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不妊治療・妊活のクリニック探し・情報収集ならあかほし 妊活ライフ 「子どもをあきらめたあとのほうがつらかった」その後、起こったのは人生観を変える出来事【リアルストーリー/子どものいない女性の生き方】

「子どもをあきらめたあとのほうがつらかった」その後、起こったのは人生観を変える出来事【リアルストーリー/子どものいない女性の生き方】

2023/11/27 公開

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そんなある日、二人でバイクに乗っていたら突然、右折の車が突っ込んできたのです。

私は衝撃で5m前方に飛び、肋骨と恥骨、腰の骨が折れました。夫は右ひじの脱臼骨折と靭帯断裂。二人とも入院して、退院後はリハビリ生活。せっかく仕事を始めたのに、ケガでやめなきゃならない。かなり気持ちがやさぐれました。

「子供のいない女性の会」へ参加

まだケガで体が思うように動けない頃でしたが、ネットで「子どものいない女性の会」が開催されることを知りました。日程は1カ月後。事故に遭って間もないけれど、回復したら行けるかな、もし無理だったらキャンセルしよう、とにかく何か楽しみや目標が欲しいと参加の申し込みをしました。

1カ月後、まだ完治はしていなかったけれど、なんとか参加することができました。会の中で子どもをあきらめた経緯などを話したのですが、当時の気持ちがよみがえってしまったようで、帰りにずーんとまた落ち込んでしまって…。バイク事故が衝撃的すぎて、子どもがいなくてつらかったことを忘れていた部分があったのに、なんだか引き戻されたようで沈んでしまいました。

そのときは自分のことを話すのが精一杯で、ほかの参加者の話が入ってこないというか、周りの話を聞ける余裕がありませんでした。

家に帰ってきて、気持ちが沈むのは思いがちゃんと浄化しきれていないからだと感じて、3カ月後に再び参加。今度は周りの話も聞けました。自分がつらかったときは、自分だけがつらいと思っていたけれど、私だけではないんだと気づきました。事情が異なるそれぞれの話を聞いていくと、いろいろな考え方があることを知り、何度か会に参加するうちに冷静に聞けるようになりました。

ひとりで落ち込んでいた不妊治療期間

体外受精を始めた頃から、誰にも言えない思いを吐き出し、気持ちを整理するために日記を書いていました。

今読んだら自分でも笑えるくらい、病んでいてヤバい(笑)。その頃はよくネットで不妊に関する記事やそれに対するコメントを見て、落ち込んでいました。

見なければいいのだけれど時間もあるし、つい見てしまう。マイナス思考をプラスに変えるといった内容の本もたくさん読んだのですが、気持ちはなかなか晴れなかったですね。

妊婦さんや子連れの家族を見たくなくて、外に行っても下を向いて歩いていました。そのうち、気持ちを変えようと思っても行動に移さないと何も変わらない、思っているだけではなくて何か行動しようと。その第一歩が「子どものいない女性の会」に参加することでした。

一人で考えていたときは、自分の中でグルグルと回っていて視野も狭かった。夫には何でも話せますが、子どものことは割りきっている感じだったので、少し孤独感もあったのかな。

私の場合は、同じ立場の人に話したことで少しずつ気持ちの整理がついたし、いろいろな話を聞いて視野が広くなったと思います。参加を重ねるごとに自覚できるくらい変わっていって、夫にも明るくなったと言われました。

「今を大事に」「二人で楽しむ」をテーマに

それから、バイク事故を経験したことで、打ちどころが悪かったら死んでいたかもしれない、明日の命はわからないから今を大事にしなきゃと思えたのは大きかったですね。

事故から1年後、リハビリをして元気になったら買おうと決めていた新しいバイクを購入。今度は安定感があって長時間乗っても疲れにくい、1000㏄の大型。この前は千葉県の房総半島を一周。来月は福島から新潟まで、これまでで一番の遠出をする予定。月一ペースでツーリングを楽しんでいます。

不妊治療をやめて3年。まだ気持ちの波はあったりしますが、子どものいない人生を受け入れつつあります。つらい気持ちからはひと通り抜け出したので、今は人の役に立ちたいと思っています。先日、不妊治療の末に子どもをあきらめた夫婦としてメディアの取材を受けました。

最初は夫婦で顔出しをすることにちゅうちょしましたが、別に悪いことをしているわけではない。私たち夫婦の生き方を知ってもらうことで、誰かのお役に立てたり、気持ちが軽くなったりする人がいるならと引き受けることにしました。見てくれた友人や親戚からは、よかったと感想をもらいました。

これからは“二人で楽しく生きる”をテーマに、子どものいない人生を歩んでいきます。

K・Rさんの歩み

小柄でおとなしい印象のKさんですが、お話を伺うと、芯のしっかりした女性。
落ち込んで引きこもっていた時期から脱却し、子どものいない人生を夫婦で向き合って送る姿に心を打たれます。

【主な出来事】
28歳のときに1つ年上の夫と出会い、30歳で結婚。
32歳のときに病院を訪れ、不妊治療を開始。
5年治療するが授からず、夫婦で話し合って不妊治療を終結。
39歳のときにバイク事故で入院。
リハビリ中に「子どものいない女性の会」に参加して視野が広がる。
現在は夫婦でバイクツーリングを楽しんでいる。

<K・Rさん歩み年表>

次回は、<体験談>子どものいない女性のリアルストーリー|ケース2をご紹介します

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【書籍情報】

『誰も教えてくれなかった子どものいない女性の生き方』(主婦の友社)
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大人世代のライフスタイルからマーケティングまで、時流やトレンドをとらえた独自の視点で情報を発信。近年は子どものいない女性を応援する「マダネ プロジェクト」を主宰。自分らしく自由で軽やかに過ごすライフスタイルを理想に掲げ、新たな価値観や生き方を提唱。これからの大人スタイルを追求している。著書に『商品PRのやり方が面白いほどわかる本』(中経出版)、『誰も教えてくれなかった 子どものいない人生の歩き方』(主婦の友社)がある。マダネ プロジェクト「つながるサロン」(子どものいない女性限定) GoodMorning by CAMPFIRE (https://community.camp-fire.jp/projects/view/446996)
マダネ プロジェクト https://www.madane.jp/

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