精子と卵子の受精可能期間から考える〈人工授精のベストタイミング〉についてドクターが解説！

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多くの夫婦が抱える「赤ちゃんができない」という悩み。赤ちゃんを希望する年齢が高くなっていることもあり、不妊に悩む夫婦は増加傾向にあります。しかし、不妊治療には時間的なリミットがあります。

今回は「人工授精」について、山下レディースクリニックの院長・山下正紀先生に質問しました。

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人工授精のベストタイミングは？

〈質問者データ〉
35歳／夫の年齢40代
妊活歴１年３ヵ月
現在の状況：人工授精３回

hCG注射のあと、どのくらいで人工授精を行うのが望ましいですか？

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精子を注入する時点で排卵がまだ起こっておらず、翌日のチェックで排卵が確認できるのがベスト

人工授精のタイミングについてのポイントは、以下のように集約できると思います。

１.いつ行うのがベストか

２.どのような方法でその時期を決めるのか

精子と卵子の受精可能期間から考えると、まず卵子は排卵後半日程度生存しています。また洗浄・濃縮の人工授精の精子は、自然な性交渉の場合に比べると、受精可能期間が短縮されるかもしれませんが、２日程度は保たれると思われます。

このことから、人工授精で妊娠可能な時期は、排卵の約２日前から半日後の間となります。

子宮に注入された精子は、１～２時間で卵管膨大部まで到達するといわれていますので、排卵前後数時間が人工授精のベストタイミングといえます。ただし、実際問題としては、排卵したあとに排卵時刻を確認することはできません。

したがって、精子を注入する時点で排卵がまだ起こっておらず、翌日のチェックで排卵の終了が確認される場合がベストであると考えています。

実際のタイミングのとらえ方としては、尿検査によるLHサージの検出から排卵時期を推定する方法と、hCG（ヒト絨毛ゴナドトロピン）を注射して計画的に排卵を起こす方法があります。

最も有効な人工授精のタイミング決定の方法としては、超音波のチェックで20mm前後の卵胞を認めた時点で、毎日尿検査を行い、LHサージを検出したらできるだけ早く人工授精を行う。

あるいは、hCGの注射をして40時間後に人工授精を行うのがいいと考えます。午前中に人工授精を行うなら、hCGの注射は２日前の夜ということになります。

保険的な意味で、推定される排卵時期の前後に２日続けて人工授精をやってみるのも悪くないですし、可能であれば、人工授精の前後に夫婦生活をもっても妊娠の確率が高くなると思います。

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