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不妊治療・妊活のクリニック探し・情報収集ならあかほし 基礎知識コラム 排卵してると思っていたのになぜ!?〈LUF〉って何?どんな状態?原因や治療法について不妊治療専門医がお答え

排卵してると思っていたのになぜ!?〈LUF〉って何?どんな状態?原因や治療法について不妊治療専門医がお答え

2024/08/23 公開
LUF(Luteinized Unruptured Follicle)

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不妊治療を進めるうえでは、まず自分たちの状況をよく知ることが大切です。そして体のことはもちろん、治療内容をきちんと理解することも重要。

今回は、病院指導のタイミング法にトライ中の方からの質問に、山下レディースクリニック院長・山下正紀先生がお答えします。

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【質問】LUF(黄体化非破裂卵胞)とはなんですか?

〈質問者データ〉
33歳
夫の年齢:30代
妊活歴:2年3ヵ月
既往歴:タイミング法にトライ中

通院でタイミングを指導してもらっています。ですが、2周期続けてLUFと診断されました。LUFについて知りたいです。

【お答え】卵胞は十分に発育し、排卵の指示も出ているのに排卵が起こらない状態をLUFといいます

LUFとはLuteinized Unruptured Follicleの頭の文字を並べたもので、日本語では「黄体化非破裂卵胞」と呼びます。一般には耳慣れない言葉ですが、不妊症の世界ではしばしば問題になるやっかいなものです。

卵胞は正常に成熟して、排卵の指令のホルモンが出ているのにもかかわらず、排卵は起こらず、それなのに卵胞の中に黄体ができて、ここから黄体ホルモン(プロゲステロン)が分泌される状態です。

したがって、黄体ホルモン値を測定すると上昇していて、基礎体温は高温期を示します。基礎体温の変化だけからは正常に排卵したように見えるという、まったく自覚のできないクセモノの無排卵なのです。


20㎜以上に成長した卵胞から黄体ホルモンが分泌され、基礎体温が上昇したあとも消失せずにそのまま残った状態で確認されれば、LUFと診断できます。

診断は、排卵期前後に超音波検査を行い、高温期になっているのに、卵胞が排卵前と同じように残っているときにLUFを疑います。超音波検査では、連続して検査することで、きちんと卵胞が破裂して排卵が起こったかどうかがわかります。

私は診察に際して、このLUFの存在を念頭において、注意して観察するようにしていますが、不妊の方によく認められることのある現象です。人によりその頻度はさまざまですが、なかにはLUFが毎周期のように起こってしまい、無排卵が続くケースもあります。

LUFの原因や治療法は?

原因ははっきりとはわかっていません。一般的には子宮内膜症、手術や炎症などによる骨盤腔内の癒着が関係することが多いとされているようです。

LUFの治療ですが、卵胞は十分に発育し、LHサージも起こり、排卵日検査薬は陽性に出ます。この場合、ホルモンのレベルも正常のことが多く、すでに排卵のためのホルモンは十分に出ているわけですから、排卵誘発剤の使用はあまり有効ではないでしょう。

毎回起こるのでなければ、様子をみていくのでいいのですが、頻繁にくり返すとき、有効な治療は体外受精だけだと思われます。

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監修
監修

山下レディースクリニック院長。
1980年奈良県立医科大学を卒業し、京都大学産婦人科に入局。舞鶴市民病院産婦人科医長に着任。86年オーストラリア・アデレード大学で体外受精の基礎から研鑚を積む。90年神戸中央市民病院に着任。産婦人科医長、体外受精チーフとして数多くの患者さんの治療にあたる。97年神戸三宮に山下レディースクリニックを開設。これまでに約10,000 人の妊娠をサポート。著書『最新! 不妊治療ナビ』(主婦の友社)が好評。日本産科婦人科学会認定産婦人科専門医。日本生殖医学会認定生殖医療専門医。

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