卵巣の中にいっぱい…!多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)は治るの?妊娠を目指す場合の治療法を教えてください【不妊治療専門医監修】
多くの夫婦が抱える「赤ちゃんができない」という悩み。赤ちゃんを希望する年齢が高くなっていることもあり、不妊に悩む夫婦は増加傾向にあります。しかし、不妊治療には時間的なリミットがあります。治療内容をきちんと理解するためにも、疑問は解決していきましょう。
今回は、「多嚢胞性卵巣症候群」について山下レディースクリニック院長・山下正紀先生に教えてもらいました。
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【質問】多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)って治るの?
〈質問者データ〉
28歳
夫の年齢:30代
妊活歴:1年4カ月
既往歴:PCOS
排卵誘発剤を使って、タイミング法に挑戦中です。「多嚢胞性卵巣症候群」と診断されていますが、これは治るのでしょうか?
【お答え】もし注射を多用しないと排卵できないレベルなら体外受精をおすすめします
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)は、若い女性に多くみられ、たくさんの小卵胞が認められるものの、その卵胞の発育が不良という状態です。
超音波で卵巣を観察すると、多くの小さな卵胞がぐるりと連なってネックレスのように見えます。卵胞の成長が遅いため、月経周期が長くなる、無月経になるなどの排卵障害が起こります。ただし、排卵障害の程度は人によりかなり幅があり、軽い場合は自力で排卵が起こり、自然妊娠も可能です。
多嚢胞性卵巣症候群の方に見られる特徴的な超音波画像。ネックレスサインと呼ばれます。
ホルモン検査では、FSH(卵胞刺激ホルモン)は正常範囲なのに、LH(黄体化ホルモン)だけが高い値になることも、この病気の診断の参考になります。男性ホルモン(テストステロン)の値が上昇していることがあり、ニキビができやすかったり、毛深いなどの症状があったりすることも.
また、体重増加との関連が深いことも知られています。はっきりとした原因はわかっておらず、根本的な治療法がないのが現状です。
PCOSの方に強い排卵誘発を行うと、卵巣が腫れたり、おなかに水がたまる卵巣過剰刺激症候群(OHSS)のリスクが高まります。また、多くの卵ができてしまうと、多胎妊娠の問題もあります。
そこで、まずは飲み薬のクロミッドやレトロゾールを使って、排卵が起こるように導きます。人によっては飲み薬では効果が出ないこともあり、その場合、FSH製剤を低用量から少しずつ増やして投与する「低用量FSH漸増法」をとると、うまくいくケースがあります。
現在、体外受精での多胎はきわめて少なくなりましたが、一般不妊治療では、まだ多胎を引き起こすことがあります。注射をかなり多く使わないと排卵できないような重症の方には、早めに体外受精に進むことがすすめられます。
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