多嚢胞性卵巣症候群の特徴を逆手にとって、早めのステップアップで妊娠【100人の妊活・不妊治療記＃015】

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多嚢胞性卵巣症候群で「将来は妊娠しにくいだろうと思っていました」と話してくれたのはM・Tさん（34歳／看護師）。「多嚢胞の人は卵子がたくさんとれるから、体外受精のほうが向いているかもしれませんよ」という医師の一言で、ステップアップを決意。早めの決断とポジティブシンキングが妊娠の決め手になりました。

【100人の妊活・不妊治療記＃015】みんながどんな妊活・不妊治療でママになったのか取材しています。（ご本人の年齢や検査の数値などは取材時点のものです）

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【M・Tさん妊活履歴】
30歳　結婚
32歳　妊活スタート。病院指導のタイミング法に数回トライした後、体外受精にステップアップ。１回目の移植で妊娠するも、稽留流産
33歳　２回目の移植も化学流産。３回目の移植で妊娠

多嚢胞性卵巣症候群のメリットをいかして体外受精へ

私は生理周期が32日前後と長く、結婚前に自治体の子宮がん検診で多嚢胞性卵巣症候群（以下、多嚢胞）と指摘されました。将来に妊娠を望んでも、きっとタイミングをとりづらいだろうと予想はしていました。なので、子どもが欲しくなったら、自己流タイミング法はせず、すぐに病院にかかろうと思っていました。

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30歳で結婚し、妊活を始めたのは32歳のときです。出産後に育児休暇を取得するには、１年以上同じ会社で働いていなければならないという条件を知っていたので、31歳で転職後、１年経過してから、まずは総合病院の婦人科を受診しました。

このときも超音波検査で多嚢胞だと診断されました。未熟な卵胞が多すぎて、卵胞が育ちにくく、排卵にも時間がかかり、タイミングもとりづらいということでした。トラブルばっかり…（汗）！

そこで、クロミッドを服用しながら、タイミング法にトライすることに。数カ月試してみましたが、クロミッドだけでは卵胞が育ちませんでした。

この総合病院では、内服治療とタイミング法しか行っていなかったので、より専門的な治療ができる不妊専門クリニックに転院し、排卵誘発剤の自己注射を開始しました。私は看護師なので、自己注射の手技は仕事の経験が役に立ちました！

注射を始めてからは、無事に卵胞が育つようになりましたが、排卵日前後にタイミングをとっても妊娠にはいたりませんでした…。

そんなとき、主治医から「多嚢胞の人は卵胞が多いから、採卵すると卵子がたくさんとれることが多い。体外受精のほうが向いているかもしれませんよ」と言われました。これは全く思いもよらなかったこと。

多嚢胞にはそういうポジティブな面もあるのか！と目からうろこで、先生の言葉に背中を押されて「やります！」と、すぐに体外受精へのステップアップを決意しました。その途中には人工授精というステップもありますが、これはタイミング法と変わらないと思ったので、迷わずにスキップしました。

40個も採卵できたけど、OHSSでおなかがパンパン！

体外受精に切り替えて採卵してみると、医師の予想どおり、なんと40個もの卵子がとれました！

採卵には全身麻酔も選べたのですが、よくわかっていなくて局所麻酔にしたら、ありえないほど痛かった…。めちゃくちゃ強い生理痛のような痛みが１時間くらい続き、「ヒーヒーフー」と言いながら深呼吸して、なんとか耐えました。陣痛を経験したような感じで、あれはもう二度とやりたくないです。

40個の卵子から成熟卵を厳選して、体外受精と顕微授精を行い、結果、14個の胚盤胞を凍結しました。グレードはすべて4AAといいランクで、医師や看護師もびっくり。どれを選んでもいいねと、ほめられました。

しかし、喜んだのもつかの間、採卵後はOHSS（卵巣過剰刺激症候群）になって苦しみました。卵子がたくさんとれたぶん、刺激も強かったようで、炎症が起こり、腹水でおなかがパンパンに。

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腹痛や吐き気もひどく、食事もとれず、医師から安静指示の診断書をもらって、１週間くらい仕事を休みました。

移植した胚盤胞。グレードは4AAで最高ランク。

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