3ページ目(4ページ中) | 「天国に行けるといいなぁ」骨が残らないかもしれない…身長10cm小さな赤ちゃんの火葬。エコーで写った黒い影、産声のない出産、死亡届【わたしの死産体験談】
私は分娩台に横になり、明るい天井を見上げて、分娩室は命が「生まれる」場所だけではないことを考えました。今まで知らなかったことです。そんなタイミングで偶然、隣の分娩室から赤ちゃんの泣き声が…。
「なぜ私はここで生きていない赤ちゃんを分娩しなければならないのだろう」という悲しい想いと、「この子のために最後まで頑張ろう」という前向きな気持ちが混在するなかで分娩のときを迎えました。
分娩自体はとてもスムーズで、私の場合は痛みを感じることがありませんでした。子宮頚管を開いただけでするりと出てきてくれたのです。「親孝行な赤ちゃんだね」と声をかけてもらえて、嬉しさと悲しさでこっそりと涙を流しました。
身長10cmで生まれた我が子。手も足もくっきりと…
分娩後は次の日の退院まで病室でゆっくりと過ごしました。
ほどなくして、看護師さんや助産師さんが赤ちゃんを連れてきてくれました。身長10cmに満たない小さな体でしたが、手も足も指がくっきり。看護師さんが手作りしてくれたのであろう、綿のふわふわのミニベッドに横たわって帽子をかぶせてもらっています。
「この子がお腹の中にいたのかぁ」と不思議に感じました。助産師さんが「赤ちゃんへ母乳をあげること(ふりをする)もできますよ」と提案してくれましたが、未練が残ってしまいそうだったので丁重にお断りしました。
今回の死産は、母体のせいではないという話もありました。おそらく先天的な理由であるとのこと。寿命が短かっただけなのかなと素直に受け入れ、これ以上赤ちゃんに負担をかけたくないし、私自身が心身ともに疲れていたこともあり、詳しい検査はしないことに決めました。
退院日には、地下の安置室と思われる場所で小さなセレモニーもしてくださいました。主治医の先生や産婦人科の先生、助産師さんや看護師さんたちが次々に訪れて手を合わせてくれます。こんなに小さな赤ちゃんにここまでしてくれるのか…と感謝、感謝でした。
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死産後の手続きと火葬について

死産にともない必要な手続きがあり、そして火葬もおこないました。
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