痛いと聞く「子宮卵管造影検査」は受けておいたほうがいい？妊娠しやすくなるって本当？【不妊治療専門医がお答え】

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妊活のための「検査」について山下レディースクリニックの院長・山下正紀先生がアドバイス。今回は「子宮卵管造影検査」についての質問にお答えいただきました。

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質問：子宮卵管造影検査は受けておいたほうがいい？

〈質問者データ〉
27歳／夫の年齢30代
妊活歴１年５カ月
現在の状況：夫が乏精子症

夫の精子が少なく、人工授精に進もうと思います。子宮卵管造影検査は受けておいたほうがいいでしょうか？

お答え：卵管の通過性の検査は必須です。検査後に妊娠しやすくなることも期待できます

卵管の通過障害は決定的な不妊原因のひとつ。タイミング法や人工授精での妊娠をめざすなら、卵管の通過性に問題がないかどうかは、必ず検査しておくべき項目です。もし両方の卵管が詰まっていたら、自然妊娠はできません。当院では、通院開始後できるだけ早い段階にすませるようにしています。

卵管の通過性を調べる検査に通気・通水検査もありますが、これらの検査では、もし問題があっても、卵管のどの部分なのかが特定できないため、現在は子宮卵管造影検査が最も多く行われています。

子宮卵管造影検査は、腟から子宮口に細い管を入れて造影剤を流し、Ｘ線撮影をします。当院では、注入直後と翌日の２回、造影剤が卵管から腹腔内へ拡散していく様子を観察します。卵管の通過性を確認する以外に、子宮や子宮の中の形態的な異常なども診断できます。

また、時間が経過しても造影剤が十分に拡散しない場合には、卵管の動きが悪い、すなわち卵管の周囲に癒着が起こっている可能性があると考えます。

正常に通っている卵管

造影剤を注入直後、両側の卵管より造影剤が流出している写真。これで卵管の通過を確認します。

24時間後に撮影した拡散像。この写真では極めて良好に造影剤が拡散しており、癒着等がないと診断できす。

検査は妊娠の可能性のない時期、つまり月経が終わってから排卵が起こるまでの間（低温期）を選んで行います。また、検査後に卵管の通りが改善して妊娠しやすくなる効果もあり、当院では、この検査を受けられたかたの約３人に１人は、数カ月の間に妊娠しています。

子宮卵管造影検査は、不妊の検査の中では「痛い」といわれ、不安に感じるかたも多いようです。前もって鎮痛剤を服用するのも効果的ですが、実は痛みは検査の方法と造影剤の種類によっても変わってきます。

痛みの感じ方は人によりますが、当院で検査を受けたかたのほとんどは、「痛いと聞いていたけれど、思っていたほど痛くなかった」との感想を持っていただけているようです。

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