかったことは救われました。
夫婦の間に子どもがいないと、夫が亡くなれば自分一人。そういうときに支えてくれるのは、自分を生かせる活動だと思います。仕事でも趣味でも何でも、人とかかわり、人の助けになるようなことをすると心の支えになります。
私も元気で生きていますから、皆さんも大丈夫ですよ。
子どものいない後輩たちへメッセージ
たとえば子どもが欲しくて、不妊治療をして授からなかったとしても、結果としてお金や時間をただ無駄にしただけではない。頑張ったことでわかったこと、やった人にしかわからないことがあるはずです。

何でも経験になるのですから、それを生かして、人の支えになるようなことができると思います。
やりたい趣味がないという人は、単純にやりたいものがないと嘆くのではなく、そんなに興味がわかなくても、まず習い事に行ってみる。仮にそれがあまり夢中になれない、なかなか上達しないと思っても、そこで気の合う人と知り合ったり、関係を築いていくことができたりします。
その人たちを通して、また違う世界が広がることもあるので、人とのつながりをつくることが大切です。
すぐに形にならないと無理だとか、だめだとか思わず、とにかく焦らないこと。“だめもと”くらいの気持ちで、一歩踏み出してみる。そうしていくうちに突然、何か出来事やチャンスが転がってくることがあります。
生き甲斐がないとすごくつまらない人生だと思ってしまうかもしれないけれど、そんなことを思う必要はないです。生き甲斐があるように見える人も、実際はいろいろ抱えていて、そうでもなかったりするものです。
40代、50代からでも十分、新しい方向に行けます。子どもがいないということを生かして、自分の支えになるような活動を焦らずに見つけてください。
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大人世代のライフスタイルからマーケティングまで、時流やトレンドをとらえた独自の視点で情報を発信。近年は子どものいない女性を応援する「マダネ プロジェクト」を主宰。自分らしく自由で軽やかに過ごすライフスタイルを理想に掲げ、新たな価値観や生き方を提唱。これからの大人スタイルを追求している。著書に『商品PRのやり方が面白いほどわかる本』(中経出版)、『誰も教えてくれなかった 子どものいない人生の歩き方』(主婦の友社)がある。マダネ プロジェクト「つながるサロン」(子どものいない女性限定) GoodMorning by CAMPFIRE (https://community.camp-fire.jp/projects/view/446996)
マダネ プロジェクト https://www.madane.jp/
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