最近の体外受精の主流⁈PPOS法を勧められましたが、どんな方法ですか?【多嚢胞性卵巣症候群の妊活お悩み】
今年、絶対妊娠したい!と不妊治療をスタートし、ステップアップも視野に入れて情報収集する方も多いでしょう。はじめての不妊治療に、素朴な疑問や不安は多いはず。
今回は、体外受精についての質問に、不妊治療専門ドクターが答えてくれました。
質問
PPOS法のメリット、デメリットを教えてください
PPOS法のメリット、デメリットを教えてください
質問者データ
●ママになりたいさん(37歳)妊活歴3年半
●多嚢胞性卵巣症候群/体外受精で治療中
アンタゴニスト法で体外受精を行っていましたが、多嚢胞性卵巣症候群のためOHSS(卵巣過剰刺激症候群)になり、医師から新たにPPOS法をすすめられました。
これはどんな方法ですか。メリット、デメリットを教えてください。
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ドクター回答
OHSSになりにくく、通院回数も少なめの治療です
OHSSになりにくく、通院回数も少なめの治療です
PPOS法とは、最近出てきた新しい卵巣刺激法です。体外受精では、hMG/FSH注射などの排卵誘発剤で卵胞を発育させますが、採卵前に排卵してしまわないように、併用する薬剤があります。
PPOS法では、排卵誘発の際に最初から排卵抑制効果のある黄体ホルモン剤を併用します。アクセルを踏みながらブレーキもかけるような感じで、暴走しにくいという利点があり、通院回数も少なくてすみます。
一方、アンタゴニスト法では排卵誘発剤で卵胞がある程度成長してから、アンタゴニストという排卵抑制剤を使いますが、この薬を長期間投与することは胚の質の低下にもつながるため、アンタゴニストの開始時期を見極めるために何度も通院する必要があります。
ママになりたいさんのように多嚢胞でOHSSになった方には、私もPPOS法をすすめています。
アンタゴニスト法にくらべるとOHSSになる確率も低いです。絶対にならないというわけではありませんが、トライする価値はあると思いますよ。
ただし、PPOS法のデメリットはその周期に新鮮胚移植ができないこと。黄体ホルモンの影響で、着床しない内膜になってしまうので、次の周期に凍結胚移植をすることになります。
保険適用後の体外受精、主流は「PPOS法」
体外受精の刺激法には高刺激法、低刺激法、自然周期法などの種類があります。
みなさん悩まれるところですが、年齢にかかわらず、AMHの数値がそれなりに高く、卵子が採れるポテンシャルのある方には高刺激法をおすすめしています。1日でも若いうちに高刺激法でたくさん卵子を採って、胚凍結したほうが早く妊娠される方が多いです。
高刺激法にもいろいろありますが、最近はやっているのが右のご質問でも紹介したPPOS法です。
この方法はアンタゴニスト法などとくらべて通院回数が少なくてすみ、通院スケジュールも組みやすいので、忙しい人に最適です。不妊治療が保険診療になってからは、採卵前の診察が3回しかできないので、この方法が非常にふえました。費用も比較的安くすみます。
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